hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

東野圭吾『予知夢』を読む

2018年11月28日 | 読書2

 

東野圭吾著『予知夢』(2000年6月20日文藝春秋発行)を読んだ。

 

物理学者で通称ガリレオ先生とこ湯川学と、同級生の警視庁刑事の草薙俊平が活躍するガレリオシリーズの第2弾。

 

 

第一章 夢想る(ゆめみる)

森崎家に深夜、男が侵入したが、母親・由美子が猟銃を発砲した。侵入男坂本信彦は逃走途中で死亡ひき逃げ事故を起こし、逮捕された。坂本は娘礼美からの招待状を受け取ったと示し、さらに「この家に住む女性 "モリサキレミ" と17年前から結ばれる運命にあった」と供述。調べてみると、小学校時代の文集などに"モリサキレミ"と書かれていた。17年前には礼美本人は生まれていなかった。「予知夢」としか考えられず、草薙刑事はガリレオ先生湯川の元を訪ね、湯川は調査し、推理を進める。


第二章 霊視る(みえる)

深夜、マンションの自室で長井清美が扼殺され、同じ店のホステス織田不二子が発見し、階段を逃走する男を目撃した。逮捕された小杉浩一は、犯行を認めた。しかし、殺害と同時刻、小杉の友人で、密かに清美と付き合っていた細谷が、窓の外の清美の姿を目撃していた。オカルト事件になってしまうと危惧した草薙は湯川に助けを求める。


第三章 騒霊ぐ(さわぐ)

草薙は姉・森下百合から神崎弥生の夫俊之が行方不明になり、たびたび通っていた老女高野ヒデも最近亡くなった聞いた。その後、高野に家を見張っていた弥生から、甥夫婦達、4人が毎日夜8時になると家を出ると連作を受けた。草薙は彼らを尾行したが、そのまま家に戻ってきた。その間、家の前にいた弥生は「家の中から物音が聞こえる」という。俊之は監禁されているのか? 草薙は湯川を訪ね‥‥。


第四章 絞殺る(しめる)
矢島忠昭がホテルで絞殺された。しかし、ベッド横のカーペットに焦げ跡があり、紐の絞め痕に皮膚の擦り切れがあったことから草薙は、現場に湯川を呼ぶ。多額の生命保険にかけられていたが、妻の貴子のアリバイは完璧だった。しかし、その家を訪ねた草薙に娘・秋穂は、「事件前日に火の玉を見た」と聞いた。湯川の第十三研究室でトリックを解く実験が行われた。



第五章・予知る(しる)

菅原直樹は瀬戸富由子と不倫をしていたが、キャリアウーマンで魔性の女でもある富由子は直樹の向かいのマンションに引っ越してきて、直樹の生活を覗いていた。富由子は直樹に電話をかけ、「奥さんと別れなければ覚悟がある」といいながら、首を吊るところを見せつけた。
しかし、直樹の隣の部屋に住む少女が「事件の2、3日前、夜中に目が覚めてカーテンを開けると、女性が首を吊るのを見て、気を失ってしまった。しかし、その女性は翌日、ベランダで楽しそうに電話をしていた」と語る。少女が自殺を予知していたと報告書に書くわけにもいかず、草薙は強引に湯川を捜査に引っ張り込む。

直樹の妻静子は実は夫の不倫に感づいている。また、直樹の後輩の峰村英和にも秘密があった。

 

初出誌は『オール読物』の、「夢想る」は1998年11月号、「霊視る」は1999年2月号、「騒霊る」は1999年4月号、「絞殺る」は1999年9月号、「予知る」は2000年1月号。

 

私の評価としては、★★★☆☆(三つ星:お好みで)(最大は五つ星)

 

短編集なのですいすい読めて読みやすい。しかし、読み終わって、なるほどねと思うが、それだけで終わってしまう。また、5編も並ぶと同じパターンを感じて、安心して読み進めることができる反面、マンネリ感が漂う。

 

 

東野圭吾の略歴と既読本リスト

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする