英宰相ウィンストン・チャーチルからのメッセージ   

チャーチルの政治哲学や人生観を土台にし、幅広い分野の話を取り上げる。そして自説を述べる。

中国共産党はいずれ台湾を攻撃する 次は尖閣? 日本はどうするのか

2020年11月19日 10時59分52秒 | 書籍紹介と書評
  中国共産党は香港から「一国二制度」を奪い、意のままに扱える体制に持っていった。次は台湾だろう。そして尖閣にやってくるのは避けられない。なぜ?独裁政権はコロナウィルスと同様、膨張し増殖しなければ生きることができないからだ。
  これに対し、米国、オーストラリア、日本など民主主義国家群は協力して、中国共産党を押さえにかかり始めた。政治用語で言えば、「抑止」だ。しかし果たして長い目で見て効果があるのだろうか。
  第2次世界大戦前の6年、ヨーロッパでは、ナチス・ドイツと独裁者アドルフ・ヒトラーの膨張政策に対抗した民主主義国家群は結局、ヒトラーの侵略を止めることができなかった。もちろん民主主義国家群の足並みの乱れがあった。米国が孤立主義をとり、ヨーロッパの情勢に深く関知しなかったのは大きかった。しかし、アメリカが関知しようが関知しまいが、ヒトラーとナチス・ドイツはポーランドへの侵攻を止めなかっただろう。
  独裁者は「何かをしなければ」権力の存在理由や正当性がないからだ。民主主義のリーダーは選挙という正当性がある。選挙によって国民から付託される。それは独裁者が決して得ることができない正当性だ。
  今中国を、日本という島国から観察すると、共産党の指導体制から習近平という一人の男の独裁へ移行している。独裁国家といえ集団指導体制なら、個々の間の権力均衡と牽制、そして権力闘争から、外国へ目を向ける余裕が少なくなるだろう。これに対して、一人の強固な独裁体制が敷かれれば、独裁者は昼夜、権力保持に邁進し、ライバルを蹴落とすためにあらゆる手段を駆使する。国民の目をそらすためにあらゆる手段を使う。一番手っ取り早い方法は、彼のライバルと国民の目を外に向けることだ。
  習近平は数年内に香港を完全に国内体制に組み入れるだろう。その後、「時」を見計らいながら、台湾を攻撃する。その確率は高い。習にとりそうしなければならない理由がある。自らの権力基盤を盤石にするためだ。それなしに権力を保持する道はない。ここに独裁者の悲劇があり、周辺国家と周辺国民の多大な迷惑がある。習はロシアのプーチン同様、彼の大先輩であり、新中国の創始者、毛沢東同様、終身指導者を狙っているとみて間違いない。
  日本は、中国共産党が台湾を飲み込んだ後、どうするのだろう。中国共産党(中国)は確実に尖閣にくるだろうから。そして沖縄を奪わなくても何らかの影響を行使するだろう。中国共産党が第1,第2列島線を完全に機能させるためには、どうしても邪魔なのは台湾から日本列島に至る島々だ。これが中国海軍の外洋、ひいては太平洋への自由な進出を阻んでいるからだ。
  米国が助けてくれるのだろうか。同盟が強固なものになるのだろうか。オーストラリアが日本を助けるために、のこのこと南半球から北半球にやってくるのだろうか。不安をぬぐいきれない。なぜ?アメリカのトランプ大統領は次期大統領のバイデン氏へ引き継ぎをしないどころか、「大統領選挙は不正」だといって自国、民主主義国、民主主義制度より自分の利益を優先しているからだ。
   アメリカ大統領のトランプは「コロナの発症源は中国」だと言って自らのコロナ対策の失敗を認めず、中国強攻策に打って出ているが、中長期的に見て、これほど中国の国策に協力した大統領はいない。トランプは自分の利益と国家の利益を混同し、それが日本に、中長期的に見て、多大の悪影響を与えている。
  共産党による一党支配の中国と独裁者、習はこの光景を見て、独裁者ヒトラー同様、民主主義国家と民主主義制度は弱いとみなし、ますます力を前面に押し出してくる可能性が高い。また海軍力などの軍備を、これまで以上に加速度的に増強してくるのは間違いない。日本は危機に至るとき、選択肢は狭いが、どうするかを今から考えていた方が良いと思う。


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