ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

幼い頃から、

2011-07-24 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
そこへ、志津さんを負ぶった富樫が「おい、池ッ」と[無許可入山禁止]の看板を踏み潰し、
継「ちょっと、ツラ貸せッ」と、下山して来た。
志津さん「まったくお育ちの悪い野郎どもだねッ。看板、どうしてくれんだいッ!」
富樫「そんな事より…」ストッと、志津さんを下ろして「話がある」ズイッと、
継「弟の事だ」と、池田ににじり寄った。
池田「ふぅ…。デート中に、無粋な人たちですね」ドンッ「と!?」と背中にぶつかって、
能子「ぐ…ッ」胸を押さえ、ずるぅ…と、体が…落ちて、
池田「御方様?」地面に倒れる直前に受け止めたが、血の気の引いた顔で、
能子「く…、るし…」息が…肩を上下させ、必死に空気を吸い込むけど…入ってこない。
池田「…紙袋、ありますか?」
継「え?」チリン、鈴が鳴って、気付いた「これ…」と親父から渡された巾着袋を出して、
池田「貸して下さい」巾着を引ったくり「御方様…」の口と鼻に当て、
「佐藤さん、空気が漏れないように両手で押さえて下さい」
継「へ?」訳が分からないが、言われるままに…巾着を手で覆い、空気の漏れを塞いだ。
能子「ハッ、ハッ…はぁ…はぁ…」
そうしていると、少しずつ…呼吸が長くなってきた…
「スゥ…スゥ…」と柔らかい呼吸に戻った途端…「すぅー…」
池田「え…?」
チリーン…、彼女と巾着が、地に落ちた。
継「よ、能ちゃんッ!?」
池田「…」脈を測ったら、正常で「大丈夫…」だけど、
富樫「これ…」巾着を拾い上げ「どういう事だ?」と池田を問い詰めた。
池田「ペーパーバック法※です」※過呼吸の対処法です。紙袋などを使って、鼻口を覆い、呼吸します。自らの呼気で、血中の二酸化炭素濃度を調整し、症状を緩和させます。
富樫さんから巾着を受け取り、中を見たら「鎮痛剤…」が入ったままになっていた。
鎮痛剤の中に入れておいた誘眠剤で「眠っただけか…」と分かって安心した。
富樫「対処法、聞いてんじゃねぇッ。なんで、こうなった?」
池田「彼女…幼い頃から、不安症なんです」と、彼女を抱えて、立ち上がった。
継「おい!?」
志津さん「…ちょっと、どこ行くんだい?」


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