よしなごと徒然草: まつしたヒロのブログ 

自転車XアウトドアX健康法Xなど綴る雑談メモ by 松下博宣

世界初!オープンソースCRMの資格研修スタート

2006年10月31日 | 講演放浪記
SugarCRMのコミュニティ・エディションとコマーシャル・エディションを題材にしたCRMの導入とカスタマイズの実機研修をはじめます。かねてから関係者より、ご要望が多数寄せられてきました。

もちろん題材はPHPで記述されているSugarCRMそのもの、です。ソースコードをまるごと手元におきながら、トレーニングを受けるということは、トレーニングの成果物を確実に身につけ、活用できるということです。オープンソースならではの、よく身につくトレーニングとなることでしょう。ソフトウェア・トレーニングというサービスにおいてもイノベーションを目指したいと思います。

日本代理店のケアブレインズは来年よりオープンソース業務アプリケーションの(Certificate Accreditation)各種資格認定を提供させていただきますが、今回提供するコースは、認定取得のための必須講座となります。

詳細・お申込みこちらです。

PHPでここまで出来るのか!という現実を、ハイレベルな業務アプリケーションを題材に、ぜひ存分に味わいつつ、今後のシステム導入や構築サービスに活かしてみませんか。


オープンソースカンファレンスFall2006

2006年10月29日 | 日本教・スピリチュアリティ
業務アプリ・レイヤでのオープンソースといえば、ビジネスモデルはセパレートライセンスのもとで、無償のコミュニティ・エディションと有償エディションを並列的に扱うのがスタンダードになりつつある。

昨日のニュースで、Scalixが日本法人を設立、というのがあり、社内でちょっとした四方山話に花が咲いたばかり。

新宿は大久保のオープンソースカンファレンスFall2006で小一時間、SugarCRMのスピーチをさせていただいた。その講演が終わるやいなや、そそくさと前のほうに歩み出て僕に名刺を差し出す方がいた。名刺を見れば、VP, International Sales, Scalixと。おお、シンクロニシティか。昨日の四方山話にいささか興味を抱き、この会社の方に会いたいなあと思っていたからだ。セミナー会場で挨拶させていただいたブラウアーさんによると、ScalixはSugarCRMのビジネスモデルを相当詳細に研究したうえで、かれらのソリューションの提供方式をセパレート・ライセンス方式にしたとのこと。

なるほど。

Scalixは,Ajaxを活用しMicrosoft Outlookライクなユーザー・インタフェースを実現したWebメール・ソフト。ドラッグ&ドロップでメールをフォルダに移動させたり,マウス操作でスケジュールを設定したりできる。

その後、日本スケーリックスの久保社長さんとも歓談。業務アプリケーション領域での汎用性のあるソフトウェアは、コマーシャル・オープンソースにどんどんなってゆくと常々言ってきたが、もはや、これは抜き差しがたい現実となっている。今後は業務アプリケーション領域でのコマーシャル・オープンソース同士の連携というテーマも熱くなるだろう。





オープンソースとVCが織り成す自己組織的マンダラ

2006年10月21日 | 技術経営MOT
SugarCRMの幹部の連中と飲んだときに面白い話になった。シリコンバレーにはベンチャーキャピタリストが有望企業を探してウロウロしているが、昨年から今年にかけてはコマーシャル・オープンソースが有力な材料なのだという。なかでもSugarCRMは立て続けにファイナンスを実施し、巨額の資金をVCから調達しているので、彼の話には信憑性がある。

この図(やや古いが)は、彼の友人のMatt Asayという目利き御仁とその仲間が作ったVCとオープンソース系ベンチャーの直接金融の絵柄。それぞれのVCが、どのようなベンチャーにリスクマネーを投じているのか、VCがどのようなテーマにレバレッジをかけているのか、そしてVC/ベンチャー企業がどのような相互補完の関係性を形成しつつあるのが一目瞭然。じっと見ていると、どのVCがどのベンチャーに触手を伸ばす可能性があるのかも、ほんのり見えてくる。さらにじっと見つめると、この絵図はオープンソース系ベンチャーという枠を超えた、近未来のオープンソース技術経営ロードマップにも見えてくる。

さて大事なポイントがある。たんに単独のVCが単独のオープンソース系ベンチャーにキャピタルゲインを狙って投資するのではなく、投資家は手厚いハンズオンを実施しつつベンチャー企業同士、エスタブリシュされた企業とベンチャー企業の相互補完、アライアンス、ソリューション開発にまで深入りしているという点だ。

このように、オープンソース系ベンチャー支援のエコシステムが自己組織的にダイナミックに形成されてリアルにウゴいている。どこぞの国の「産学官連携で、地域の活性化をはかろう」というのっぺりとしたお題目とかけ離れたリアリティが、「そこ」には歴然とある。

複数の目利きを抱えたVCが相互補完的にオープンソース系ベンチャーに出資することによって、オープンソース系ベンチャー同士の技術・ビジネスレイヤの相互補完、連携が進む。また、新たな連携が新たなソリューションを生み、結果としてオープンソースのユーザがそのメリットを享受するというエコロジーとエコノミーが機能している、あるいは機能させようとしているのだ。

残念ながら日本では、まだこのようなオープンソース界隈での経済生態学的エコシステムは見当たらないが、その萌芽は確実にできつつある。わが社に投資いただいている大学、VC、事業会社が、日本版オープンソース・コスモスの核となってゆくだろう。また、そのようなビック・ピクチャーを描いてゆこうという志やロマンをもったVCや事業会社とおつき合いしたいものだ。




12年目の看護経営学、第4版の増刷出版

2006年10月16日 | No Book, No Life
「看護経営学」の第4版が10月10日に出版されました。奇しくもこの日は、僕の誕生日でもあり、ラッキーデーということでしょうか。編集者は、僕の誕生日を知るわけもなく、ちょっとしたシンクロニシティ。

拙著「看護経営学」の初版は1994年の5月20日。その第1版1刷から12年が経ちました。今回は第4版ということで、平成18年度の診療報酬制度の改定を視野におさめ、大幅改版となります。12年もの長い間読み継いでいただき、御礼申し上げます。

今後とも、サービスサイエンス、ヒューマンサービスの視座に磨きをかけて、在野独自の視点から現場に立って医療、福祉、看護、介護のマネジメントのあるべき姿を考えてゆきたいと思います。


大手Sier、続々とSugarCRMを商材として導入!

2006年10月11日 | オープンソース物語
このところ立て続けに、大手企業とアライアンスを構築し発表している。昨日と今日、アライアンス先としてニュースになったのが、ソフトバンク・テクノロジーと富士通ソーシアルサイエンスラボラトリ。

『ソフトバンク・テクノロジーとケアブレインズ、SugarCRM連携ソリューションで提携』

『富士通SSLがオープンソース・ベースのCRM「SugarCRM」を販売へ』

『CRM はシュガーの時代!? ソフトバンクグループが SugarCRM 販売会社に出資』


ニュースになると、アライアンスの結果しか見えてこないが、実は交渉のプロセスでは大量のエネルギーを使い、膨大な汗をかく。悲喜こもごものやりとりの裏には、ソロバン勘定もあれば、駆け引きもある。でも下手な駆け引きや打算よりも、どれだけ、アライアンスにロマンや情熱を心底感じ、共有することができるのかが大切だ。

ともあれ、日本語版SugarCRMの需要はとほうもなく大きい。グローバルなオープンソース・コミュニティに開発の基礎を置くSugarCRM。そしてコマーシャル・オープンソースというポジショニングのもと、セパレートライセンスで有償版プロダクトを企業へも販売する。この日本語版SugarCRMの有償版の機能、品質、費用対効果が、日本の上場企業に認められた意味は大きい。

日本のソフトウェア産業にとって本質的に記念すべき日なのだ。ちなみに10月10日は僕の誕生日でもあるのだが、笑)。プロパライエトリソフトウェアの限界の向こうにオープンソースが登場し、オープンソースの限界をブレークスルーするためにビジネスとの親和性が高いコマーシャル・オープンソースが登場しているのである。このような背景のもと、日本のソフトウェア産業が、日本語版SugarCRMを使用し、商材として扱うということは、パラダイムシフトが現実に起こっていることを如実に示して余りある。

今後一層、汎用性の強い業務アプリケーション領域にはコマーシャル・オープンソース化の波が押し寄せてくるだろう。その動きを下ざさえして連動するLAMP(Linux、Apache、MySQL、php)の世界も、ついでにWAMP(Windows、他同じ)も勢いづくだろう。その第一波をうねらせ、既存のビジネスプレヤーに認めさせるというのは冥利につきる。

いち早く事業提携の勇断を行っていただいた2社には、その交渉スタイルの違いこそあれ、敬意を表したい。なかんずくコマーシャル・オープンソースの可能性、ケアブレインズのビジネスモデル、理念、そして僕たちの物語りや仕事に熱く共感いただき、わずか数日の検討を経て、株式まで引き受けていただいたソフトバンク・テクノロジーのスピーディーかつリスクテーキングなスピリットにこそ、真摯に応えてゆきたいと念じている。