英宰相ウィンストン・チャーチルからのメッセージ   

チャーチルの政治哲学や人生観を土台にし、幅広い分野の話を取り上げる。そして自説を述べる。

外国人観光客でいっぱい  広島の厳島神社と原爆資料館を訪れる       

2017年11月14日 15時15分43秒 | 旅行
 家内と私は故郷から新幹線で6時間かけて世界遺産の広島・宮島を訪れ、約40年前にロンドンで初めて会った親友の案内で厳島神社と原爆資料館を訪れた。どちらも外国人でいっぱい。まるで外国旅行をしているようだった。
 11日午後に到着後、フェリーに乗船し、宮島口から厳島に渡った。夕暮れ時で、潮が満ち、厳島神社の鳥居が海に生えてきれいだった。その日の夜、友人が私と家内のために宴会を催してくれ、懐石料理に舌鼓を打った。
 翌日は宮島の弥山にロープウェーで上り、素晴らしい瀬戸内海と広島湾の眺望を堪能した。ただ、ロープウェーに乗るのに1時間も待たされたのには閉口した。ヨーロッパや東南アジア、豪州、それに中国からの観光客が大勢来ていた。
 午後は平和公園と原爆資料館、原爆爆心地を訪れた。資料館には、被爆後白血病と闘い、昭和30年に12歳で亡くなった故・佐々木禎子さんが織った折り鶴が飾られていた。折り鶴を織れば元気になると信じながら亡くなった少女のことを思うと、思わず涙腺が緩んだ。オバマ前米大統領が織った折り鶴も拝見した。
 原爆資料館や平和公園を訪れると、厳粛な気持ちになる。人間の愚かさもあらためて分かる。たくさんの外国人の気持ちも厳粛であり、眼差しも真剣だった。世界のリーダーが広島の原爆資料館や平和公園を訪れ、核戦争がいかに愚かであるかを悟ってほしい。
 話はガラッと変わるが、広島の食べ物はうまい。瀬戸内海に面しているだけあって刺身はうまい。宮島口のあなごの有名な店「うえの」に連れて行かれたが、客が行列をつくっていた。待ち時間は1時間。弁当の待ち時間も30分から1時間ということであきらめた。
 おむすびの「武蔵」はうまかった。また、大正14年創業以来、もみじまんじゅうを作り続けている老舗・藤い屋(宮島)で、熱々のまんじゅうを食べた。美味だった。友人は地元なので、どこの食べ物がうまいかをよく知っていた。感謝。

英国の登山家のカトマンズ探訪を読む   思い出すネパール人との思い出

2017年10月24日 20時15分40秒 | 旅行
 一人の英国の登山家にとって、秘境ネパールの首都カトマンズは、時が移り変わっても、目もくらむほど素晴らしく、魔法の町である。彼の記憶はいつも生き生きとよみがえり、心温まるものになる。
 この登山家はクリス・ボニントン氏。生涯でヒマラヤに19回遠征し、遠征隊長としてイギリス隊のエベレスト南西壁初登攀やアンナプルナ南壁初登攀を成功に導いた。この功績を認められ、サーの称号を得ている。83歳。
 ボニントン氏が最初にこの首都を訪れたのは1960年。英国隊が7937メートルのアンナプルナ南壁に初めて登頂したときである。
 そのときにはカトマンズにはホテルが一つしかなかったという。今では数百のホテルやゲストハウスが建ち並ぶ観光都市。彼はカトマンズ・ゲストハウスを推奨する。最高のホテルに泊まりたければ、ホテル ヤク & イエティ(Hotel Yak and Yeti)がよいという。
 カトマンズを訪れるベストな時期は、モンスーンに見舞われる6~8月。ボニントン氏はこう話す。自動車の排ガスで汚染されている世界一の町だが、雨上がりに排ガスが霧散し、素晴らしいヒマラヤ山脈が遠望できる。
 この素晴らしい景色をカトマンズのどこから見たら良いか?ボニントン卿はスワヤンブー仏教寺院からの眺めを推奨する。この寺院はネパール語でスワヤンブナート。ネパールのカトマンズ盆地にあり、ネパール最古の仏教寺院ともいわれる。「カトマンズの渓谷」にあり、ユネスコ世界遺産に登録されている。 その寺院はカトマンズの中心部から西に3キロほど離れた丘の上にたっている。
 私は一度もこの国を訪れたことがない。20代の頃に訪れた友人が「朝日に輝く黄金のヒマラヤは、見た者でしか分からない」と語る。
 私は英国にいる頃、一人のネパール人とカトリック系の寄宿舎で知り合ったのを思い出す。彼はロンドン大学の学生だったが、薬が原因で75%失明した。医療過誤だ。
 病院を相手取り裁判に持ち込み、6千万円の賠償金を勝ち取った。しかし彼の人生は100%変わってしまった。母国に帰れば、高級官僚として、将来を約束されていたのだが・・・。
  この裁判が新聞で報じられ、証券会社や投資会社がやってきた。私は彼にネパールに帰れば、一生暮らせる金だ。決して「儲け話に乗って騙されるな」と助言したことを思い出す。彼は帰国した。生きていれば還暦を過ぎているだろう。彼が帰国して以来、音信はない。
 英紙「ガーディアン」のネット版に掲載されているボニントン氏のカトマンズ探訪を読み、まだ行ったことがないかの国に思いをはせ、そして40年前の彼との出会いを思い出した。

写真:スワヤンブー仏教寺院から見るヒマラヤ山脈

外国人が住むのに、世界中で最も居心地が良い国   BBC放送が伝える

2017年10月22日 15時21分53秒 | 旅行
 「この5カ国は、外国人を温かく歓迎し、ヘルプの手と優しい微笑みを見せてくれる」
 英国の公共放送「BBC」はこう報じている。残念ながら日本は入っていない。私は一人の日本人として、「おかしいじゃないか」と「BBC」に抗議したくなるが、民主主義を支える放送局は続けてこう述べる。
 「外国に住み、その国の生活に合わせようと努力する多くの異邦人にとって、その国の人々と友人になることほど心の安らぎはない。しかし多種多様な文化と言語をもった国はほかの国よりも居心地が良いのではなかろうか」
 この5カ国は、東アフリカのウガンダ、中米のコスタリカ、南米のコロンビア、中東のオマーン、アジアのフィリピン。
 「BBC]は、世界中のコミュニティーを結ぶ活動をしているネットワーク「インターネーション」の調査を引用する。このネットワークは世界161カ国の1万4千人の異邦人(外国の長期滞在者)から、「生活に慣れるのが容易いか」「自分が住む国の人々と直ぐに友人になれるか」「その国の居心地はどうか」などの質問に対して答えを得た。
 調査結果によれば、まずウガンダ人は「フレンドリー」で最高の評価を外国人から得た。ウガンダの首都カンパラに住む英国人のシャルロット・ボーヴォワザンさんは「外国人を歓迎する態度はこの国の固有の文化から来ているのよ。隣人は新しい入居者を笑顔で迎え入れるの」。この国の人々は驚くほど「フレンドリー」だという。
 次にコスタリカ人はどうか。調査に応じた10人中9人の異邦人がこの国の人々は本当に「フレンドリー」だと認める。10人中8人は「故国に住んでいるみたいだよ」と話す。大多数のコスタリカ人はのんびりと過ごし、あくせくしていないという。社会主義政権がこの国を支配していることもあるのかもしれないが、皆が食べるのに困らない、と福祉財団「リトリート・コスタリカ」のダイアナ・ストーブさんは話す。「コスタリカの文化を理解して好きになれば、大歓迎されるわ」
 コスタリカを日本語に訳せば「豊かな浜」。素晴らしい海岸がそこらじゅうにある。この10年で物価が上がり、首都サンホセの一部は英国のロンドンと同じ物価だが、それでもロンドンと比べて安い場所が多いという。
 残りの3カ国の国民も開けっぴろげな国民性で、外国人は溶け込めやすい、と「BBC]は「インターネーション」の調査を引用する。
 コスタリカを除いて、ほかの4カ国の治安が良いかというと、一概に「良い」とは言えない。フィリピンでは、総選挙の期間中、与野党や立候補者の陣営の言い争いから、50~60人が殺される、とフィリピンの新聞は報じている。
 治安と友情は別らしい。言い換えれば、心豊かで感情豊かだからこそ、外国人へのホスピタリティーが行きとどく反面、対立が直ぐに殺人に発展するのだろう。
 日本政府は観光に力を入れている。2016年には、約2千4百万人に到達した。安倍政権は訪日外国人観光客の拡大に向けた具体策をまとめ、2020年に4千万人、2030年に6千万人にすると決めた。ただ、コスタリカやウガンダの人々のように、日本人が両腕を開いて歓迎するかとなると、どうだだろうか。もちろん日本人は外国人を心の中で歓迎する。しかし国民性が開けっぴろげでないため、外国人になかなか自分の気持ちを伝えられない。言い換えれば、長期外国人滞在者が日本社会に溶け込むには相当の努力が必要。批判しているのではない。それが日本人の国民性なのだから。
 英語ができなくても、通りゆく外国人に「Can I help you(何かしましようか)」と気楽に声をかけたいものだ。清潔な国。秩序の国。優しい国。そんな国が日本。多くの外国人は日本を旅行し、こんな感慨を抱いて帰国する。その上、シャイな日本人がもっとホスピタリティーの気持ちを表に出すことができれば、外国人はいっそう良い印象を抱いて帰りの飛行機に乗り込むだろう。

 写真はコスタリカ

自然熱帯雨林で休暇を過ごすならブルネイへ     観光で脚光をあびる国

2014年12月09日 21時37分20秒 | 旅行
 日本を訪れる外国人旅行客が過去最速のペースで伸びている。日本政府観光局が11月19日発表した今年1~10月の訪日外国人客数は、前年同期比27%増の約1101万人だった。
 円安が外国人観光客の訪日を後押ししている。また日本行きの航空路線やクルーズ船が増えている。政府は東南アジア向けに短期滞在査証(ビザ)の発給要件を緩めるなど、日本を訪れやすい環境も整えている。
 さらに10月からは、免税対象となる品目が従来の家電製品や衣類から化粧品や飲食料品などにも拡大。なかでも中国人旅客が日本の得意先だ。観光庁の「訪日外国人消費動向調査」によると、今年7~9月に中国人旅客が国内で使った金額は、1人あたり約23万6千円と全体平均を8万円弱上回った。一方、円安にもかかわらず、日本人の観光客は今年も年末から来年の年始にかけて外国に観光旅行にどっと繰り出すという。
 一方、日本人の海外旅行先のトップは中国、2位は韓国で、米国(本土)、台湾、香港、ハワイと続くが、今日お話しするブルネイはトップ50位にも入っていない。(2013年、日本旅行業協会統計)
 ブルネイの多雨林は最近、外国人観光客を魅惑している。この半世紀、ブルネイは観光スポットとして世界の注目を浴びてこなかった。しかし最近、ブルネイの治安の良さと相まって世界から注目を浴びるようになった。
 ブルネイはボルネオ島の北部海岸に位置し、世界の産油国の一つとして数えられている。王国であり、エコツーリズムのメッカになりつつある。かつてはマレーシアのキナバル自然公園の後塵を拝していた。
 クルーズ船がブルネイのムアラ港に寄港するなどして、外国人観光客の数が近年、増加している。旅行会社もツアーのひとつにブルネイを加えているという。
 外国人旅行客は2007年の200万人から2013年には300万人に増えたという。
 ブルネイ政府は原油の輸出依存から脱却し、外貨収入源の多様化を図る。その一環として観光にも力を入れ始めている。観光の目玉は観光客を魅了する自然熱帯雨林。特にテンブロン国立公園は人気スポット。ここでも中国人観光客が目を引く、と地元の観光会社は話す。中国人観光客はマレーシアのサバやサラワクを訪問、その足をブルネイにまで延ばしている。
 ブルネイの観光旅行会社は日本人観光客の誘致にも積極的で、日本語スタッフも常駐させているという。ただ、物価はシンガポール並みで、安くない。20年前には二つしかなかった旅行会社は現在50に増え、豪華な超一流ホテル「エンパイア―・ホテル」が海岸リゾートに建てられている。一泊3万5千円以上するそうだ。
 静かな雰囲気を醸し出しているブルネイはほかの東南アジア諸国に比べて、治安がすこぶる良い。犯罪とは無縁で、雄大な自然の中で家族と過ごす休日は素晴らしい、とブルネイ観光局は宣伝する。
 ブルネイ森林局によれば、テンブロン国立公園の訪問客は2003年に4千500人にすぎなかったが、2012年には1万人に達した。
 ブルネイ観光局のスタッフは「ブルネイは大量の観光客を迎えようとは思わない。ブルネイの自然、文化、遺産を愛する観光客を待っている」と話している。また「もっと多くのシンガポールと日本の観光客を待ち望んでいる」とも語る。
 フレームトラベルサービス(Freme Travel Service)の支配人は「観光客の中心は中国人だが、われわれが経営するテンブロン国立公園のロッジに日本人観光客もぜひ来てほしい。日本人のツアーガイド5人が働いている」と宣伝する。
 ブルネイはイスラム国家だが、外国人に対してアルコールの持ち込みを制限しているが、許容している。あと20~30年で石油の埋蔵が尽きる前に観光立国としての地位を築きたいと考えているようだ。
 熱帯雨林地帯でスコールでも聞きながら、静かな休日を過ごしたい日本人にとってブルネイ訪問は一考に値するかもしれない。断っておくが、筆者は残念ながらブルネイ観光局から宣伝費を一銭もいただいていない。(笑い)

英国の国内旅行は英国人にも高い                 B&Bの国内事情など

2014年08月27日 15時38分01秒 | 旅行
 ロンドン市民は、高い生活費に癖癖し、不満は止まることを知らない。だが、高い生活費にあえぐロンドン市民もびっくりするニュースが飛び込んできた。スコットランドの首都エジンバラの一夜の費用が英国で最も高い。
 旅行調査会社のトリップ・アドバイザーによれば、四つ星のホテルに泊まり、レストランで食事をして近距離でタクシーを利用すると、一晩の総費用はエジンバラで330ポンド、ケンブリッジで277ポンド、ロンドンで267ポンドだそうだ。これに対して、イギリスのイングランド中部の工業都市、シェフィールドが一番安く、154ポンド。バーミンガムの166ポンド、カーディフの173ポンド、ニューカッスル・アポン・タインの176ポンドと続く。
 旅行調査会社のジェームズ・ケイ氏は、休みに英国を訪れる旅行客はブリテン島の北に向かうことをお奨めすると話し、一晩、旅行するには価値があると強調している。
 この記事は英紙「インディペンデント」。また、ガーディアンは英国のベッド・アンド・ブレックファースト(B&B)ベスト10を紹介している。この中で、ロンドンからそれほど遠くないエセックス州のコルチェスター近郊のファームハウスは良いかもしれない。筆者が宿泊したわけではなく、「すばらしい」と断言できないが、観光地としては見逃せない。コルチェスターはローマ時代に建てられた英国で最も古い町のひとつ。海岸にも近く、風光明媚な場所だ。また、コルチェスターには英語学校があり、日本人の若者が学んでいるという。半年なり、1年間、英国に滞在して、英語を学ぼうと考えている日本人がいたら、一考に値する場所だと思う。

  http://www.theguardian.com/travel/2014/aug/26/10-best-british-bed-and-breakfast-sawdays