hiyamizu's blog

読書記録をメインに、散歩など退職者の日常生活記録、たまの旅行記など

畑野智美『国道沿いのファミレス』を読む

2011年05月09日 | 読書2
畑野智美著『国道沿いのファミレス』2011年2月集英社発行、を読んだ。

佐藤善幸25歳は ファミレス・チェリーガーデン社員。ネットでのデマが原因で6年半ぶりの故郷の町のさびれた店舗に左遷されて戻った。
幼馴染のシンゴは相変わらず男同士なのに、べたべたとまとわりついてくるし、遊び人の父親との関係も頭が痛い。
職場でも、すぐサボる大学生、アニメオタクのフリーター、上昇志向が強く厳しい女社員、温和なだけの店長。それぞれ一筋縄ではいかない関係があり、社員とアルバイトの壁もある。本社に戻るまでの辛抱と淡々と働き、できるだけ職場の人間とは壁を作ろうとしながらも、徐々に巻き込まれていく。
そんななか、新しい恋人と順調に進む交際に衝撃の事実が発覚。さらに・・・。

第23回小説すばる新人賞受賞作



畑野智美
1979年東京都生、東京女学館短期大学国際文化学科卒。高校時代のファミレスでのバイトをはじめ、新聞社、映画館、出版社等でアルバイトを続けながら小説家を目指す。2010年本書で第23回小説すばる新人賞を受賞。



私の評価としては、★★(二つ星:読めば)(最大は五つ星)

いかにも素人の書いた小説だ。主人公のキャラが今ひとつさだまらない。周辺の人物も現実感がない。
ただ、ファミレスという職場での仕事ぶりはよく書けていて、バイトしたことない私には面白かった。また、職場の同僚や恋人、家族など主要な登場人物15人がそれぞれそれなりに書き分けられている。さらに、新人にしては、衝撃の事実などの記述ぶりは淡々としていて、余裕や、かすかなユーモアも感じられる。
まあ、今後に期待といったところか。


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