政権奪取を狙う自民党の公約は、驚くべきものだ。「憲法改正と教育再生に全力」を尽くす、という。
(1)「憲法改正」
憲法改正に必要な発議要件は国会議員の3分の2だが、それを2分の1に緩和する。「憲法解釈の見直し」と曖昧な言い方をしているが、9条に手をつけるつもりだ。
(a)集団自衛権の行使を可能にし、
(b)国家安全保障会議を創設し、
(c)武器輸出主禁止三原則を見直す。つまり、撤廃して武器輸出ができるようにする。
(d)尖閣諸島に避難港を作り、役人を常駐させ、
(e)さらに領海警備のために自衛隊法を変える。
(2)「教育再生」
(a)首長が教育委員会の責任者を任命する。
(b)教科書の検定基準で「近隣諸国条項」を見直す。「近隣諸国条項」とは、「近隣のアジア諸国との間の近現代史の歴史的事象の扱いに国際理解と国際協調の見地から必要な配慮がされていること」という規定で、教科用図書検定基準に定められている事柄だ。見直しとは、要するに、「配慮しない教科書を作ろう」という意味だ。
(3)社会保障切り下げ
「自立を前提とした生活保護制度の見なおし」とは、言い換えれば、生活保護率を下げる方向に持っていく、ということだ。貧しい者はさらに貧しくなれ、という例の「自己責任」政策だ。
(4)「経済成長」
戦後日本は、戦争を回避する努力をひとつひとつ積み重ねてきた。
経済格差を少なく留めよう、と努力してきた。
これらの努力をすべて放り出し、米国の被占領国になりきるのが、今の自民党案だ。
「経済成長」と言っているので、武器輸出や原発輸出や銀磁力増強で経済成長するつもりだろう。日本の軍需産業化だ。
(5)矛盾
公約には、大学の国際化も入っている。
これは、(2)-(b)の教育政策と矛盾する。
大学は、留学生を迎えることで、進学人口の減少を乗り切ろうとしている。留学生の多くは中国人だ。これほど中国に敵対的な政策をとったら、留学生は来なくなる。
自民党議員はたぶん、「国際化」と聞いたとたんに、金髪に青い目が浮かぶおじさんたちなのだ。
現実に起こっている国際化は、東アジア、東南アジアとの密接な関係だ。
以上、田中優子(法政大学教授)「誰の名前を書くのか、その人の品格が問われる 3・11以降の実践に希望 ~国会前の怒りの声を聞け!~」(「週刊金曜日」2012年11月30日号)に拠る。
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(1)「憲法改正」
憲法改正に必要な発議要件は国会議員の3分の2だが、それを2分の1に緩和する。「憲法解釈の見直し」と曖昧な言い方をしているが、9条に手をつけるつもりだ。
(a)集団自衛権の行使を可能にし、
(b)国家安全保障会議を創設し、
(c)武器輸出主禁止三原則を見直す。つまり、撤廃して武器輸出ができるようにする。
(d)尖閣諸島に避難港を作り、役人を常駐させ、
(e)さらに領海警備のために自衛隊法を変える。
(2)「教育再生」
(a)首長が教育委員会の責任者を任命する。
(b)教科書の検定基準で「近隣諸国条項」を見直す。「近隣諸国条項」とは、「近隣のアジア諸国との間の近現代史の歴史的事象の扱いに国際理解と国際協調の見地から必要な配慮がされていること」という規定で、教科用図書検定基準に定められている事柄だ。見直しとは、要するに、「配慮しない教科書を作ろう」という意味だ。
(3)社会保障切り下げ
「自立を前提とした生活保護制度の見なおし」とは、言い換えれば、生活保護率を下げる方向に持っていく、ということだ。貧しい者はさらに貧しくなれ、という例の「自己責任」政策だ。
(4)「経済成長」
戦後日本は、戦争を回避する努力をひとつひとつ積み重ねてきた。
経済格差を少なく留めよう、と努力してきた。
これらの努力をすべて放り出し、米国の被占領国になりきるのが、今の自民党案だ。
「経済成長」と言っているので、武器輸出や原発輸出や銀磁力増強で経済成長するつもりだろう。日本の軍需産業化だ。
(5)矛盾
公約には、大学の国際化も入っている。
これは、(2)-(b)の教育政策と矛盾する。
大学は、留学生を迎えることで、進学人口の減少を乗り切ろうとしている。留学生の多くは中国人だ。これほど中国に敵対的な政策をとったら、留学生は来なくなる。
自民党議員はたぶん、「国際化」と聞いたとたんに、金髪に青い目が浮かぶおじさんたちなのだ。
現実に起こっている国際化は、東アジア、東南アジアとの密接な関係だ。
以上、田中優子(法政大学教授)「誰の名前を書くのか、その人の品格が問われる 3・11以降の実践に希望 ~国会前の怒りの声を聞け!~」(「週刊金曜日」2012年11月30日号)に拠る。
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