よしなごと徒然草: まつしたヒロのブログ 

自転車XアウトドアX健康法Xなど綴る雑談メモ by 松下博宣

オフィシャルガイド「実践!オープンソースCRMアプリ~SugarCRMを使い倒す~」を共著出版

2006年02月12日 | No Book, No Life
新著を翔泳社から出版。編集いただいた外山圭子さんにはお世話になりました。3/3にはこの本の出版に合わせてセミナーを開くのでみんなで集まりましょう。

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世界中で爆発的ブームを起こしているSugarCRMの全貌を一気に公開。破壊的イノベーションのメカニズム、コマーシャルオープンソース、今後のCRM 業界、ソフトウェア業界の方向に一石を投ずる画期的な情報の集大成。導入開発テクニック満載の日本で唯一のSugarCRMオフィシャルガイド。 SugarCRM日本語プロジェクトを産学官連携体制で牽引し、有償版の日本代理店を担当するケアブレインズによる待望の一冊。

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と、まあ、プロモーション的な能書きはさておき、今回の出版のきっかけも雑談から。この本で単・共著含めて11冊目の出版となるが、だいたい出版社の人やまわりの人との雑談から本づくりは始まる。共著した内田隆平と、ああだこうだ雑談会議をしているときに、こりゃオモシロイ!よっしゃオープンソースSugarCRMをネタにして本を書こう!ということになり、いろいろな不思議なシンクロニシティの繋がりで出版社の翔泳社から出すことになった。

アウトプット系活字人間から見れば、本書き、モノ書きは排泄生理作用みたいなものだ。体の奥のほうにたまってくる毒素を書いて排出しなければ、体とアタマがうっとおしくなる。だから書く。書かざるをえない。

その意味でブログは排泄物を捨てて、発酵させる昔の地方にはよくあった汲み取り式の便所みたいなものか。排泄物を体外に出して身体をきれいにしておくカタルシス(catharsis)の場みたいなものだ。さらに時間がたてば、ブログ便所は芳醇な香りを沸き立たせる。今度の本はこのブログでああだこうだオープンソースについてメモしたきたことも大きな素材になっている。(とくに序章と第4章は)

さて、歴史、文学、哲学、民俗学、宗教という人文系のジャンルではなく、参与的観察が決め手になるビジネス書というジャンルに限定すると、本を書くという排泄作用は、えらくはしょっていってしまえばこんなになるか:

           1冊の本を書くという排泄作用 = f (a,b,c)

             ただし、

             a. ビジネスに身をさらす
             b. 本や論文、膨大なサイトを読みまくる
             c. シンクロニシティを楽しむ

a. ビジネスに身をさらす

クリエイティブなビジネスの最前線は情報、知識、イノベーションのバザールみたいなものだ。なので面白いビジネスの最前線には知的にオモシロイ人が戯れ集う。そしてオモシロイ人によってさらにオモシロイ情報、知識がもたらされ、分かち合いが進み、つぎつぎに増殖してゆく。こうなってくるとその「場」はちゃんこ鍋的増殖炉みたいな様相を呈しはじめる。面白いのは、ちゃんこ鍋的増殖炉には、強力な文脈(コンテクスト)的磁場が生じるということだ。新規性に富むコンテンツは、このコンテクスト形態形成場から生まれ、ビジネスプランにもなれば、本にもなる。まずは、こうした経験のちゃんこなべのような坩堝のなかに身を置いて経験価値を蓄積してゆく。

b. 本や論文、サイトを読みまくる

ビジネス経験からもたらされる情報や知識は断片的、刹那的なものが多い。なので、ちゃんこ鍋のなかにどのような食材や調味料を入れるのかという編集作業がいる。また、編集するには体系的な分析の視点やモデル、先行研究を下敷きにしてさらに独自性を加えたオリジナルな視座が必要となってくる。だいたい1冊の本を書くときは、200冊/本くらいの書物や論文に目を通したり、良質なサイトを探索して読み込んだりする。ただし、ビジネス書といえども長きにわたる読書経験の累積的総和が、本の奥行きや幅に影響せざるをえないので、やはり書斎にどのくらいの蔵書を溜め込んで充実した書物との付き合いをしてきたか、なんてことも影響するだろうが。

c. シンクロニシティを楽しむ

シンクロニシティにはおおむね3種類ある。ひとつめは、書き手=テキストのものづくり人間、読み手=市場、それらに介在する出版社=コンテンツビジネスのエージェントの繋がりをもたらすシンクロニシティである。こればかりは運のようなものがある。非常に優れたコンテンツを持った人だが出版社との縁に恵まれず著作がない人もいば、たいしたコンテンツでなくてもやたら本を出すモノカキもいるにはいる。

二つめは、aとbの間で生まれてくるシンクロニシティ。読みたい、読むべき本や論文がまわりの人からポンと降って降りて来たり、同じような関心を持った人達とパッと縁ができて意気投合して話が進んだりする。共著者どうしがお互いのブログを読み合うというのもいい。

三つ目は、Web2.0風にいえば、Collective Knowledge(みんなの知識、知恵の集積)との同時的関わりあいともいうべきもの。ひとりの閉じた蔵書だけではなく、みんなの知識や知恵のオープンなコミュニティとのシンクロニシティとでもいっていいか。これらのシンクロニシティの踊りのなかでフロー体験が惹起されると書くという作業に没入することになる。





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