【詩歌】良寛「手毬をよめる」
冬籠り 春さり来れば
飯(いい)乞(こ)ふと 草の庵を
立ち出でて 里にい行けば
たまほこの 道のちまたに
子どもらが 今を春べと
手毬(てまり)つく ひふみよいむな
汝(な)がつけば 吾(あ)はうたひ
吾(あ)がつけば 汝はうたひ
つきて唄ひて 霞(かすみ)立つ
永き春日を 暮らしつるかも
かへしうた
霞立つ長き春日を子供らと手まりつきつつ今日もくらしつ
*
●「通釈等」
【通釈】
[長歌] 春になり暖くなったので、食物の施しを乞うとて、草庵を出て、里に行くと、道の辻で、子供たちが、今は春だというばかりに、手鞠をついて遊んでいる。「一二三四五六七(ひふみよいむな)」と、おまえたちが鞠をつけば、私は歌を歌い、私がつけば、おまえたちは歌い、ついては歌って、霞の立つ春の長い一日を、日が暮れるまで過ごしてしまった。
[反歌] 霞の立つ春の長い一日を、子供たちと手鞠をつきながら今日も過ごしてしまった。
【補記】
反歌は『布留散東』にも所載。良寛に類想の歌は少なくなく、「霞立つ永き春日に子供らと手毬つきつつこの日暮らしつ」など。
【参考歌】
王仁「古今仮名序」ほか(第四句を「今をはるべと」とする本もある)。
難波津にさくやこの花冬ごもり今は春べとさくやこの花
【主な派生歌】
子供等と鞠つき遊びたはむれし良寛思(も)へばわれは寂しゑ (吉井勇)
□良寛「手毬をよめる」
↓クリック、プリーズ。↓
茂木弘次「良寛さんと毬」(国上山朝日山公園)
冬籠り 春さり来れば
飯(いい)乞(こ)ふと 草の庵を
立ち出でて 里にい行けば
たまほこの 道のちまたに
子どもらが 今を春べと
手毬(てまり)つく ひふみよいむな
汝(な)がつけば 吾(あ)はうたひ
吾(あ)がつけば 汝はうたひ
つきて唄ひて 霞(かすみ)立つ
永き春日を 暮らしつるかも
かへしうた
霞立つ長き春日を子供らと手まりつきつつ今日もくらしつ
*
●「通釈等」
【通釈】
[長歌] 春になり暖くなったので、食物の施しを乞うとて、草庵を出て、里に行くと、道の辻で、子供たちが、今は春だというばかりに、手鞠をついて遊んでいる。「一二三四五六七(ひふみよいむな)」と、おまえたちが鞠をつけば、私は歌を歌い、私がつけば、おまえたちは歌い、ついては歌って、霞の立つ春の長い一日を、日が暮れるまで過ごしてしまった。
[反歌] 霞の立つ春の長い一日を、子供たちと手鞠をつきながら今日も過ごしてしまった。
【補記】
反歌は『布留散東』にも所載。良寛に類想の歌は少なくなく、「霞立つ永き春日に子供らと手毬つきつつこの日暮らしつ」など。
【参考歌】
王仁「古今仮名序」ほか(第四句を「今をはるべと」とする本もある)。
難波津にさくやこの花冬ごもり今は春べとさくやこの花
【主な派生歌】
子供等と鞠つき遊びたはむれし良寛思(も)へばわれは寂しゑ (吉井勇)
□良寛「手毬をよめる」
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茂木弘次「良寛さんと毬」(国上山朝日山公園)