東京都立川市は、2010年度に競輪場の電気をPPSに切り替えて電気料金を3割削減し、その後小中学校など市の施設で次々に切り替えていった。
これをモデルに、東京都世田谷区は、1月23日、区の施設の電気を東電以外から購入できる競争入札制度の導入を発表した。PPSが参入すれば、2011年度比で2,000万円削減、東電が17%の大口顧客向け電気料金値上げに踏み切れば削減効果は1億円を超える。
立川市がPPS利用を広げるため、電力供給契約の見直し方針を打ち出した2010年夏、東電社員が市の担当課を訪れた。我が社の二酸化炭素削減の取り組みを聞いてくれ・・・・。
同行した大石富巳夫・市議(民主)は、東電によるレクチャーの間ほとんど発言しなかったが、最後まで同席した。そして、12月議会で質問に立った。二酸化炭素削減は重要、入札の参加資格に「環境配慮の要件」を加えよ、環境配慮の要件を満たさない業者を排除せよ、云々。
PPSは火力発電が多く、料金面を除けば圧倒的に東電に有利な制度を求めたのだ。
翌2011年2月、一定の環境配慮を参加資格とする入札が実施された。その結果、市がそれまで契約していたPPSは除外され、東電は残った(東電は最終的に入札を見送った)。
大石は、1979年、東電武蔵野支社に入社後、東電労組支部委員長などを経て2006年に市議に初当選。2010年には東電労組が作る政治連盟から800万円の寄付を受けていた。
東電本社は、大石が現職社員と認めた。
東電社員議員は、立川市のほか、少なくとも東京、神奈川、埼玉、栃木、福島、新潟、山梨の10都道府県の市町村議員19人が確認されている。
いずれも東電管内で、大半が前記の政治連盟から数十万~1,000万円超の寄付を受けている。
各議会議事録には、自社の防衛ないし利益誘導と目し得る発言が散見される。
「太陽光や風力発電の供給安定性は非常に低い」
「原発の建設は3,000億円だが、太陽光発電システムは6兆、7兆円」
「原発を含めたエネルギー教育を推進せよ」
議員は、会社から給料をもらっている。ただし、議長などに就任して会社の仕事ができなくなると、休職になる。東電議員はOBを含めて30人ほど。【内情を知る社員】
総括原価方式では、人件費も料金に含まれる。電気料金から社員議員の給料が支払われる仕組みだ。
社員議員は、主に労組幹部から転身する。立候補に当たって労組と政策協定を結び、選挙や資金面で支援を受ける。
議員になってからは、時間外手当や夜勤手当などがなく東電からの給料は下がったが、議員の報酬(約1,000万円)があるので、所得は前より上がった。【首都圏の社員議員】
現職社員であり、給料まで出ているとは驚きだ。多額の寄付金もあり、一体何に使っているのか。電力会社は総括原価方式で、いくら人件費を出しても懐が痛まない。国が原発推進の見返りに料金設定を好きにやらせてきた結果だが、公共料金は「第二の税金」だ。普通の企業とはわけが違うのだから、襟を正すべきだ。【布施哲也・「反原発自治体議員連盟」代表】
東電労組が作る政治連盟の収支報告書には、金銭感覚の麻痺を窺わせる支出が頻出する。
「意見交換会」が開かれた会場には、一流料亭の「なだ万」や高級中華「聘珍樓」、銀座のパブなどがある。1回の支出額は10万円前後が多い。
政治連盟の原資は、社員からの会費で、2010年分の収入は2億6,000万円。これも電気料金の一部だ。
以上、大場弘行(本誌)「電気料金値上げの裏 東電社員の「利益誘導」」(「サンデー毎日」2012年3月4日号)に拠る。
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これをモデルに、東京都世田谷区は、1月23日、区の施設の電気を東電以外から購入できる競争入札制度の導入を発表した。PPSが参入すれば、2011年度比で2,000万円削減、東電が17%の大口顧客向け電気料金値上げに踏み切れば削減効果は1億円を超える。
立川市がPPS利用を広げるため、電力供給契約の見直し方針を打ち出した2010年夏、東電社員が市の担当課を訪れた。我が社の二酸化炭素削減の取り組みを聞いてくれ・・・・。
同行した大石富巳夫・市議(民主)は、東電によるレクチャーの間ほとんど発言しなかったが、最後まで同席した。そして、12月議会で質問に立った。二酸化炭素削減は重要、入札の参加資格に「環境配慮の要件」を加えよ、環境配慮の要件を満たさない業者を排除せよ、云々。
PPSは火力発電が多く、料金面を除けば圧倒的に東電に有利な制度を求めたのだ。
翌2011年2月、一定の環境配慮を参加資格とする入札が実施された。その結果、市がそれまで契約していたPPSは除外され、東電は残った(東電は最終的に入札を見送った)。
大石は、1979年、東電武蔵野支社に入社後、東電労組支部委員長などを経て2006年に市議に初当選。2010年には東電労組が作る政治連盟から800万円の寄付を受けていた。
東電本社は、大石が現職社員と認めた。
東電社員議員は、立川市のほか、少なくとも東京、神奈川、埼玉、栃木、福島、新潟、山梨の10都道府県の市町村議員19人が確認されている。
いずれも東電管内で、大半が前記の政治連盟から数十万~1,000万円超の寄付を受けている。
各議会議事録には、自社の防衛ないし利益誘導と目し得る発言が散見される。
「太陽光や風力発電の供給安定性は非常に低い」
「原発の建設は3,000億円だが、太陽光発電システムは6兆、7兆円」
「原発を含めたエネルギー教育を推進せよ」
議員は、会社から給料をもらっている。ただし、議長などに就任して会社の仕事ができなくなると、休職になる。東電議員はOBを含めて30人ほど。【内情を知る社員】
総括原価方式では、人件費も料金に含まれる。電気料金から社員議員の給料が支払われる仕組みだ。
社員議員は、主に労組幹部から転身する。立候補に当たって労組と政策協定を結び、選挙や資金面で支援を受ける。
議員になってからは、時間外手当や夜勤手当などがなく東電からの給料は下がったが、議員の報酬(約1,000万円)があるので、所得は前より上がった。【首都圏の社員議員】
現職社員であり、給料まで出ているとは驚きだ。多額の寄付金もあり、一体何に使っているのか。電力会社は総括原価方式で、いくら人件費を出しても懐が痛まない。国が原発推進の見返りに料金設定を好きにやらせてきた結果だが、公共料金は「第二の税金」だ。普通の企業とはわけが違うのだから、襟を正すべきだ。【布施哲也・「反原発自治体議員連盟」代表】
東電労組が作る政治連盟の収支報告書には、金銭感覚の麻痺を窺わせる支出が頻出する。
「意見交換会」が開かれた会場には、一流料亭の「なだ万」や高級中華「聘珍樓」、銀座のパブなどがある。1回の支出額は10万円前後が多い。
政治連盟の原資は、社員からの会費で、2010年分の収入は2億6,000万円。これも電気料金の一部だ。
以上、大場弘行(本誌)「電気料金値上げの裏 東電社員の「利益誘導」」(「サンデー毎日」2012年3月4日号)に拠る。
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