英宰相ウィンストン・チャーチルからのメッセージ   

チャーチルの政治哲学や人生観を土台にし、幅広い分野の話を取り上げる。そして自説を述べる。

たばこの販売に厳しいニュージーランド  喫煙者には住みにくい世界 

2013年03月01日 00時03分43秒 | 生活
  昨年暮れに「愛煙家にとり世界は窮屈」という題でダウニング街だよりの「ハリファクス侯爵の歴史夜話」に書いた。インドネシアでは61地域が禁煙地区に指定され、少年までもがたばこを吸っている現状を変えようとするインドネシア政府の努力を伝えた。
  たばこは肺がんの原因という説は定着し、健康を害することは医学的にも証明された。今では社内に喫煙室を設けている会社が多いという。
  喫煙者の中には、喫煙室で今まで話したこともない他部の同僚と会話するきっかけを持てるという人々もいる。
 亡くなった父は「タバコは精神衛生上よい」と話していた。イライラした気持ちを和らげるのだという。ちなみに父は一日にフィルターなしの缶入りピースを60本吸っていた。父は肺がんで亡くなったが、筆者は父の死因はたばこだと思った。今もそう信じている。缶入りピースは現在、販売されていないと思う。
 喫煙者にとっては精神衛生上良くても、禁煙者には迷惑な話だ。だから喫煙室の設置は、一大決心をして禁煙した人々や、一度もたばこを吸ったことがない人には福音だった。
 筆者は学生時代の一時期を除いてたばこを吸った経験がない。そのため、夜の飲み会の席で、喫煙者と対座して一杯飲むのは正直つらかった。一説では、喫煙者が吸う煙よりも、たばこからユラユラとはき出される副流煙のほうが、多くの有毒化学物質が含まれているという。
 喫煙者の立場は年々世界中で悪くなっているようだ。AP通信はこのほどニュージーランドの首都ウェリントンから、同国政府がたばこ販売に対して今までよりも厳しい措置を取る意向だと伝えている。
 政府はたばこ会社のたばこ箱に自社のロゴを表示することを禁止する措置を取るという。ニュージーランドはたばこ販売の規制では世界で最も厳しい国の一つ。非常に高額のたばこ税を課し、小売業者にはシガレットケースをカウンターに置かないように指示しているという。客が見えるカウンターに置かないということだろう。
 タバコを吸う人々にはますます肩身が狭い世界になっていくようだが、禁煙している人々にはますます住みやすい世界になるということだろう。

(写真はたばこ Public domain)