新型コロナは世界の指導者を試しているようだ。われわれは現在、各国のリーダーの決断力、意思力、想像力、実行力、予想力(たとえ後で間違っていようとも)、長期的な展望、責任を負う覚悟、判断力などを理解できる立場に立っている。
アメリカのトランプ大統領の無能ぶりは目を覆いたくなる。漂白剤(家庭用消毒)を注射すればコロナが撲滅できると表明した。私は耳を疑った。日本国民程度の民度があれば、誰でもトランプの言葉に従って注射すれば死ぬことは明白だとわかる。
世界最強の国のリーダーがこんな馬鹿げたことをいう。だから100万人近くのアメリカ人が感染し、1万8千人以上が亡くなっている。イギリスのリーダーも褒められない。ジョンソン首相は自らコロナ感染生還者だが、その最初の政策はイギリスの政治家らしくなかった。現実を軽視した政策だった。
これに対して、韓国の文在寅大統領はコロナに関しては見事な差配だった。国民の目を気にしないで果断に対処した。私は文大統領の対北朝鮮政策を批判し、彼の共容思想に顔をしかめていたが、コロナに関しては絶賛せざるを得ない。
オーストラリア、ニュージーランド、デンマークなどの指導者もすばらしい。彼らに共通しているのは、新型コロナが発生したとき、未来を見つめ、最悪を想定して果断に対処し、勇気を持って国民の批判を恐れずに実行したことだ。それが実を結んでいる。
それでは日本の指導者、政治家はどうか。2月初旬、ダイアモンド・プリンセス号の船内で船内感染が広がった。そのころ、中国、特に武漢でコロナが広がり、手の施しようがないにもかかわらず、共産党政権はその強権を持って対処していた。
それから2カ月半が過ぎた。未だにPCRコロナ検査器が不足して、敵(コロナ)の戦力が分からず、感染者に自宅待機を政府は促す。その間に、女優の岡江久美子さんら待機していた患者は容体が急変し亡くなっている。
尾身茂・政府対策会議副座長が3月初め、「発熱してから4日たったら保健所か帰国者感染センターへ連絡することというのは、コロナ検査器や集中治療室が不足していることによる医療崩壊を防ぐ措置だ」と話した。それから1ヶ月半たってもまだコロナ検査器が足りないというのはどういうことだ。韓国の文大統領はコロナ対策を半月で完成した。
なぜ、日本のリーダーや、有能と言われる官僚がでできないのか。韓国以上の科学技術力がある日本ができないのは、日本の指導者と官僚の目が曇っているからだ。厚生省の医療官僚の官僚丸出しの対応と、何事においても完全を求める非現実的な対応。ドライブスルー検査は確かに正確さは欠くが、それでも緊急時にはこれを使うという発想がないのだ。要するに官僚特有の「勇気のなさ」「果断力のなさ」「手続き最優先の姿勢」だ。平時ではこれでよい。有事では致命的になる。
一方、安倍政権はプリンセス号で乗客が感染した2月上旬、中国のトップ、習近平の訪日を控えていた。習総書記の訪日という目の前の出来事に囚われていた疑いがある。小池東京都知事は東京オリンピック開催を念頭にコロナ対策に果断だ処置をしなかった疑いがある。
安倍首相は中国の感情を害してもコロナ対策を果断にすべきだった。小池都知事も五輪返上の覚悟をしてでも、それに伴う大多数の日本人の反対を押し切ってでもコロナに対して果断な決断をすべきだった。日本の政治家は、与党野党とを問わず、たいした政治家ではないことが、コロナ試験で理解できる。
一方、日本国民はどうか。過半数以上の国民はこの危機的事態を理解した行動をとっている。政府が個人事業主や中小企業への保証をしぶる愚挙を犯していたときでさえ、個人経営者の多くは苦渋の決断をして休業した。それでも海岸や行楽地に行き、パチンコ店に行く少数者がいる愚かな連中がいることも忘れてはならない。要するにスペインの哲学者オルテガの言う「事故犠牲ができない大衆」なのだ。
第2次世界大戦初期、ナチスドイツがフランスを蹂躙した。そのときのフランスの、政治・軍事リーダーは現在の日本のリーダーと同じだった。急速に変化する現状や時の流れを追認するだけだった。起こったことに対処するだけ。これでは有事に勝てない。
日本人は歴史から学ばない。そうだろう。中高の授業で、暗記教育しかしてこなかったのだから。こんな状況で、コロナ禍がこの程度などは奇跡に近いと思う。コロナを撲滅する未来に光が見えない。それどころか、将来、独裁国の中国がアメリカに代わって世界の覇権を握ったとき(30~40年単位で判断すれば、その公算は大きい)、日本人はどうするのだろうか。そのとき、英国の名宰相、ウィンストン・チャーチルのような有能な指導者をいただき、民度の高い日本国民がいてほしいと願うばかりだ。
アメリカのトランプ大統領の無能ぶりは目を覆いたくなる。漂白剤(家庭用消毒)を注射すればコロナが撲滅できると表明した。私は耳を疑った。日本国民程度の民度があれば、誰でもトランプの言葉に従って注射すれば死ぬことは明白だとわかる。
世界最強の国のリーダーがこんな馬鹿げたことをいう。だから100万人近くのアメリカ人が感染し、1万8千人以上が亡くなっている。イギリスのリーダーも褒められない。ジョンソン首相は自らコロナ感染生還者だが、その最初の政策はイギリスの政治家らしくなかった。現実を軽視した政策だった。
これに対して、韓国の文在寅大統領はコロナに関しては見事な差配だった。国民の目を気にしないで果断に対処した。私は文大統領の対北朝鮮政策を批判し、彼の共容思想に顔をしかめていたが、コロナに関しては絶賛せざるを得ない。
オーストラリア、ニュージーランド、デンマークなどの指導者もすばらしい。彼らに共通しているのは、新型コロナが発生したとき、未来を見つめ、最悪を想定して果断に対処し、勇気を持って国民の批判を恐れずに実行したことだ。それが実を結んでいる。
それでは日本の指導者、政治家はどうか。2月初旬、ダイアモンド・プリンセス号の船内で船内感染が広がった。そのころ、中国、特に武漢でコロナが広がり、手の施しようがないにもかかわらず、共産党政権はその強権を持って対処していた。
それから2カ月半が過ぎた。未だにPCRコロナ検査器が不足して、敵(コロナ)の戦力が分からず、感染者に自宅待機を政府は促す。その間に、女優の岡江久美子さんら待機していた患者は容体が急変し亡くなっている。
尾身茂・政府対策会議副座長が3月初め、「発熱してから4日たったら保健所か帰国者感染センターへ連絡することというのは、コロナ検査器や集中治療室が不足していることによる医療崩壊を防ぐ措置だ」と話した。それから1ヶ月半たってもまだコロナ検査器が足りないというのはどういうことだ。韓国の文大統領はコロナ対策を半月で完成した。
なぜ、日本のリーダーや、有能と言われる官僚がでできないのか。韓国以上の科学技術力がある日本ができないのは、日本の指導者と官僚の目が曇っているからだ。厚生省の医療官僚の官僚丸出しの対応と、何事においても完全を求める非現実的な対応。ドライブスルー検査は確かに正確さは欠くが、それでも緊急時にはこれを使うという発想がないのだ。要するに官僚特有の「勇気のなさ」「果断力のなさ」「手続き最優先の姿勢」だ。平時ではこれでよい。有事では致命的になる。
一方、安倍政権はプリンセス号で乗客が感染した2月上旬、中国のトップ、習近平の訪日を控えていた。習総書記の訪日という目の前の出来事に囚われていた疑いがある。小池東京都知事は東京オリンピック開催を念頭にコロナ対策に果断だ処置をしなかった疑いがある。
安倍首相は中国の感情を害してもコロナ対策を果断にすべきだった。小池都知事も五輪返上の覚悟をしてでも、それに伴う大多数の日本人の反対を押し切ってでもコロナに対して果断な決断をすべきだった。日本の政治家は、与党野党とを問わず、たいした政治家ではないことが、コロナ試験で理解できる。
一方、日本国民はどうか。過半数以上の国民はこの危機的事態を理解した行動をとっている。政府が個人事業主や中小企業への保証をしぶる愚挙を犯していたときでさえ、個人経営者の多くは苦渋の決断をして休業した。それでも海岸や行楽地に行き、パチンコ店に行く少数者がいる愚かな連中がいることも忘れてはならない。要するにスペインの哲学者オルテガの言う「事故犠牲ができない大衆」なのだ。
第2次世界大戦初期、ナチスドイツがフランスを蹂躙した。そのときのフランスの、政治・軍事リーダーは現在の日本のリーダーと同じだった。急速に変化する現状や時の流れを追認するだけだった。起こったことに対処するだけ。これでは有事に勝てない。
日本人は歴史から学ばない。そうだろう。中高の授業で、暗記教育しかしてこなかったのだから。こんな状況で、コロナ禍がこの程度などは奇跡に近いと思う。コロナを撲滅する未来に光が見えない。それどころか、将来、独裁国の中国がアメリカに代わって世界の覇権を握ったとき(30~40年単位で判断すれば、その公算は大きい)、日本人はどうするのだろうか。そのとき、英国の名宰相、ウィンストン・チャーチルのような有能な指導者をいただき、民度の高い日本国民がいてほしいと願うばかりだ。