hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

方丈貴恵『アミュレット・ホテル』を読む

2024年07月19日 | 読書2

 

方丈貴恵著『アミュレット・ホテル』(2023年7月30日光文社発行)を読んだ。

 

光文社の紹介

殺し屋、詐欺師、窃盗グループの皆様……
犯罪者御用達ホテルにようこそ

アミュレット・ホテルは2つのルールさえ守っていただければ、どんなサービスでもご提供いたします。偽造パスポートでも、グレネードランチャーでも、ルームサービスでお申し付けください。ただし、ルールを破った方には、それ相応の対価を支払っていただきます。警察に通報したりはいたしません。我がホテル探偵は優秀ですから。秘密裏にきっちり処理させていただきます。
ホテル支配人 

 

アミュレット・ホテルの本館は通常のホテルだが、別館は全てスイートルームで会員資格を有する犯罪者しか立ち入りも許されない。9階までが低層フロアで、10階以上が高層フロア。

 

アミュレット(amulet)は、「お守り」の意味で、一般的には「魔除けのお守り」に使われる装飾品のこと。

 

主な登場人物

師岡:ホテルのオーナー。元犯罪集団のトップ

桐生:道家の秘書のきゃしゃな女性。道家に育てられた「殺し屋エレボス」なのだが、ホテル探偵になる。

水田:几帳面なホテル従業員。用心棒。

道家:40年にわたり、不可能と思われた犯罪の計画を立て、成功させてきた。今、病の床にある。

 

佐々木:強請(ゆすり)屋。絞殺される。

信濃:詐欺グループ『エリス』のボス。30代後半。

伊田:主に海外で活動する殺し屋。40歳以上だが美人。

深川:美術品を贋作に変える窃盗グループ『プロメテウス』の幹部。30代前半。

明石:フィクサーとして複数の犯罪組織をまとめていた。毒殺される。

桂:国内最大級窃盗グループのリーダー。

 

 

「アミュレット・ホテル」

9階の密室で、佐々木が絞殺され、傍らにハウスキーパーの遠谷が倒れていた。

 

「クライム・オブ・ザ・イヤーの殺人」

佐東は道家を裏切って明石の下についた。殺し屋エレボスを恐れ、見張り8人で別荘に籠っていたのだが…。

 

「一見さんお断り」

アリアが膨大な財産を相続するために必要なキーホルダーを木庭有麻に盗まれ、『ケルベロス』の下っ端スリの瀬戸博貴は幼馴染のアリアのために取り返そうとする。

 

「タイタンの殺人」

犯罪業界のトップクラス5名が集まる『ザ・セブン』(タイタン会議、ホテル出資者の会)が5年ぶりにホテル別館で開かれた。師岡のライバルの武器密輸王・笠居が殺され、疑われた師岡が大ピンチに陥る。

 

初出:「ジャーロ」73号(2020年9月)~86号(2023年1月)

 

私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで、最大は五つ星)

 

登場人物が多すぎて、いずれも犯罪集団のボスなので、混乱する。話も同じようなパターンが多い。

 

ミステリータイプとしては、密室など本格物なのだが、謎のレベルが低い。

 

 

方丈貴恵(ほうじょう・きえ)

1984年兵庫県生まれ。京都大学卒。兄弟推理小説研究会に所属していた。

2018年、『遠い星からやって来た探偵』が第28回鮎川哲也賞最終候補
2019年、『時空旅行者の砂時計』で第29回鮎川哲也賞受賞しデビュー
2023年には『名探偵に甘美なる死を』が第23回本格ミステリ大賞候補
2024年『アミュレット・ホテル』が・第24回本格ミステリ候補作

その他、『孤島の来訪者』

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする