よしなごと徒然草: まつしたヒロのブログ 

自転車XアウトドアX健康法Xなど綴る雑談メモ by 松下博宣

長野県看護協会講演と信州・飛騨めぐり

2011年09月30日 | 講演放浪記


長野県看護協会に呼ばれて信州松本に行ってきました。

このことろ、チーム医療とサービス・イノベーション関連のテーマの講演が続いています。

県下の看護教育担当者の方々など多数の熱心な方々にお集まりいただき、有難うございました。

午後からは松本市内、安曇野あたりを散策。信州松本は大好きな町です。なぜなら、東側にはサイクリストのメッカ=美ヶ原、扉峠、和田峠などをいただき、西側には安曇野、北アルプスの壮大な山々をいただき、その裾野にはいたるところに温泉が。

松本城。

安曇野のたおやかな風景。

安曇野にある「おひさま」(NHKの朝ドラマ)のロケ現場。

裏から見ると、このような姿。やや興ざめ。

安房峠は以前、雨の中自転車で登ったことがあります。

幸い、この日は好天に恵まれ、岳沢から西穂、前穂などの遠景を存分に楽しめました。

自転車ではなく、自動車で峠を登るのは堕落かもしれませんが、その堕落の悦楽を味わうのも、またよしとしました。

「長野県」という名称よりは、やっぱり「信州」のほうが好きですね。

長野県、岐阜県と行政区ではなく、信州・飛騨という名前の背後には、自然、民俗、歴史に彩られた奥深い物語があるかです。


北里大学病院

2011年09月26日 | 講演放浪記

北里大学病院看護コラボレーションセンターからご招待いただき、「健康医療サービスイノベーションの新視点:コンピテンシー理論とクリニカルラダー」について講演させていただきました。

北里大学とは古庄看護部長の頃からのお付き合いです。(過去のブログ記事)そのころからTry&Errorをモットーにして、伝統を大切にしながらも革新に積極果敢に取り組むダイナミックな組織風土を持つ医療機関です。看護部のホームページも、とても素敵です。


(別府看護部長)

発展している病院には前向きなエネルギーの伊吹を感じます。北里大学病院は、①教育プログラムの開発 ②教育指導者の養成 ③横断的人事システムの構築 ④キャリアパスの構築を達成するために北里大学病院内にコラボレーションセンターを設置しています。医療サービス組織のHRMやサービスマネジメントの観点からも大変有意義かつ先端的な取り組みです。


(大教室満員の参加者)

北里大学病院は新病院を着工したばかりで、平成25年12月に竣工予定とのことです。新病院は総病床数う1,033床となるそうです。また次世代に向けた高度先進医療を担う特定機能病院として、地域の基幹病院として、集学的がん治療センター、周産母子成育医療センター、救命救急センターの重点整備事業を掲げています。



アジア・アフリカ知識共創

2011年09月19日 | 健康医療サービスイノベーション

夏は、ポートランド(米国オレゴン州)、トルコ共和国、スリランカというように、あわただしく回ってきました。スリランカから帰国して一息ついています。

さて、行く先々でいろいろな方々と知り合いますが、facebookのお陰で、お互いの仕事、関心、バックグラウンドなどがすぐ共有できるので、人間関係の共有や構築が楽になったかのように見えます。

しかし、深い関係となると、やはり同じものをいっしょに食べて、語らって「場」そのものを共有したり共創することが大事です。(大好物のカレーなどを大量に摂取したため体重が増えてしまいました)

スリランカの旅では、国際協力機構(JICA)の企画・アレンジのもと、Benin、Burkina Faso、Congo、Madagascar、Mali、Morocco、Niger、Senegalなどの病院長、健康医療関係のpublic servantの方々、日本人学識経験者、専門家の方々とともに、5S-Kaizen-TQMをテーマにして実施事例をオンサイトで見て回りました。そして、アフリカからの参加者に対して5S-Kaizen-TQMについてのトレーニングを行うという画期的なものでした。

このプログラムは、「アジア・アフリカ知識共創プログラム(AAKCP)」(資料1資料2資料3)という枠組みでデザインされているので、Co-creation共創サービス志向が強いものでした。協力研究員として参加しましたが、実態は「共創」研究員みたいなもので、ワイワイガヤガヤが根っから好きな自分としては、とても楽しいものでした。関係者の方々にお礼を申し上げます。

多くのものごとを学ぶことができました。というか、学びは、学んだモノゴトに自分なりの価値を付け加えてアウトプットしてはじめて実現できます。今後、いろいろな方面へここで得たインプットをアウトプットしてゆきたいと思います。いろいろな方々を共有、共創できれば、さらによいでしょう。

アウトプットの機会は今週から始まります。今中から後半にかけて、北里大学病院で二日に渡り2連ちゃんの招待講演をこなして、来週は松本の長野県看護協会で「チーム医療とサービス・イノベーション」についてお話します。


セレンディピティ、心の習慣、イノベーション、5S

2011年09月06日 | ニューパラダイム人間学

セレンディピティ(serendipity)という英単語の語源はセレンディップ国(セイロン)に由来しています。『セレンディップの3人の王子』という物語です。

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旅にでたセレンディップ(今のスリランカ)の三人の王子は、ラクダ泥棒の嫌疑をかけられた。しかし、ずばぬけた機転によってその嫌疑から逃れ、皇帝の命をも救う。皇帝の信頼をえた三人は、奪われたベーラムの宝「正義の鏡」をとりもどすため、インドへ向けてふたたび旅に向かったとさ。

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イギリスの政治家・小説家であるホレス・ウォルポール(18世紀の人)が子供のときに読んだこの物語に因んでセレンディピティ(serendipity)という言葉を創ったそうです。それがめぐりめぐって「探しても見つからない、価値ある楽しいものを見つける力」、「偶然と才気によって、探してもいなかったものを発見すること」、「ものをうまく見つけ出す能力、不思議な発見力」を意味するものとして使われるようになってきています。

とくに科学、技術、新しい画期的なアイディアを価値あるものたらしめ、大きなインパクトを世の中に期せずして与えるようなイノベーションの機序を説明するコンセプトとして注目を集めています。

高分子質量分析法(MALDI法)の発見した田中耕一氏や導電性高分子の発見した白川英樹氏らが、しばしば「セレンディピティ」に言及したこともあり、セレンディピティは俄然、イノベーション界隈に研究者によって注目されることになりました。『成功者の絶対法則 セレンディピティ』(宮永博史)という本さえあります。

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シンクロニシティ、フロー体験、スピリチュアリティ、アントレプレナーシップ、サービスといった観点からセレンディピティ(serendipity)をつらつら考えたり、しばしば強く感じたりしてきました。どうやら、「類は友をよぶ」ということでしょうか、回りにはセレンディピティに敏感だったり、そのメカニズムを積極的に活かしたり、議論することが好きな人が実に多いのです。

さて、まったく期せずして医療システムの5S-KAIZEN-TQM(Total Quality Improvement)のプロジェクトでセレンディピティの国、スリランカへ行く事になりました。実にセレンディピティ(serendipity)なんでしょう。

セレンディピティとは、意識や心のある種のreadiness(意識のなかの準備周到さ、ふとしたきっかけを感知する力)から創発するものであると考えられます。上記の5Sはproduct-cetricなシーンで応用されてきましたが、発想を変えて、意識や心を対象にすると、以下のように言い換えることもできるでしょう。

1S:整理(Sort)大切なモノゴトに集中する。捨てようとしたものの再利用を考えてみる。

2S:整頓(Set)大切なモノゴトを心の引き出しにそっと仕舞っておいて、いつでも取り出せる状態にしておく。

3S:清掃(Shine)常に気持ちをきれいにしておいて意識を軽妙、清明にしておく。

4S:清潔(Standardize)上の整理・整頓・清掃を心の習慣として自分の中で維持、標準化しておく。そしてその習慣をまわりの人々と分かち合う。

5S:躾(Sustain)以上の4Sを自立・自律、発展的に活用する。意識のなかでシステム化しておく。

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5Sはセレンディピティを創発させ、インクリメンタル、ディスラプティブを含めイノベーションの機序にreadinessを与え、創発のきっかけを意識に与える手法なのかもしれません。明後日から、バンコクを経てスリランカに行ってきますが、またいろいろな方々と議論を深めて、洞察を深堀してみたいです。

スリランカは言わずと知れた上座部仏教(Theravada Buddhism)の教法が色濃く伝え護られている国でもあり、その方面のことも調べてこようと思っています。