英宰相ウィンストン・チャーチルからのメッセージ   

チャーチルの政治哲学や人生観を土台にし、幅広い分野の話を取り上げる。そして自説を述べる。

日本人の新天皇皇后陛下への温かい気持ち知る 即位を祝うパレードを見て 

2019年11月11日 09時13分52秒 | 皇室
    天皇陛下の即位を祝うパレード「祝賀御列の儀」に約12万人の人々が集まり、温かい祝福を送った。その群衆の中に、多くの外国人の姿もテレビで見受けられた。パレードを見た外国人は日本人をどう感じたのだろうか。
   私は多くの外国人がこの光景を見て皇室に対する日本人の心のひだを垣間見ただろう。それは皇室と新天皇への好奇心と目新しい珍しさの入り交じった親しみと尊崇の念ではないのだろうかと推察した。
   天皇皇后両陛下を乗せたオープンカーは皇宮警察の側車隊などに守られ、およそ4.6kmメートルのコースを時速10キロのスピードで進んだ。両陛下は集まった約11万9,000人の歓声に応え、笑顔で手を振られた。皇后さまがそっとハンカチで涙を拭かれている場面もあった。
   病気がちだった皇后陛下は何に涙したのだろうか。私は推測の域を出ないので、ここに記すのは控えるが、元気はつらつのようにお見受けした。彼女が皇后になれて以降、得意の英語をいかしてトランプ大統領夫妻をはじめとする外国の賓客をもてなし、内外のメディアから賞賛と好意的な報道を受けている。人間は一つの明確な目的を見いだして邁進し、それが多くに人々から評価されると、心の充足を満たす。雅子様も例外ではない。
   このパレードを見た人は「(見ることできました?)できました。感激して涙が出ました」と話し、見られなかった人は「同じ空間に一緒にいさせていただいたところがよかった」と感激する。小学生や幼児、そして年配の人々、老若男女が異口同音に新しい天皇皇后両陛下への温かい気持ちをマイクから発する。それは平均的な日本人の心なのだろう。理屈では理解できない日本人のオーラなのだろう。
   最近、韓国の国会議長が上皇様を戦犯(昭和天皇)の息子だと公言し、多くの日本人が反感を抱いた。国会議長は来日し、事実上の陳謝に追い込まれた。
   外国人は日本の文化や伝統を深く理解すべきだと思う。もし理解しなければ、日本人から反感を買うことになるだろう。だからと言って、日本の右翼のように、われわれは天皇を殊の外に尊崇し、ひいては政治利用すべきではない。それは、はなはだ危険だ。
   天皇陛下は日本国の象徴として日本国民の心に拠り所であれば十分だと思う。千年以上にわたり時代を越え、その歳月の中で天皇の立場に紆余曲折があったにせよ、上皇様が示した象徴としての天皇像を日本国民が共有することが大切ではないのだろか。即位を祝うパレードを見守りながら、そんな感慨を抱いた。

平成は戦争のない幸福な時代    令和到来まで残り数時間に思う  

2019年04月30日 20時04分45秒 | 皇室
  平成の時代が数時間で終わる。1917年に退位された119代の光格天皇以来202年ぶりに、天皇陛下が退位される。憲政史上初めて。明日から新しい時代が始まる。
  平成の時代は明治以来初めて平和な時代だったが、阪神淡路大震災や東日本大震災と福島原子力発電所事故など災害の多い時代だった。多くの人々が犠牲になり、その犠牲の上に日本社会がつくりあげられてきた。
 ことし2月24日の天皇陛下ご在位30周年式典で、天皇陛下はこう話された。「平成の30年間、日本は国民の平和を希求する強い意志に支えられ、近現代において初めて戦争を経験せぬ時代を持ちましたが、それはまた、決して平坦な時代ではなく、多くの予想せぬ困難に直面した時代でもありました。世界は気候変動の周期に入り、我が国も多くの自然災害に襲われ、また高齢化、少子化による人口構造の変化から、過去に経験のない多くの社会現象にも直面しました」
 天皇陛下がおっしゃられたように、平成は近現代で初めて戦争を経験しなかった時代だ。われわれ「団塊の世代」が最も恩恵に与っている。父親の時代は戦争の時代であり、幾百万の人々が戦場の露と消えた。
 天皇陛下は続けてこうおっしゃる。「天皇としてのこれまでの務めを、人々の助けを得て行うことができたことは幸せなことでした。これまでの私の全ての仕事は、国の組織の同意と支持のもと、初めて行い得たものであり、私がこれまで果たすべき務めを果たしてこられたのは、その統合の象徴であることに、誇りと喜びを持つことのできるこの国の人々の存在と、過去から今に至る長い年月に、日本人がつくり上げてきた、この国の持つ民度のお陰でした
  天皇陛下が天皇統治の明治憲法に代わって発布された国民主権の現憲法に書かれている象徴天皇とは具体的に何なのかを追い求め、被災地に足を運び国民を励ました。そして象徴天皇の意味を国民に示した。この意味で、偉大な天皇だったと歴史は後生の人々に伝えるだろう。
 天皇陛下は「民度」についても話されている。この国の人々の民度こそが明治時代以来、幾多の困難を乗り越えてきた原動力だったと思う。江戸時代以来、受け継がれてきた教育、道徳などの日本人の資質が民度を形づくってきた。これこそが今日の日本の繁栄の礎だ。
 今日、日本人の民度が次第に色あせてきていると感じるのは私だけだろうか。政治家から一般庶民まで、半世紀前の人々と比べて民度が低くなっているようにみえる。
 天皇陛下が指摘された日本人の民度がこれからも維持され、国難に立ち至ったとき、それが役に立つことを祈るばかりだ。
 あすから令和の時代。その言葉通り、調和と法のなかで、平和な時代が続いて欲しいと願う。子どもや孫の時代が平和であってほしい。
 天皇陛下と皇后さまが残りの人生を健やかに、そして好きなことをされてお過ごしになられることを、国民の一人として切望します。30年間の陛下の勤めに感謝し、お疲れ様と申し上げたい。