ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

ここまでは、そして、ここからは、

2014-09-14 | ~ 出 産 ~
「確実じゃないだけど、今日こそは退院できる、かもしれない」
翌朝、私は母に退院報告をした。
「でも…義母様には、まだ連絡せんでね」
昨日は義母の所にまで連絡して、糠喜びさせてしまった。
確実に退院と決まるまで、母には連絡を待ってもらった。
退院前の沐浴タイム、そして、その直後の授乳。
これを飲まないと…、
「やっぱり駄目みたい…」
退院できない。
この日は母も沐浴を見学、授乳に付き添った。
「甘いッ。あんた、甘いのよ、こういう時は…」
私の生みの親は強かった。
娘の小さな口にグイッと哺乳瓶の口を銜えさせ、
「飲みなさいッ、飲むの、紗花ッ」
ぐいぐい、
「ちょ、ちょっとぉ、お母さん…」
哺乳瓶に入っている搾乳を無理やり飲ませた。
空になった哺乳瓶を誇らしく机の上に置いて、
「退院の準備、しなさい」
私は病衣を脱いで、
娘を着替えさせて、
コンコン、
「あら、今日は飲めましたねぇ」
空の哺乳瓶を下げてもらい、退院…となった。
この時、母となるには、ここまで強く在らねばならぬのだと分かった。
少々強引な退院であったが、
「次は、四日後の母乳外来で、」
その日までに体重が増えてないと、それこそ再入院…。
ここまでは、看護師さんや助産婦さんの助けでなんとかやって来られたが、
明日から母と娘の頑張りだけが頼りで、本当の育児はここから始まるのだ。