英宰相ウィンストン・チャーチルからのメッセージ   

チャーチルの政治哲学や人生観を土台にし、幅広い分野の話を取り上げる。そして自説を述べる。

最大の問題点は文書破棄  首相、「桜を見る会」で法に触れる?

2019年12月02日 17時25分49秒 | 日本の政治
  詐欺まがいのマルチ商法で警察の捜査を受けた会社の会長を、安倍晋三首相が「桜を見る会」に招待したとの疑惑により世間はかまびしい。そこに”悪妻”と言われている昭恵夫人が一枚噛んでいるのではないかとの疑惑も浮上する。しかし、国民が一番問題にすべきことは、「桜を見る会」の招待名簿を破棄したことである。
  問題の招待状は2015年、「桜を見る会」にジャパンライフ社の山口隆祥会長当てに出された。ジャパンライフはこの招待状と宛名入りの表書きを顧客への勧誘に使い、顧客を信用させる資料にした。
  誰が招待したのか。山口会長宛の招待状には「60」という頭数字が記されていた。それは「首相か官房長官が招待した」ことを示しているという。
  確かに、安倍首相が山口会長を招待しようがしまいが、道義的には問題だが、法を犯したわけではない。安倍首相が「関与していない」と言えば、それまでだ。各省庁から派遣されてきた首相官邸のスタッフが「招待名簿」は破棄したため、調査のしようがないと国会に告げ、内閣府の幹部が「そうだ」と追随してしまえば、国民は何も言えない。
  「桜を見る会」をめぐる最大の問題は、招待名簿を破棄したことである。菅義偉官房長官や内閣府の幹部は「資料をシュレッターで破断した」「この種の資料は1年間保管すれば処分する」と言い、だから安倍首相が山口会長を招待したかどうかは分からないと話す。
  法は官僚が資料を保管することを要求する。官僚は今後の仕事を遂行する上で、既成の事実を文書に残さなければならない。それが官僚の掟であるばかりか、官僚自身にとっても効率的な仕事をする上で重要だ。
  「桜を見る会」の最大の問題は、首相と官僚は文書を破棄したことで、法律を無視し、違反したことである。そしてこの問題を「たいしたことではない」と断言する識者や国民がいることも憂うべきことだ。
  ネット上で、そんな意見が散見される。「選挙で世話になった人をお礼の気持ちで招待して何が悪い。いい話じゃないか」。的外れな意見だ。
  北条泰時公が13世紀初めに貞永式目を制定して以来、曲がりなりにも日本は法が支配する国だ。安倍首相、昭恵夫人、自民党が戦後の民主主義制度と、800年続く法治支配を崩壊させようとしている。一方、野党は批判するばかりで具体的な政策を打ち出さない。日本の民主主義制度は危機を迎えているようだ。

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