ロスアンジェルスの一角にハンチングトンライブラリーという美しい施設がある。この施設の中にある日本庭園は素晴らしい。
日本に同じものがあってもそれほどの感銘を受けないのかもしれないが、乾燥した大陸の中で生活して、突然この庭園を訪れると、日本の素晴らしさが実感として湧き出してくる。
素朴な美、水と緑の民、自然を操るのではなく、自然と共生してきた日本民族の深遠なる神秘、我ながら、日本人であることの喜びを感じたひと時であった。
一週間ほどアメリカはロスアンジェルスを訪問した。いつも思うことだが、大陸から緑が消えていく。砂漠化していく。ロスでは一番のリゾートと言われるカタリーナアイランドへも案内してもらった。
緑豊かで珍しい動物が棲む、アメリカのギリシャといわれる島である。つい最近の大規模な山火事のせいもあるのだろうが、日本人の僕から見ると、とても緑豊かな島とは思えない。海岸近くの建築物は美しい装いを呈していたが、島一周の自然探索は、さほど価値を見出せなかった。でも、僕を元気にしてくれる卒業生諸君など我が愛する人々との再会が、アメリカ訪問を有意義なものと変えてくれた。
