よしなごと徒然草: まつしたヒロのブログ 

自転車XアウトドアX健康法Xなど綴る雑談メモ by 松下博宣

恩師 A New York State of Mind

2009年01月26日 | ニューパラダイム人間学
A New York State of Mind


僕の恩師、アフリカ系アメリカ人のJohn L. Ford教授は苦労人だ。ブルックリンから身を起こし、身ひとつで学問をたたき上げ、U of Michiganを皮切りにCornellでtenureを勝ち取った。彼と出逢ったのはCornellだった。そして彼にmaster's thesisの指導を受けた。非常に厳しい指導だった。何回かヤリあったが、結局は彼の人物力に服した。彼にとって学問とは戦いである。そんな彼のシノぎかたが僕の肌にあったのだ。

その後、Cornellでdepartment headを勤め上げた後、Emory UniversityのSenior Vice President and Dean of Campus Lifeとして転出し今に至っている。オバマ大統領の選出を受け、恩師の胸に去来したものはいくばくのものだったのだろうか。

ちょっと前に、その恩師からメールをもらった。A New York State of Mindが遠くから聞こえてくる感じがした。


Professor Hiro Matsusihta,

I am very happy to hear from you that you are successful in your new position at Tokyo University of Agriculture and Technology. I agree with you that it will be exciting to see future health care reform initiates of the new president. I am not optimistic about these changes happening quickly because of the worsening economy in the U.S.

I you come to the U. S. I hope you can come to visit me at Emory University. I will plan to visit you the next time I am in Japan.

Best regards,
John L. Ford



生命のメッセージ展 2月12 日(木)

2009年01月26日 | ビジネス&社会起業
Bridge over troubled water


鈴木共子さんは、早稲田大学入学直後のひとり息子を飲酒運転の車による交通事故で亡くしました。2000年の春、彼女のひとり息子は早稲田大学に入学1週間後、自宅付近でパトカーに追われる無車検・無保険の車にはねられ友人もろとも即死しました。加害者の男は免許失効中の身にありながら、泥酔状態、3度目の事故であったのにもかかわらず 「業務上過失致死傷罪」と処理され、刑期は当時で最高の5年でした。

なんという不条理でしょうか。その後、鈴木さんは、その失意の中から立ち上がリ、息子さんの後を追うようにして、早稲田大学を2年前に見事卒業されました。

「息子の人生を代わりに生きよう」が鈴木さんの決意です。

前後して、飲酒運転・危険運転の厳罰化を訴えるために他の遺族と共に37 万人の署名を集めて、2001年に国会で「危険運転致死傷罪」を成立させる原動力となりました。

鈴木共子さんは、社会のためになるコトを起こした、起こしつつあるという意味で、社会起業家だと思います。

また、ひとつひとつの命の重要さを訴えるために、交通事故や犯罪、医療事故などで家族を亡くした遺族の方々と協力して「生命のメッセージ展」を、いま全国で開催しています。特に、2003 年と2006年の2 回にわたる国会での開催は、交通事故対策や交通事故・犯罪等の被害者・遺族の保護対策を大きく前進させる契機となっています。

鈴木さんをモデルとした映画「0(ゼロ)からの風」が2007 年に製作され、現在も日本各地で映写されています。もうご覧になった方いらっしゃいますか。

多くの生命が犯罪や社会の不条理のもとに失われています。ひとつとして忘れることのできる命はありません。いっしょに「生命のメッセージ」に耳を傾けませんか?

日 時: 平成21 年2 月12 日(木) 18:00~20:30
場 所: キャンパスイノベーションセンター東京 多目的室2
港区芝浦3-3-6 JR田町駅芝浦口下りエスカレーターから徒歩1分
講 師: 鈴木共子さん (『生命のメッセージ展』 代表)

申し込みは:tsuyuki.m.ab@m.titech.ac.jp

詳細は:
生命のメッセージ展

0(ゼロ)からの風

社会起業家を育てる大学教育と社会起業家研究

2009年01月24日 | ビジネス&社会起業
The Story of BRAC


今日は昼から内閣府の社会イノベーション・ワーキンググループがらみの集まりで丸の内へ。Johanna MairさんとFazle Hasan Abed氏を招いてのトークセッション。


プレゼンするAbed氏。黒い髪の毛は、Mairさん。(美人なのに頭だけの写真となって残念)

Johanna Mairさんは、欧米では、社会科学系の研究者にちょっとしたSocial Entrepreneurship酔狂的なブームがあることを皮肉る。社会学、制度経済学、マネジメント系、社会福祉系、よってたかって理論の傘を作りたがっている状況に苦言あり。Social Entrepreneurshipは、Sense Making Toolという結論。

なるほど、こういうまとめかたは無難か。

Abed氏の話は含蓄に富む。一つは、NGO,NPOがスケールアウトするためには、まず効果が問われ、次は、効率が問われる。そしてオペレーション段階ではモニタリングと相互牽制がカギとなる。

なるほど、さすがにビジネス感覚満載だ。BRACの参加にはNPO,NGOもあるが営利企業もある。グラミン銀行との競争もある。

援助に関するニューウェーブ。BRAC UKやBRAC USAを設置して、北の国とも協業しているが、バングラデッシュを基点にしてBRACは南南援助も行っている。具体的には、タンザニア、シエラレオネ、ミャンマー、南スーダンなどにプロジェクトを持っているとのこと。

南北・南南という方向にスケールアウトしているのである。日本は友好的だが、日本政府からの援助が少ないことにユーモア感覚溢れる苦言も。政府間援助はモラルハザードの温床になっている、との発言はさすがになかったが。どうせ賄賂でぶんどられるなら、効果と効率の内部管理ができているNGOを支援するほうが、援助のアウトプットは高いだろう。