hiyamizu's blog

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町山智浩『キャプテン・アメリカはなぜ死んだか』を読む

2012年04月26日 | 読書2

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町山智浩著『キャプテン・アメリカはなぜ死んだか 超大国の悪夢と夢』文春文庫ま28-1201112月、文藝春秋発行、を読んだ。

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映画評論家、コラムニスト、ラジオコメンテーターで、カルフォルニア州バークレー在住の町山智浩氏による、面白くて、ちょっと下品なアメリカ・ネタのコラム102本。<o:p></o:p>

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政治経済、事件、セレブ、音楽、映画などの章に分かれ、ゴシップ主体だが、日本のマスコミでは報道されないケタ違いに極端な人々が住むアメリカを垣間見る。特に一部セレブのハチャメチャぶりには呆れる。

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「週刊現代」、「サイゾー」などに連載されていたコラムで、200812月発行の単行本の文庫化。

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町山智浩(まちむら・ともひろ)

1962年生まれ。東京都出身。早稲田大学法学部卒。宝島社入社。

1996キネマ旬報へ乗り込み、パイ投げ事件を起こし、退社して渡米。

アメリカ在住の映画評論家であると共に、アメリカ・ネタでコラムを書いている。

父親が在日でひどい差別に苦しんだという。

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私の評価としては、★★★(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)

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アメリカに興味があり、三面記事、ワイドショーが好きな人にはお勧めだ。アメリカはあまりにも広く、様々な人が住んでいることを実感できる。また、エイズ発症以前のアメリカのセレブの乱れた生活も一部垣間見られる。

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いくつかご紹介。

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格差社会

コミュニティーのルールで外に洗濯物を干すことは禁じられていることが多い。乾燥機が買えないほどの貧困者が住む地域だと思われ、地価が下がるからだ。

ワーキングプアーが圧倒的に多い半面、少数のエリートは恵まれている。

Google本社は、無料バスがベイエリア各地を往復し、車内ではWi-Fiが使え、

ハイブリッド車でのマイカー通勤には5千ドル支給、

1万人が働く広い敷地には11のレストランがあり、中華、フレンチ、イタリアン和食などのゆるメニューが選べ、朝昼晩社員は無料で、

オフィスの各フロアには無料のドリンク、軽食、お菓子が用意されている。

社内には託児所もあり、毎週金曜日の夜はプロのバンドが来てパーティーが開かれる。

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多人種国家アメリカ<o:p></o:p>

特殊メイクで白人が黒人に、黒人が白人になり、違う人種の生活を体験させるTV番組がある。

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アメリカのTVでは主人公の子供の友達には、片親の子供、身体障害者などがいることが多い。日本のTVで身体障害者や片親の子どもが日常の中に当たり前に登場することがあるだろうか?「普通」という無意識の均一主義が日本には横溢している。

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アメリカでは企業の就職や学校の入学で希望者を人種、年齢、性別などで選別すると厳しい罰が科せられる。しかし、大学に寮を持つある友愛会では、人気取りのため、デブ、ガリ勉、アジア系を2階に閉じ込め、見た目の良い白人だけを新人に見せ、やがて理想的でない23人を寮から追い出した。

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アメリカの高校には日本のようなクラスがないので、生徒たちはクリーク(派閥)を組んで友人を作る。チアガールはチアガール、ガリ勉はガリ勉だけで固まる。友達を作るには自分を何かのカテゴリーの枠にはめないとならない。金髪美女なら、勉強したらいけない。スポーツマンはアニメを見ちゃいけない。定型にはまらないと学校で居場所がなくなってしまう。

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アーミッシュの子どもは16歳になると村の外に出て、自動車、ロックンロール、セックスとドラッグを楽しむ。この「ラムシュプリンガ」が終わるとアーミッシュに戻るかどうかを自分で選択する。9割が俗世を捨て村に戻るという。

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以下、私のメモ<o:p></o:p>

「地獄の黙示録」のカーツ大佐は実在のモデルがいた。

トニー・ポー。17歳で海兵隊に志願、硫黄島などの激戦の後に彼は発足したばかりのCIAに飛び込み、反米国家の反政府組織を支援する。

その後トニー・ポーはラオスのホーチミンルートを潰すためにCIAから反政府共産軍のパテト・ラオに支配されるラオスに送られる。一人殺すたびに賞金をだすぞとモン族に共産兵狩りをさせた。アメリカから送られる様々な支援物資によりトニー・ポーは現地のモン族から神格化され、モン族の族長の娘と結婚し、戦士ポーは次第に野生化していき、少数民族を従えた小さな王国の王に君臨した。

北ベトナム軍に猛攻撃され、さらに米軍が猛爆撃してポーの王国は崩壊し、ラオスには社会主義政権が樹立された。

80年代になってラオスからの難民の中に、一族数万人を引き連れたポーのがいた。彼はモン族たちを政治亡命者として無事アメリカに移住させ、自らも彼等と共に帰国した。北カリフォルニアにモン族は1万人も住んでいる。
ポーは2003年にサンフランシスコで死去。

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