英宰相ウィンストン・チャーチルからのメッセージ   

チャーチルの政治哲学や人生観を土台にし、幅広い分野の話を取り上げる。そして自説を述べる。

民主主主義と自由は空気のようなもの 意識しなければ失い、手遅れになる

2024年07月29日 14時15分20秒 | 民主主義とポピュリズム
 久しぶりに「GOO Blog」に記す。半年ぶりだ。今年1月下旬、私は「今年の米大統領選挙は世界を変えるかもしれない」と書いた。3か月余後に米大統領選挙が行われる。「時は流れ、変化する」は歴史の鉄則の一つだが、米大統領選挙も例外ではない。バイデン大統領がこのほど、大統領選挙から撤退し、カマラ・ハリス副大統領が民主党かの候補として出馬するという。
 一方、ドナルド・トランプ前大統領が7月13日のペンシルベニア州バトラー近郊での選挙集会中に銃撃され、九死に一生を得た。彼が共和党大会で話した「神のご加護」かどうかは分からないが、それを利用して支持者に訴えるのは、まさにポピュリスト政治家、アジテーター政治家の真骨頂だ。いずれにしても、トランプ前大統領も、副大統領候補として選ばれたバーンズ氏にしても対立候補者を罵るスタイル演説は変わらない。共和党大会で、トランプが「すべてのアメリカ人の大統領になる」と殊勝な演説をしたが、その舌の根が乾かないうちに、彼本来の個人攻撃的な演説になった。
 日本の政治もそうだが、アメリカの政治も政策論争でなく個人攻撃に徹している姿を見ると、民主主義制度の前途が危ぶまれる。私は今もトランプは民主主義の敵だと思っている。民主主義制度は「議論と妥協」のシステムだ。一人の有能な人物は全知全能ではない。民主主義制度の最も優れた点は、有能な人物や凡人が議論しつくし、より良い、現実的な政策を実行し、実施中に何か不都合があれば、それを修正していくことだ。偉大な一人の独裁者、優れた独裁者でさえも数百万の凡人が議論して出した結論には勝てない。歴史が証明している。
 トランプが有能かというと、いささか疑問符が付く。商売人としては優れているのかもしれないが、政治をすべて「ディール(取引)」にしては危険だ。人々にとって、政策は目の前の既得権益よりも遠い将来の利益に資するためにあると思う。
 「歴史は繰り返さないが、韻を踏む」と歴史家は言う。北朝鮮、ロシア、中国は第二次世界大戦前の日独伊なのだろうか。そうとも言えるし、そうとも言えない。ただ明確なことは、この3国に指導者は皆、独裁者だ。民主主義と自由、人権、法の支配を軽視する独裁者だ。
 太平洋戦争の終戦直後に生まれ、民主主義制度と自由の下で暮らしてきた「団塊の世代」ほど恵まれた世代はいない。反骨精神に富み、時の政府に反対し、デモにも参加した。それが時として災いとなり、民主主義を冒涜したときもあった。子どもの頃は貧乏だったが、時とともに日本社会は豊かになり、まじめに働けば会社は終身雇用を保障した。
 現在の日本はどうなのか。民主主義制度と自由の上に胡坐をかいてはいないだろうか。それが貴重なものだとは思わない人々が日本だけでなく、米国や欧州に日々、多くなってきている。何よりも日本の場合、経済は右肩下がり、若者の将来の生活や老後の生活が脅かされているのに、それに対して真剣に取り組もうとしない、トランプのようなポピュリスト政治家が多くなっている。
 歴史はわれわれに教えているのは、このような不安で豊かさが萎む時代、人々はとかくポピュリストや独裁者の口車に心酔する。民主主義と自由が脅かされる。ヒトラーのような人物が投票箱を通して国のトップに選ばれ、彼を選んだ国民は最後には悲惨な最期を迎える。ナチス・ドイツの国民は典型的な例だ。
 2024年は歴史の転換点なのかもしれない。真に国民をおもう政治家が自らの信念と政敵との議論を通して民主主義を進めていけるのかどうかの分岐点に差し掛かっているのかもしれない。世界の民主主義国家の政治家は襟を正してほしい。民主主義諸国家、アジア・アフリカの中進国や開発途上国は協力と団結と譲り合いの精神で国民の生活を安定させる政治を進めてほしい。その目標に向かって歩を進めてほしい。それは、老境を迎え間もなく鬼籍に入り、幸せな時代を生き抜いてきた「団塊の世代」の望みである。

今後の世界の方向は、11月の米大統領選挙に左右させる

2024年01月21日 21時08分49秒 | 国際政治と世界の動き
 2024年が明けて3週間がたった。ことしは辰年。特にことしは「甲辰(きのえ・たつ)です。どんどん勢いが増し成功していく、という意味合いがある。読者の皆さんにとっては良い年になると思う。しかし国際政治に限って言えば、「時代が動く年」、「激動の年」と言えるのではないでしょうか。国際政治学者の中には、将来が見づらい、リスクを抱えた「激動の年」と話している人がいます。
 アメリカの調査会社「ユーラシア・グループ」と、このグループの社長を務める著名な国際政治学者イアン・ブレマーさんはことしの「10大リスク」を1月8日に発表した。
 「10大リスク」の1位は「米国の敵は米国」。大統領選挙を控えて米国の政治的分断が一層深まるとしている。2位には「瀬戸際に立つ中東」、イスラエルとハマスの衝突継続のほかに、イランが後ろ盾になっているイスラム組織「ヒズボラ」とイスラエルの衝突拡大だ。中東は「バルカンの火薬庫」かもしれない。
 3位は「ウクライナの事実上の分割」だ。米国や欧州連合の支援疲れから、軍事・経済支援が滞り、ロシアのプーチン大統領が勢いづく。ロシア軍が盛り返し、ロシアが占領しているクリミア半島などが固定される可能性がある。
 5位は「ならず者国家の枢軸」、つまりロシア、イラン、北朝鮮です。そして6位は「経済回復できない中国」です。ブレマー氏は「10大リスク」のほかに、この報告書の最後に「台湾問題」も扱っている。
 ブレマー報告書から理解できることは、国際政治という意味で、11月の米大統領選挙の結果が、世界の親露の分岐点になる可能性が強いということだ。トランプが勝てば、世界の権威主義独裁国家が勢いづく。日本もこの嵐を避けることができない。日本は安全保障上のリスクにさらされる。ブレマーさんが挙げた最大のリスク「「米国の敵は米国」が世界の課題全てを決める可能性が強い。
 ことしは台湾、ロシア、韓国、インドなど世界中で選挙が実施される。台湾の総統選挙は与党・民進党の賴清徳が勝利した。民主主義が勝利した。だが1月8日のビデオ会見でブレマー氏は「ほとんどの国の選挙はリスクとは言えない。米国こそがリスクだ」と強調する。報告書で「アメリカはどの先進民主主義国よりも機能不全。24年にはさらなる弱体化に直面する」と厳しく指摘している。
 1月17日付朝日新聞の社説は、トランプ前大統領のアイオワ州の勝利を受け、「内向き論戦から脱却を」と訴える。同じ日の下野新聞の社説はズバリこう論じている。「ことしは民主主義の真価が問われている」
 トランプの唱えている考えを一言で言えば何か?「反グローバル主義」と「米国第一主義」だ。物事を自らの損得という物差しでしか計算しない。政治哲学や歴史観がない。政治を商売の損得からの観点からしか判断できない。
 トランプは「連邦議会襲撃を教唆したなどの容疑」で起訴した検察官をののしり、大統領に復帰すれば捜査機関を動員して政敵を放逐する姿勢を示している。報復に固執する独裁者だとあえて言って過言ではない。
 私は憂慮するのは、こうした姿勢が共和党内で問題視されていないことだ。米メディアによると、有罪になっても大統領として適任だと大半のトランプ支持者は考えている。それはアメリカ社会の貧富の格差の拡大や移民問題の深刻化から来ている。とりわけ生活水準が下降している白人労働者は社会に疎外感を感じている。貧しい白人はいまや人種的な少数派に属している国に住んでいると感じている。
 「信頼に値しないトランプ前大統領のような人物を、白人労働者や貧しい黒人はトランプがエリートに対して立ち向かう人物と受け止めている」。そんなことを1月17日付朝日新聞に米ボストン・カレッジのピーター・スケアリー教授が書いているのを読みました。トランプ支持者はエリートが自らを不幸にしていると考えている。
 トランプ大統領時代を振り返れば、憲法や法律を最も守るべき立場にあるトランプが絶対権力者として振る舞った。もしこれを有権者が是認するなら、法とルールに基づく「民主主義体制」「三権分立」「議会と行政府のチェック・バランス機能」は崩壊しかねない。
 アメリカ社会で、法の支配と民主主義制度が揺らいでいる。ブレマーさんは世界の最強国家アメリカは「自由で公平な政治制度」において重大な挑戦を受けていると語る。世界の安全保障と安定、世界経済の展望に大統領選挙は重大な結果を及ぼす」と論じている。
 私も不安を感じている。世界はどうなるのか。われわれは平和をこれからも享受できるのか? 今から90年前の1933年1月30日、ドイツの独裁者アドルフ・ヒトラーは、ドイツ国民の熱狂的な支持を得て権力を掌握しました。当時のドイツ国民の心理、社会に対する不満は、現在のトランプ支持者の心理であり、不満である。
 当時、ドイツ社会の貧富の差や大量失業など社会に疎外感を感じたドイツ国民はヒトラーがドイツ社会を救ってくれると信じて一票を入れた。その結果は読者の皆さんが歴史で学んだ通り、第2次世界大戦の勃発という悲惨な結末になった。
 われわれはアメリカの選挙をどうすることもできない。有権者ではないからだ。ただ、じっと注視する必要がある。世界が大きく危機の方向へ変化するかどうかは、今年11月の米大統領選挙に依拠すると思う。

年賀状の保管期間と処理はどうしていますか?

2024年01月06日 11時19分33秒 | 生活
 ことしも読者の皆さんは年賀状を受け取ったと思います。年に1度、年賀状でしか近況をやり取りできない友人がいるのではないでしょうか? そんな友人から来る年賀状は格別ですね。その人の近況が綴られているからです。
 若い頃、年賀状を書くのはおっくうでなかったんですが、歳をとるにつれて100枚以上の年賀状を書くのは師走の一大事業です。70歳に届く頃から、私の知り合いや、大学時代の友人、かつての会社の同僚や上司の中には、ことしで年賀状を出すのは止めます、と言う方がちらほら出てきています。
 私は理解できます。わたしもいつまで年賀状を書けるのか、と思います。ところで年賀状の保管期間は何年か、処分方法はどうすべきか、ということを読者の皆さんは考えたことがありますか?
 私は10年以上にわたる年賀状を保管していますが、さてどうすればよいか、思案しています。「暮らしの歳時記」ガイドの三浦康子がデジタル紙「All About」に記しているのを読みました。僕は参考になりました。
 三浦さんはある会社が「年賀状の保管期間」について引用されています。この会社は10代から60代の男女600人を調査しました。その結果をお伝えしますと、74.1%の人が2年以上保管していることがわかりました。さらに5年以上保管している人は51.8%と過半数に達しました。
 三浦さん自身はどれくらいの期間、年賀状を保管しているのか、また推奨しているのか、を記していません。しかし年賀状を次年度の作成に活用するという声が多いということで、私は少なくとも2年間以上は保管すべきだとおっしゃっているように推察します。
 保管期間の次に処分方法はどうするかです。三浦さんは「年賀状には個人情報もあるため気をつけて処分するように」とアドバイスしています。私は納得です。
 三浦さんが書いている処分方法は①束ねてガムテープをぐるぐる巻いてからごみ出す②封筒や紙袋に二重、三重に入れてからごみに出す③一枚一枚、住所など個人情報部分をマジックなどで塗りつぶしてからごみに出す④一枚一枚シュレッダーにかけてからごみに出す。
 これを読みますと、①と②は個人情報が漏れる可能性があります。③と④は作業に時間がかかって面倒です。三浦さんは「郵便局の回収箱」や「左義長(さぎちょう)で焼くとのこと。
 「郵便局の回収箱」については、「市区町村からの要請があった場合、郵便局の判断で設置する」とのことです。回収箱設置はイレギュラーです。ですから各自が最寄りの郵便局に聞くとのことですね。
 「左義長で焼く」。正月の 松飾り を各戸から集め、14日の晩方ないしは15日の朝にそれを焼くのが一般的な方式です。寺社の境内で焼くんですね。長い間に培われた慣習であり、伝統でしょうか?
  ただ焼いてもらったという人もいれば、断られたという人もいるとのことです。三浦さんは左義長で焼いてもらいたい方にこうアドバイスしています。寺社に「事前に確認してください」と。使用していない年賀ハガキや書き損じた年賀ハガキは郵便局で交換してもらえる。私も理解しています。
 三浦さんが提案した年賀ハガキの処分方法について、私が思うに、一長一短があるなあ、と思います。確実性が担保されていません。私は「郵便局が年賀状を回収してくれるのなら、そうしたい。また自らの立ち会いで寺社が左義長で焼いてくれるのなら、これを使います」。ダメなら「一枚一枚、自分と相手の住所の主要部分(県と市以外の住所)をマジックなどで塗りつぶし、束ねて茶色のガムテープをぐるぐる巻いてからごみに出す」です。確かに面倒な作業だと思います。

二日酔いを和らげるには? 新年会にはご注意を!

2023年12月31日 11時37分17秒 | 生活
 ことしも忘年会も終りました。昔は忘年会にしても秋の社員旅行にしても、行くのが当然、病気か何かの急用でもない限り断れませんでした。今はかなり変わったようですね。社員旅行はもうないのでは?この時代、忘年会も行きたい社員だけ行く。参加する人も上司に酒をつがなくてもよいとか。上司がパワハラやセクハラにならないように気を使っているんですね。
 さて忘年会ですが、読者の皆さんの中には、飲み過ぎて二日酔いになられた方もいるんじゃないでしょうか?原因は誰が見ても「お酒の飲み過ぎ」です。翌日になっても気分がすぐれない。あまり飲めない僕も経験しました。頭痛に吐き気、倦怠感。二日酔いになって「もう飲まない!」「今度こそお酒なんかやめる」と何度後悔しても、また人は飲んでしまうんですよね。
 ということで、二日酔いの症状を少しでも和らげるお薦めの飲み物や食べ物を紹介します。ただ二日酔いには個人差があるようです。自分のおちいりやすい二日酔いのパターンを見極めて、数ある飲み物や食べ物の中から、これが効く!というものを早く見つけてください。
 デジタル紙「暮らしニスタ」から、二日酔いを緩和できると言われている飲み物を紹介します。まずは何をおいても水分補給です。「冷えていない常温の水500mlから1ℓ程度、少しずつ飲むようにしましょう。「常温の水」がミソです。
 次に塩分や糖分の入ったスポーツドリンクは、真水よりも胃にやさしく、二日酔いの時には水分補給の助けになります。1杯のコーヒーも良いとのことです。頭痛の場合、血管を収縮させるカフェインを含むコーヒーを適量飲むのも効果的。アルコールは血管を拡張させるから。
 肝臓の働きを高めるアミノ酸飲料も良いそうです。アミノバリュー コンク(濃縮タイプ) 100ml/大塚製薬。軽い脱水症状を起こしているときはシジミの味噌汁です。しじみに含まれるタウリンという成分はアミノ酸の一種で、肝臓の働きを助けてくれるものです。
 またトマトやトマトジュースの良いそうです。トマトには、水分を摂取しながら胃腸の働きを助けてくれる成分、クエン酸とリコピンが豊富に含まれています。果物ではリンゴやキウイなど、ヨーグルトも良いんですね。
 ついでに「二日酔い」に逆効果の飲み物や食べ物を挙げます。「迎え酒」が「二日酔い」と言う人がいますが、科学的にダメ。それからラーメン。飲んだ後、私はよくラーメンを食べました。弱った胃にはやや負担が大きいんです。頭痛に適量のコーヒーは効果的ですが、コー日のがぶ飲みはカフェインの過剰摂取になり、利尿作用で体内の水分を失うことになる。これもダメ。サウナや運動もダメです。
 いままで申し上げたことをまとめますと、二日酔いのときは、まずは水分補給です。そして肝臓の働きを助けてくれるアミノ酸を含んだ食品を摂る。「二日酔い」を軽くする、自分に合った食品をとることだと言えそうです。参考までに。
 正月には飲む機会が増えます。まずは飲み過ぎないように注意することが一番です。よい年を! よいお正月を、お酒とともに。

大リーグの大谷選手はエ軍に残って愛する仲間とワールドシリーズを制覇したいのではないのか?

2023年07月11日 17時46分02秒 | スポーツ
 エンゼルスの大谷選手の去就がアメリカメディアで大きな話題になっている。彼が所属するエンゼルスに残るのか去るのか。トレード期限が8月1日(同2日)に迫っている中、大谷選手はどうするのか?全米はこの問題で持ちきりだという。この数日の大谷の発言から、彼は今シーズン、エ軍で二刀流を全うすると理解した。
 今シーズンが終れば、彼はFA(フリー・エージェント)権を行使でき、ほかのチームに移籍することができる。彼は移籍するのか?大谷はできればエ軍に残りたいと考えているのではないか、と私はこの数日思うようになった。なぜか。彼の発言だ。
  8月1日(日本では2日)のトレード期限が迫っていることについて大谷は記者に「個人的に気にすることはない。もちろんコントロール出来ないことではあるので。自分が試合の中でコントロールできることをまずはコントロールしたいなと思っていますし、それをコントロールするのが、1番難しいことでもあるので、なるべくそのことに集中したいなと思っています」と話した。
  またプレーオフへの思いを問われた大谷はこうも話す。「(エ軍は)年々強くはなっていますね、それは負ければ悔しいし、行けなかったら悔しいというのはその通りなので。優勝したことがない以上は優勝したいと思うのが自然かなとは思います」と回答した。
 さらにエンゼルスについては「ファンの人がすごい。僕自身も好きですし、エンゼルスのことが好きで毎日見に来てくれる人たちもいるので。コントロール出来ることをしっかり自分自身でコントロールして頑張りたいなと思っています」と6年目になったチーム愛も口にしていた。
 これらの発言から、大谷はエ軍の仲間とポストシーズンに進出し、ワールドシリーズを制覇したいのだろう。そして彼の発言の中に日本人らしいメンタリティーを感じるものがある。
 7月7日のエンゼルス対ドジャース戦の4回に大谷が二塁に到達した際、ドジャースのムーキー・ベッツ外野手が大谷に握手を求め、こう質問した。ベッツは記者にこう話す。「あなたと(エ軍の)アデルはどっちがパワーがあるんだ?”と尋ねたんだ。大谷は“アデルの方がパワーがある”と言ったんだ。僕は信じないけどね」
 大谷は典型的な日本人だ。日本人なら理解できる。口が裂けても「自分がパワーがある」とは日本人は言わない。それが礼儀だからだ。そして米大リーグのオールスター戦で、アメリカン・リーグの指揮を執るダスティ・ベイカー監督は、大谷の投打二刀流の活躍を絶賛した後、「おそらく我々が対峙する相手のなかで最も礼儀正しく、尊敬すべき人物の一人だろう」と人柄の良さを称賛した。
 大谷は古き時代の日本人の性格を兼ね備えているのだろう。目的に邁進する。そして仲間と団結し、協力して目的達成に邁進する。何よりも愛する仲間のために犠牲を惜しまない。
 私は大谷選手がエ軍に残りたいと考えていると思う。エ軍の仲間とワールドシリーズに進出し、ワールドチャンピオンになりたいと思っているのだろう。エ軍のネヴィン監督と選手は大谷の願いに応えてほしい。そのための改革をしてほしい。特に投手陣の整備だ。また凡ミスを減らす。バントやスクイズなどのスモール・ベースボールを取り入れる。
この数日の大谷に発言から、彼はポストシーズンに行きたいが、単に強いチームに移籍することで、その望みを叶えたいと思ってはいない。莫大な金銭トレードを求めてもいない。彼はただただ、エ軍の仲間とワールドチャンピオンになりたいのだ。エ軍幹部はそのことを理解してほしい。