ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

こういう時こそ…、

2014-09-10 | ~ 出 産 ~
夜泣きが始まったのは、そろそろ生後二週間を切ろうとしていた頃だった。
PM7時の沐浴が済んで、
その直後、
うぎゃぁ~、うぎゃ、うぎゃ、うぎゃッ
ご近所中、響き渡るような泣き声で叫ぶ。
これが始まるともう誰にも止められない。
自分の泣き声に、
さらに興奮して、
うぇ、うぇ、うぎゃぁ~ーッ
「そんなに泣くと…苦しいでしょ」
と諭しても、すかしても、駄目だった。

育児経験者、我が地母神様も「お休みぃ」
たったと二階寝室で寝てしまった。

11時の授乳タイム、
「お乳ですよぉ」
飲み終わって直後、
うぎゃぁ~。
叫ぶ。
「オムツかな?」
取り替えても、愚図る。
お乳足りないのかな?
もう一度、おっぱいを吸わすが、
べぇッ、
私の好意に、あっかんべ、する。
おっぱいじゃない、となると、
抱っこ?
ゆらゆら抱っこしても、
うぎゃぁ。
添い寝?
うぎゃぁ。
いろいろ試しても、
やっぱり、

うぎゃぁ。

もう、疲れた。
眠りたい。しかし、娘はまだ愚図りたい。

うぎゃ~ッ。

誰に似たのか?
根性のある娘で三時間は泣ける。
「やれやれ、寝た…」と、
時計を見ると、次の日になっていた。

私も寝よ…と、こくっと寝…、

「うぇッ、うぇ、うぇ」

突如、嘔吐(えず)いた。

「さ、紗花ッ!」

ガバッ、と飛び起き、
紗花を見る。すると、

「お前かッ!」

夜泣きの相手で、廊下を行ったり来たり。
いろいろ試している間に、こっそり入った侵入猫が…、

「ウゲッ」

部屋で、毛玉を吐いた。

老猫がよろり移動して、

「ッ!!?(きゃぁ~ッ)」

「ウエッ」

寄りによって愛娘の隣で吐いたぁッ。

吐瀉物を拭いている間に、よろよろ…と廊下に出て、
締めの一発、
「うえッ」
吐いた。

「Oh~、My God」

しかし、二階の神は気付かない。

「あれ、紗ちゃん…」

気が付いたら、オムツが濡れていた。

替えないと、気持ち悪いよねぇ、

べろんとオムツを取ると同時に、

ばぁーッ

開放的な娘は、うんちとちっこ両方後方発射。


「すっきりだぜぃ♪」

豪快な娘をきれいにして、
飛び散ったモノをきれいにして、

私もシャワー浴びてきれいなって、
「やれやれ…長い夜だわ」
部屋に戻るとすやすや眠る娘と、
私の枕をベッドに眠る猫がいた。

「二人ともすっきりした顔して…」

これから、この天使たちは、
私にどんな試練を課すのか。

「ちょっとどいてよ」
猫のベッドの枕を間借りして、私もようやく床に就いた。

朝が来て、
「タルトに、紗ちゃんに、大変だったのぉ」
真夜中の惨事を神に嘆く。

と、

「え、そうなん?」
全ッ然ッ、気が付かなかったらしい。

本当に気付いて欲しい時こそ、
神は、気付かない、と悟った。

育児、頑張りますッ!

親として…、

2014-09-10 | ~ 出 産 ~
この病院では完母を推奨している。
とりわけ、初乳(産後2~3日間で分泌される)の中に赤ちゃんを病気から守る免疫物質が飛行に多く含んでいる。アレルギー予防にもなるという。
さらに、お乳を“吸う”時、口の周りの筋肉、舌上下、あご、頬の筋肉…顔の筋肉を総合的に鍛えてくれる。つまり、表現力溢れる、表情豊かな子になる、という原理である。
さらにさらに、母体にも利点がある。空っぽになった子宮は産後脂肪がどっぷり、デロンと大きなままなのだが、赤ちゃんがお乳を吸うことで大きくなった子宮が小さくなるという。
つまり、子宮収縮機能の役目を果たしてくれ、母乳育児は産後の回復、体型の戻りが早める。
さらにさらに、さらには母と子の絆を深めるためと、ミルク代を浮かす事に貢献する。そのためにも新米母は必死に自分の胸を搾った。こってり搾り取られ…、退院時の体重は妊娠ピーク時より-7キロ減少していた。良いこと尽くめである。
私は当初、出産だけが高齢に響くと思っていた。しかし、実際にはそうではなかった。
37歳と8ヶ月に「次は…」という第二子の期待と高齢の重圧(プレッシャー)は精神的にキツかった。日々溜まるストレスが完母の妨げとなり、出産後二日三日で分泌されるといわれるお乳、しかし、私の場合、三日三晩吸い続けても、まだ分泌が弱かった。
娘の夜泣きの原因は、空腹。
「いわゆる、飢餓状態なんですよ」
言葉で表すことが出来ないから、叫ぶしかない。
“おぎゃーッ(お腹空いたよぉー)”
餓えた娘に、栄養を与えられない辛さは、母として堪えた。
体重2654gと小さく生まれた娘は、さらに小さくなって…、
入院二日目、2490g。
三日目では、2445g。
「ごめんね、ごめんね…お乳でなくて…ごめんね」
四日目には、2365gまで減ってしまった。
私の頭の中に、あの事件、可愛そうな理玖君の姿が思い浮かんだ。
『厚木の男児白骨遺体事件』…五歳の理玖君は「ぱ…ぱぱ…」
十分な栄養を親から与えられず、餓死、放置され、白骨化した状態で発見。
折角この世に生まれたのに…、何のために生まれてきたのか…とても悲しいかった。
産んだからには、生まれたからには、責任を持って親が栄養を与えねば…と思った。