よしなごと徒然草: まつしたヒロのブログ 

自転車XアウトドアX健康法Xなど綴る雑談メモ by 松下博宣

2013北海道自転車ツーリング⑨宗谷岬へ

2013年09月15日 | 自転車/アウトドア

留萌から一緒になり意気投合していっしょに飲んだり、走ったり、食べたりしたI君@札幌国際大学がステキなビデオを編集してくれた。

ぼくと、I君とW君のパーティーは数日違いで、札幌から宗谷岬までのほとんど同じルートを走ったのだ。

それにしても彼らの走りはスゴイ。30cmもない幅のタイヤを履いたロードバイク、クロスバイクにドデカいザックを背負ったサイクリング。

もしかしたら無謀とは自由であるためのコストなのかもしれない。

形式にとらわれない自由は、ロックの旋律によくあっていると思う。

ありがとう!

許可を得て、記念に張っておこう。また、北海道で会えたらいいね。

そして、自転車旅行というのはロックなものなんだ、と改めて認識する。

朝、石垣さんが、取れたばかりのウニを振舞ってくれた。

なにか、昨夜見たビデオと同じ展開(笑)

ウニの触手がニョロニョロと動く。

ナタでガバッとわると、新鮮なウニの身が!

これを指ですくってチャリダーさん、ライダーさんが、食べる、食べるわ。

うまい、うまい、うまい!

ムラサキウニと馬糞ウニ。すばらしいデザートだ。 

 ということで、今日は宗谷岬まで4人で走ることになった。日ごろ、ランニング、自転車で鍛えているとはいえ、相手は20代前半の若者。ところが、700cホイールの威力もあり、アップダウンがまったくないルートなので、片道30kmの往復はけっこうスイスイだった。

ここ数年間は確実に体力が増進していることを実感する。

やはり日ごろの鍛錬が必要だ。

 

サイクリストの聖地=宗谷岬。この裏には、最北端の岩というのがあって、そこに立つ。

これで名実ともに、最北端に立ったわけだ。

みんな、元気で、陽気でガッツがある若者だ。

わいわいと宗谷岬で騒ぐ。

岬から稚内まではとてもよく晴れ、しかも背中から風の応援をもらう。途中、留萌からいっしょに走ったI君、W君、そしてTさんとすれ違い、お互いの健闘をたたえあった。

「よい旅を!」

これにて2013年夏の北海道自転車ツーリングは無事終了!

今年もいろいろなオモシロイ出会い、邂逅の連続だった。

ああ、北海道!

これから自転車を分解して札幌に行き、ふたつの大学で講義だ。

走行距離62km

<完>


2013北海道自転車ツーリング⑧雨のサロベツ原野を走りぬけ「漁師の店」へ

2013年09月15日 | 自転車/アウトドア

 

 昨日から行動を共にして昨夜いっしょに温泉に入り、飯を食べて、いろいろ語り合ってライダーハウスに泊まったK君といっしょに雨の中を走り出す。

数年前に子供二人と三人パーティを組んで走ったときはサロベツ原野は晴れていたのだが、まあ、天気ばかりはしょうがない。 子供が小さい頃は、サイクリングをはじめアウトドアのイロハをずいぶん教えた、というか、教えながらいっしょに遊んだものだが、そのムスコたちも今は大学生。

ヤツラは自分たちの道を行けばいい。

大学生の夏休みといえば、もう、親なんて関係なし。それでいいのだ。だから、この数年は単独サイクリングが本格的に復活しているのだ。

かんがえてみみれば、K君は、子供の年頃。なにか面白い。

朝早いので、クルマはほとんど通らない。 

どこまでも続く一本の道。

だだっ広いサロベツ原野が延々と続く。

この単純明快な風景のなかを、単純明快に走る。

ただそれだけ。

でも、それがたまらなくいいのだ。

 

国道を右にまがってしばらく行くと、「明日の城」。そして、サロベツ湿原センター。ラムサール条約に登録されたのを期に展示物、サービスの拡大に努めた施設だ。この湿原についていろいろ調べたいことがあったのだが、朝早すぎて、まだ開館されておらず。

ベンチに座って雨、風を凌ぐだけとなった。

ここからは、K君は来た道を戻り、日本海沿いにノシャップ岬を目指す。自分は、まだ走ったことの無い40号線で稚内に向かう。ノシャップ岬から至近の場所にある「漁師の店」というライダーハウスで落ち合うことになった。 

 ライダー、チャリダー業界では、いわずと知れた「漁師の店」。

去年、NHNの「小さな旅」で放映された。たまたま、その番組を見ておおいに感動したのが昨年のこと。そんなこともあり、次回稚内に来るときはここにお世話になろうと決めていたのだ。

<ライダーハウス漁師の店で宴会>

一泊二食つきで2000円というのは破格だといってよい。いつもの夕食は名物のウニ丼だが、このところ、シケで漁ができずに、残念ながら、晩御飯は三色丼。

チャリダーは、前日遭遇した東京から来た青学と法政のアスリートチャリダー、名古屋大学のK君、自分の4人で、楽しくビールを飲み、飯を食う。

飯のあとは、老若男女、チャリダーさん、ライダーさんのミックスで飲み会。お酒は、300万円もするハーレー・デビッドソンにまたがる、話好きな初老のライダーさん達が差し入れてくれた。

ありがたし。

こういうとき、チャリダーは、なんというか「貧乏」の記号をしょっているので、もっぱら、飲むだけで済むのが、いいといえばいいか。

このライダーハウスのオーナーの漁師石垣則行さんから、このライダーハウスの来歴など有難いお話を伺う。漁師を生業としながらも、この人には旅人をヘルプするホスピタリティがミッションとして深く根付いているのだ。

ポツリ、ポツリと語る石垣さんは、どことなく静謐で思索的な雰囲気を持つ。

その長年の思索、そしてホスピタリティ・スピリットが具現化したものが、このラーダーハウスなのだ。

みんなで、あのNHKの「小さな旅」のビデオを見る。なんでも収録してからビデオをNHK札幌が送ってくれたそうだ。そう説明してくれたのはアルバイト君。なんでも、自転車旅行の途中、金が底をついて、漁師の店で住み込みのアルバイトを3ヶ月やり、明日、晴れて出発し、次は沖縄を目指すという。

今もこういう若者いるんだね。なんとなく親近感を感じてしまう。

<NHK小さな旅~漁師の店編~>

 

なるほど、あのビデオだ。いいいなぁ、こういうの。。まさか、リアルな漁師の店で、このビデオを再度見ることになろうとは!

みんなでビデオをしんみりと観てから、旅の話、北海道の話、うまい店、道の状況・・・・ああでもない、こうでもないととめどもなく楽しい話が続く。

「漁師の店」は、ほんとうにいいところだ。雨風の中を走ってきた疲れが消えたのは言うまでもない。 

走行距離:78km

つづき


2013北海道自転車ツーリング⑦オロロンラインを駆け抜けて天塩へ

2013年09月10日 | 自転車/アウトドア

(Tさんとともに:道の駅おびら鰊番屋の前の海岸

自転車で旅する人には、いろいろな物語がある。自転車や装備も、それぞれの物語を語るし、サイクリスト本人のいでたち、雰囲気にもそれぞれの来歴や物語がよく顕れるものだ。

昨夜、いっしょにお酒を飲んだTさんも、そんなサイクリストのひとりだ。

かれは現役の漁師だ。遠洋漁業の間、長期の休みをとって、なんでも、石巻から一人で自走してきて、北海道を1ヶ月半かけて縦横に走るという。

石巻では長年漁師をしていたというTさんは、見るからに頑健な体躯に、まっくろな顔。そして、底抜けに明るい陽性気質。

3.11津波で、船、網、生活の拠点、そして趣味の自転車まで奪われ、生活を立て直すまでに2年ほどかかったそうだ。つらいこと、悲しいこと、不安なこと、焦燥感、無力感、それらのすべてをうけとめ、でも、がんばって自分を立て直して、自転車に回帰したのだという。津波で波に流されてしまったマウンテンバイクを錆びた状態で見つけ出し、やっと走れる状態にしたそうだ。

その復旧したマウンテンバイクにどろよけや4つのサイドバックを取り付け、リアにはテント、寝袋、そして、薄黄金色に光るアルマイト鍋まで携行している。生活感が濃密に漂う自転車には、どこか侵しがたい迫力がある。

去年、知床半島をいっしょに歩いたY君も石巻の出身。そしてTさんもそうだ。

これもなにかの縁だろう。

津波とサイクリストの物語・・・。

 「自転車さ乗って、前を見るんだ」

 「自転車さ、乗ってると、明るくなるっぺ」

 「自転車に乗って走っていると、自分がまとまるっさ」

訛りを臆することもなく朴訥に語るTさんの言葉には、サイクリストの至言が散りばめられている。

長いこと自転車に乗っている自分ではあるが、現役の漁師かつサイクリストの方にお目にかかるのははじめてである。

そして、Tさんから多くのことを教えていただいた。

サイクリストは、もちろん、機械としての自転車をケアするが、実は、自転車に乗って旅をするという営為は、再帰的に人間をケアするのではなかろうか。そして、自転車に乗る人は、おのれの健康のみならず、自己効力感、一貫性感覚、フロー体験、自然や周囲との充実した関係性の紡ぎだしといった内面の充実を得るにいたる。

自転車に乗って走るという行為は、実は自分の内側、そして、まわりのさまざまなモノゴトとの関係性に対するケアなのである。

                         ***

道の駅おびら鰊番屋の前の海岸

さて、留萌から稚内に至る海沿いの道はたった一本。しかも、北海道は今も昔も、どちらかというと時計回りに走るサイクリストが多い。しかも単独で走るよりは、なんにんかでツルんで走ったほうが楽しいし、ドラフティンング(前を走る自転車に密着して空気抵抗を減らす技術)をすれば体力の消耗も1~2割程度を抑えることができる。

それやこれやで、当初ひとりで走っていた自分のまわりに自然にサイクリストの輪ができ、ときに2人から5人くらいの即席のパーティーをアドホックに組みながら和気藹々と走ることになったのだ。

学部時代のサイクリングクラブの走りをちょびっと思い出す。

当世の若者サイクリストにはぎょっとするスタイルで走っている人が多い。フレームが極端に立って泥除けなど一切ないロードバイクに20kg以上のザックを担ぎ、腰が痛い、腕が痛い、首が痛いといいながらも黙々とでもけっこう高速で走るのだ。ランドナー乗りの自分から見れば、やはり、荷物は身体に負担させるのではなく、あくまで自転車本体の重心の低い部位にパッキングすることを薦めたいのだが。。

(オロロンライン独特の風景)

しかし、ひとりの青年は100mを11.2秒で走る陸上部の選手(長野県出身の青学の学生、すごい!)で、たしかにペースは速い、速い。でも今回は太くて重いタイヤを履いたランドナーではなく、700cホイール、しかも、手元でギアシフトをできる自転車なので、若さに任せてゴリゴリ走るみんなにも、なんとかついてゆくことができたのは収穫といえば収穫か。

でも、けっこうキマした!

 (特大のカツ重)

腹が減ったので、羽幌の食堂で特大のカツ重を食べる。さすがに20代のサイクリスト諸氏は、ドカ食い。自分、ちょっと食べすぎ。

オロロンラインは緩いアップダウンを繰り返し、振り返れば、走ってきた道の遥か向こうの留萌あたりの稜線がずいぶんと遠くなっている。結局、この日は、Tさんと札幌の大学生3人が、遠別の道の駅の山側にあるキャンプ場でキャンプをすることに。

 

そのときの3人にもう一人のサイクリストが加わって、すき焼きキャンプをしたそうだ。いいなぁ。Tさんの鍋が神々しく鎮座している。写真は札幌から走ってきたI君のfacebookから許可を得て借用、汗)

テントを持参していない名古屋大学のK君と自分は、3人といったん別れて、2人パーティーでひとつ北の大きな町、手塩の鏡沼海浜公園のラーダーハウスを目指して走ることとなる。

小一時間走って、鏡沼海浜公園に着いた頃は、日も暮れかけていた。温泉にはいりながら、K君といろんな話になる。K君の進路のこと、勉強のこと、彼女のこと・・・・など、いろんな話。

温泉施設でビールを飲んで、軽めの飯を食らい、ひとり200円のラーダーハウスにそそくさと入ってひたすら寝る。

ここは、簡易なプレハブ小屋。でも電気は来ている。でも布団はもちろんないので、寝袋で寝る。ちなみに、台風のときにここに泊まった、とあるライダーさんは、この小屋の中にテントを張って泊まったそうだ。

ちなみに、東京から来たデカいリュックを背負ってロードレーサーに乗るアントラディショナルなスタイルの二人は一足先に、手塩に着いていた。

彼らは一人250円払ってテントを張った。我々は一人、200円払ってこのライダーハウスに泊まった。ちょっときになる50円の差ではある。まあ、どうでもいいことだが。。

走行距離:115km

つづき

 


2013北海道自転車ツーリング⑥石狩平野から留萌へ

2013年09月07日 | 自転車/アウトドア

 

今日は120kmくらい走って留萌の「みつばちハウス留萌」を目指す。

前半の旅はすべてテント泊ですませたが、後半は、ライダーハウスが宿泊場所の中心となる。

宿泊費用がタダ~2000円のレンジに余裕でおさまり格安なこともさることながら、全国から集まるチャリダー仲間と交流を図るにはうってつけの場所がラーダーハウスなのだ。 

(遅咲きのひまわり)

留萌から稚内にいたるルートには要所要所にラーダーハウスが点在している。

しめしめ。

北海道にはチャリダーやライダーに独特なサブカルチャーがある。モーターの有無の違いはあるものの、単車で風に身を晒し大地を移動する。そんな旅の文脈の只中で、ルート、食べ物、安くてうまい食堂、天候、地理、遭遇した動物・・・いろんな情報を仕入れて、旅の幅や奥行きを拡大することができるのだ。

風はほとんど向かい風。サンフラワー北竜で休んでから233号線を左に折れて、美葉牛峠を登る。わずか100mの峠なので軽く登るが、ダウンヒルのワインディングはけっこう楽しめた。

下り道が平坦になったところで、一休みしていると、農家のおじいちゃんが、「疲れてるだろ。これ、食べろっ」と言って、ゆでたトウモロコシをプレゼントしてくれた。

「本当にありがとうございます。一生懸命走ります!」と礼を言う。

ありがたや!

今も昔も、北海道を自転車で旅をしていると、こんなことがよくあるのだ。

おじいちゃんを通して、天の恵みがもたらされたのか?

ほどなく走ると留萌市内へ。

この日の目的地=みつばちハウス留萌はスゴイところだ。みつばちハウス留萌は、ライダー・チャリダー・トホダーのためのボランティア宿泊施設だ。井原水産という水産業を営む企業の支援のもと、運営ボランティの方々、駅前商店街の皆様のご協力、そしてボランティア基金によって運営されている。詳細情報はこちら

なんと、完全ボランティア制で運営されていて、かつ宿泊料は無料。 

 

みつばちハウス留萌の正門。長年の風雪で看板は剥げ落ち、読むことができない。

でも、この感じがなんとも言えなくいい。

(みつばちハウス留萌の裏側) 

このプアーな表の表情とかなり異なり、内側にはディープなコンテンツの世界がひろがっている。

そのコンテンツとは落書きと独特の雰囲気が複合したものだ。

落書きだらけの壁。ライダー、チャリダーのいろいろな想いが、ここぞとばかりに溢れている。

もちろん、こぎれいな旅館やホテルとは異なり、ライダー、チャリダーは二階の大広間に雑魚寝。でも敷き布団、かけ布団に毛布、談話室、自転車専用保管場所、洗濯機、洗面所まで揃っているのだ。

 

落書きは面白い。なかでも、この落書きが気に入った。

平田内のキャンプ場はあこぎに大金1000円も徴収したが、ここはタダ!今のご時勢、こんな有難いところはない。

自転車で北海道を旅してきた経験豊富そうなアシスタントのオニイチャンが安くて旨い寿司屋など地元情報についてなにかとアドバイスをしてくれる。

世界各国いろんなところへ旅してきたが、つくづくも、ラーダーハウスは日本独特の宿泊施設だと思う。

・二輪車・自転車の自力旅を行う者を優先的に格安または無料で泊めてくれる。

・市町村営、民間、ボランティア経営など、経営形態には多様性がある。

・旅人=善人というある種性善説を前提に運営されている。

・たしかに、物質的なアメニティレベルは低いが、旅人や運営者が織り成す人間模様が高いサービスレベルを実現している。

二階の雑魚寝部屋。この空気がたまらないほどいい。

                                 ***

豊かな旅とはなんだろう?

豊かな旅とは、大金をつかって星がずらりと並ぶ高価なホテルに泊まり、高価な美食をして、大金を払って文明の利器=動力に乗って移動することではないはずだ。

土地土地の文化に触れ合い、地元の人、旅人と交流し、汗をかいて、風を感じ、自分の力で移動することが豊かな旅の起点じゃないのか?

結論、自転車が一番!とは言わないが、自転車ツーリングはかなりいい線を行っていると思う。そして、そのような自力による旅をサポートしてくれるライダーハウスは、日本独特の自力旅のインフラストラクチャ的存在なのだ。

 

札幌から走ってきた二人組みのチャリダーと、石巻から自走してきた漁師のサイクリスト氏と意気投合。

銭湯の風呂を浴びて、さっぱりしたから、蛇の目寿司で寿司を堪能。

「蛇の目寿司では、寿司の握りが505円」という情報は、みつばちハウスのボランティアさんに教えていただいた。

なんと、新鮮なネタが乗っ握り寿司一人前が505円(消費税込み)!

関東地方では、ありえない値段。

今日初めて会ったにも拘わらず、すぐ打ち解けて飲み会になるというのも、北海道を走る自転車族の文化だと思う。

自転車という乗り物は、それに乗る人間同士の距離を縮めてくれる。

走行距離:120km

 つづき


2013北海道自転車ツーリング⑤後半戦突入、さらに北へ!

2013年09月07日 | 自転車/アウトドア

<大好きなサロベツ原野で>

<後半戦の自転車>

小樽からいったん東京近郊の自宅に帰り、研究会に出たり論文を書いたり、清里の山荘のリノベーションをやったりと、いろいろコトを済ませてから、再度北海道にやってきた。

自宅とは冒険的生活のベースキャンプである。

ここに帰還して、衣食住を整え、知的生活、職業生活、家庭生活を送る。またベースキャンプは定常的なトレーニングの場でもある。そのエネルギーが、次のエクスペディション、冒険、旅のエネルギーを滋養、涵養するのだ。

札幌市内にある大学2つで講演を行うという大義名分(?)のもとで、堂々と(?)北海道に乗り込むことができるのは幸せだ。あらためて、呼んでくださった大学関係者の方々に感謝。

とまれハードな自転車ツーリングは健康だからできること。それに、札幌の大学で客員教授として講義をさせていただくというご縁をいただいて、はじめて大手を振ってというか大足を回して北海道を自在に自転車で走ることができるのだ。

感謝、感謝!

というわけで、いよいよ、宗谷岬を目指す後半の旅に突入だ。

今回の自転車は、700X32Cのホイールを装着したツーリング自転車。2002年あたりに北海道のツーリングシーンをめいっぱい意識して作ってみたオーダーメード自転車だ。一昔ならばスポルティーフとよばれた車種だが、実は高速巡航可能で、かつリアにパニアバックを取り付けキャンピングもできるようなスマートなツーリング自転車という一風変わったデザイン・コンセプトで作ったものなのだ。

(TOEIの文字が目に入ると、なぜか脚にも力がはいる?)

 さて、本州でも北海道でも地道は山間部で急速に消滅し、きれいな舗装道路が山間僻地にまで延びるている昨今の道路事情。だからタイヤの幅は32mmもあればなんとかなる。

2002年に原サイクルの原さんとああでもない、こうでもないと議論に議論を重ね、マファックロードレーサーのセンタープルブレーキ(古いね)、TAのチェンリング(48X36X28)←旧タイプのクランクシール、電装などを持ち込んで組み上げた一品。ちなみに、このサイトはとても参考になり、大いに勉強させてもらっている。

フレームは東叡社製のクロモリ(パイプはカイセイ)だ。フロントキャリアとリアキャリアも、東叡社にお願いして高い精度で、ぴったりフレームに合うように一品製作をお願いしたしだい。

(ランドナーとは異なり、ブレーキワイヤーはハンドルバーに収納。チンカンベルがレトロ)

直進安定性高を増すために、ホイールベースを長めにとり、フレームは寝かせてその結果生じるシートチューブの後方のスペースにインフレータを格納。このあたりのアイディアはアルプスのパスハンターに長年乗ってみて納得のうえ採用したもの。

ダイヤモンドの空間にはボトル2個装着することができる。トップチューブは20mm前上がり。このため足つき性能があがり、シートポストが長くつきでるため、ちょいスポーティな感じも出てくる。

(お洒落のつもりでフォーククラウンの髭は長く伸ばし、銀メッキ)

この自転車は、やたらクラシックな部品に凝ってビンテージな時代性を求めるのではなく、あくまで、自転車に乗って旅をするという使用価値(value-in-use)そして、北海道を中心とした環境での文脈価値(value-in-context)を重視した設計・デザイン思想を練ってみた。

(ジュラエースのロングゲージ版のリア用変速機)

ぐだくだ書き始めるととまらないので、このあたりで、薀蓄はやめよう。

                      ***

この自転車を飛行機輪行して千歳まで飛び、快速エアポートで札幌まで移動。札幌駅北口のスペースでさっと組み立て、北大まで走る。

北海道大学のお洒落なカフェでH先生(北海道医療大学のサイクリング部の顧問)とお会いして、ひさしぶりに、global healthなどのテーマで議論、議論、議論。

一時の会話を楽しんでから、5時過ぎから走りはじめる。30分も走れば郊外。だんだんと伸びやかな石狩平野の風景が身の回りに展開し始める。

やっぱ、北海道いいね。

一泊目は石狩太美のあんぷらぐというコテージに泊まる。夕方からの走行なので、走った距離は20kmたらず。石狩太美についたころは夜になってしまった。

夜、宿のおやじさんとビールを飲みながら地元の話などたっぷり聞く。

明日からのサイクリングが実に楽しみだ。 

走行距離:30km

つづき