hiyamizu's blog

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鴻上尚史『鴻上尚史のほがらか人生相談』を読む

2020年08月07日 | 読書2

鴻上尚史著『鴻上尚史のほがらか人生相談 息苦しい「世間」を楽に生きる処方箋』(2019年9月30日朝日新聞出版発行)を読んだ。

 

月刊誌「一冊の本」(朝日新聞出版)およびネットのAERA dot.(アエラドット)に、2018年8月~2019年4月まで掲載された同名タイトルの連載を一部修正し、新規原稿を加えたもの。 本書にはその中から28の相談と回答が収められている。

続編は『鴻上尚史のもっとほがらか人生相談

 

相談9  10キロ太ったら周囲の男性の態度が変わりました。結局女は容姿が10割でしょうか?

「ぶさいく村」の住人は、ずっと「容姿」と「中身」をイコールとされるアンバランスさ、理不尽さと戦ってきました。容姿が美しい人を見ると、中身まで素晴らしいと思い込みがちになります。でもね、「ぶさいく村」の中央広場に住む人間は間違いません。だって、「容姿」と「中身」はイコールではないんだと、魂にまで刻んでいるからです。

 

相談11  「率直に」「普通に」の日本語の使い方いついてイギリス人の友人から困った質問をされています。

スポーツ選手がいい成績を残すと「率直に嬉しいです」。日本人のSNSは、「普通にすごいでしょ」「普通にNGでしょ」。

どうしても個人の感想を言いたいとき、「世間」の中で個人の感想を語ることが許される言葉を選びます。それが「率直に」。本当はコーチへの感謝、負けた仲間への配慮もあり語るべきではないが、心のままに言えば、「率直に」嬉しいんです。

みんな同じ仲間だと思っているから、スタンダードを持ち出し、「普通に言うでしょう」「それ普通でしょう」。

 

 

私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)

 

私が人生相談を読む楽しみには、人の不幸を覗き見てこっそり笑うことや、回答者の意外な答えを知ることにある。もっとも好きな人生相談は、上野千鶴子さんの「うーむ」と感心するほどあまりにも割り切った考え、回答だ。

 

鴻上さんの人生相談はどこにでもある日常の問題で、それだけに回答は当たり前といえば当たり前なる。それがついつい読んでしまうのは、鴻上さん相談相手を徐々に巧みに説得する話術にある。語り口がふんわりと包み込むようで、相談者に同情しつつ、いつのまにか「確かにそういうこともあるよな」「そうかも。まあそうだよな」と納得というか、気持ちを収めてしまうことにある。

鴻上さんって、ニコニコして楽しそうで、ふざけてばかりで、意外と苦労人なんだなと思う。

 

 

鴻上尚史(こうかみ・しょうじ)
作家・演出家。1958年、愛媛県生まれ。早稲田大学卒。在学中に劇団「第三舞台」を旗揚げ。

1995年「スナフキンの手紙」で岸田國士戯曲賞受賞

2010年「グローブ・ジャングル」で読売文学賞戯曲・シナリオ賞受賞。

現在は、「KOKAMI@network」と「虚構の劇団」を中心に脚本、演出を手掛ける

著書に『「空気」と「世間」』『不死身の特攻兵』『鴻上尚史のほがらか人生相談』『鴻上尚史のもっとほがらか人生相談』『英語とわたし』(著者23人の一人)など。

 

 

性格は、「良い」「悪い」「ない」の三つに分類される。性格が「ない」人は大勢います。可もなし不可もなし、いてもいなくても同じ、いるかいないのか分かんない、毒にもクスリにもならない人です。

 

僕の知り合いで整形を受けた人は、……、「何が問題なの? 子供が自分の顔が嫌だと思ったら、子供も整形手術を受ければいいのよ。それだけのことよ」

 

日本人がよく「トイレに行ってもいいですか?」と言います。日本人以外では聞いたことがないのですが、もし、「ダメです」と言われたらどうするんだろうと思います。

 

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