英宰相ウィンストン・チャーチルからのメッセージ   

チャーチルの政治哲学や人生観を土台にし、幅広い分野の話を取り上げる。そして自説を述べる。

バレンタインデーの贈り物はプロのギタリストと歌手      フィリピンでの話

2013年02月14日 23時11分01秒 | 生活
 きょうはバレンタインデー。初老の人間にはあまり関係がないが、筆者には少々関係がある。約7年前から近所の女性が筆者に毎年、自ら作ったチョーレートやお菓子をプレゼントしてくれる。最初にもらったのは、確か彼女が高校一年生だったと思う。現在、保育園で働いている。家内と毎年、彼女に感謝している。もちろんホワイトデーにはお返しする。
 インターネットを検索すると、聖バレンタインデーの始まりは古代ローマ時代にさかのぼる。若い男女は別々に生活していたローマ時代には、2月15日から安産の祭「ルペルカリア祭」が行われ、この祭りは男女が巡り合う唯一の機会だったという。
 若い女性らはルペルカリア祭の前日、札に自分の名前を書いて桶の中に入れた。翌日、男性は札1枚を桶から引き出し、お祭りの間、札に記した名前の女性と暮らした。多くのパートナーはそのまま恋に落ち、結婚したそうだ。
 ルペカリア祭でのこの風習はローマ時代に約800年間続けられてきたが、ローマ教皇のゲラシウス(在位268-270)は「愛する女性を故郷に残した兵士は軍の士気を下げる」と断じ、この風習を禁止した。
 キリスト教司祭だった聖バレンティウスは結婚が許されない兵士を哀れに思い、秘密に結婚させた。皇帝は激怒し、聖バレンティウスを逮捕。西暦269年の2月15日に処刑した。ローマの若者達は皇帝の無慈悲な行為に反発し、前日の14日に好きな娘に愛のカードを渡すことを思いついた。カードには愛の殉教者、聖バレンティウスの名を書いたという。
 バレンタインデーは今日、世界的な行事だ。フィリピンでもバレンタインデーは若い男性の愛の告白の場。
 AP通信社が14日伝えたところによると、バレンタインデーの日に先立って、マニラの吉野家で働く女性支店長(22)が、遠く離れたローマの恋人からバレンタインの贈り物を受け取った。贈り物は、プロの歌手とギタリスト。歌手とギタリストがレストランに派遣され、彼女のためにギタリストがセレナーデを演奏、伴奏にのって歌手が歌った。バックグランドミュージックにのって、彼氏のラブレターが読まれたという。
 男性と女性は1年前から恋人として交際、男性は出稼ぎ労働者として1年間、イタリアのローマで働いている。
 女性の名はアンジェリカ・ニノさん。恋人からの想像もできない贈り物にびっくりしたニノは、レンタル「キューピット」の演奏を聴きながら、贈り物のテディ―・ベアーを抱きしめ、うっすらと目に涙をためていたという。 この模様はビデオ・カメラに撮られ、多分、ローマの恋人に贈られるのだろう。
 このユニークなサービスを始めたのは、以前、レコード・スタジオ・プロジューサーをしていたジャソン・ロサさん。2010年にフィリピンで初めてこのようなサービスを始めたと、APは伝えている。
 外国で働くフィリピンの出稼ぎ労働者は国民の総人口9000万人の10%にあたる。家族を祖国に残して外国に出かけていく出稼ぎ労働者の多くは、ホームシックにかかるという。
 ロサ氏と共同経営者は“歌う電報”を顧客に贈りたかったと話している。この類のユニークなサービスは米国、ボリビア、オーストラリアでも行われているが、世界が広いといえどもフィリッピン人に最も人気がある。ウェットな国民性と、外国で働く人々の割合が、世界の国々の中で飛びぬけて高いことが人気の秘密のようだ。
 APはこのサービスの値段を報じている。プロの演奏者が2-3曲演奏し、プロの歌手が歌う。テディ―・ベアー付きで、バックグランドギターの演奏にのって恋文が読まれる。それに、演奏などの様子を録画したビデオや写真を納めたCDを含めて、料金は7000ペソ(170ドル)。日本円に換算すると約1万6000円。
 ニノさんのような吉野家の支店長クラスの月給の4分の1に相当するそうだ。もし一流のプロの演奏家や歌手を雇えば、さらに料金は跳ね上がる。このサービスはフィリッピン全国で利用でき、全国の都市に合わせて140人のプロの歌手とギタリストが待機している。日本でこのようなサービスが流行するかどうか、筆者は判断がつかない。結論は読者にお任せする。