ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

若菜の香り

2010-12-24 | 義経絵巻-芭蕉夢の跡-
繭子「…結局、胡蝶の大技は源氏の妖刀を前に破られた」
葛葉「そ、大技だから破られる。糸を一本だけ使うとしたら?」ほら、三輪山の赤糸伝説…
繭子「…糸に気付かれないように辿って、正体を暴く…」(By 三輪山 大物主神の結婚秘話)
葛葉「そ、OK?」
繭子「分かった、やってみる」手がかりは赤い面…。
葛葉「糸を辿るのは男らに任せな、ね」
繭子「了解…(って、この人、いったい何者?)私、客席見てくるわ」
葛葉「…それと、アンタの便女…どこの遊女?」便女として召抱えるには惜しいわ。それにどこかで会ったような気がするんだけど…。本当にただの便女なの?
繭子「…ただの…乳母…よ」
葛葉「そう…(腑に落ちないけど)…気をつけるのよ」
繭子「(どちらに気をつけろと言っている分からなかったが)はい…」と素直に返事した「じゃ、義隆と山吹ちゃんをよろしく…」と部屋を出た。パタンと戸が閉まって、
葛葉「…(あの若菜の香り…どっかで…?)」と首を傾げていた。
繭子が向った客席は、大興奮ヒートアップ、お熱急上昇でノックダウンの子供たちに代わり、午前の部の変な噂を聞きつけた大の大人がワッと会場に押し寄せ、ごった返していた。
何と言っても酒田は酒の町、今日は無礼講の新酒神酒のイベントで飲み放題である。なんともむさ苦しくも酒臭い、酒焼けの赤いツラ下げた酔っ払いがわんさか集って、
繭子「これじゃ…(どの面(ツラ)を追えばいいんだか分からない)」ふぅ…と溜息を漏らした。
まずは便女を捜して合流したが、酒臭い親父たちがいっぱいで観客席に入るのを躊躇していたら「おい、繭子!こっち、こっち」と弁慶に呼び止められた。
繭子「あら、あなたは出ないの?」
弁慶「出ん!俺は縁の下の力持ち。裏方専門だ」
繭子「だたの内弁慶でしょ」
弁慶「…ふん」退け退け!ズンズンと、人ごみを割って入り、酔っ払いを蹴散らした。
繭子「こういう時だけ助かるわ、ボディーガードさん♪」
弁慶「こういう時だけ?」とガックリして、客席中央席にドッカリ座り、ギロッとにらみを利かせた。そこへ、ワァー??と歓声が沸き起こった。サブ・ロクがロープを引っ張り、ステージの幕を引き上げ開幕させていたのだ。ステージでは、ドーンと俳優陣と太ちゃんが整列していた。実は、逃亡を企てスタッフ不在でサブ・ロクが小道具雑務を兼任していたのだ。


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