昭和22年3月31日、アメリカはGHQの主導のもとで、日本の教育基本法は制定された。「民主的で文化的な国家を建設して・・・世界の平和と人類の福祉に貢献する決意・・・個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成を期する・・・普遍的にしてしかも個性豊かな文化の創造をめざす教育を普及徹底・・・。」日本側の委員は、「伝統の尊重」という文言を盛り込んでくれるように何度も嘆願した。でも願いは叶わなかった。そして、60年の年月が流れた。60年の歴史の中で、個性豊かなという文言に操られて、個性の個が孤独の孤として成長し、孤立の中で生きている多くの日本人が苦しんでいる。まさに孤性の中で生きている。教育基本法の中に盛り込んで欲しかった「伝統の尊重」とは、互いを思いやり、共に生きる、縁の繋がりで生きてきた日本人の伝統文化のことである。GHQは良く理解していた。この伝統を尊重させると、日本国民が大きな力を持つ事を。日本人は反省した。日本人は目を覚ました。背骨を抜かれた日本人が自分の背骨を取り戻そうとしている。そんな美しい日本の構築を安部新総理に期待する。