ひつじ草の挑戦状

色んな思いを綴ってます。

散華の如く~市と寧々と、母役と~

2012-12-25 | 散華の如く~天下出世の蝶~
帰蝶「姫にも、話の相手が要ろう」
私は、寧々と市を引き合わせた。
九つの姫と寧々、いかに遊ぶか?
時を仲良う過ごしてくれようか?
微笑ましく見ていた。
しかし、まさか、
この寧々と、市の娘子お茶々が、
あのサルを間に対峙しようなど、
この時、露にとも思わなかった。
こい「寧々、ようございましたね」姫と遊び、御一緒させてもらい、
母は子、寧々に声を掛け、愛でる。
寧々「はい、ありがとうございまする」
寧々は小さなお手々を揃え、私にご挨拶。
寧々はよう躾けられた姫で、私も褒めた。
それを、じ…と黙って見つめる姫がいた。
市姫「…」
母に褒められ、羨ましく思ったか、
私は姫の心を察し、その手を握り、
帰蝶「友が出来て、良かったな」と言うと、
市姫「友ではない、侍女である」と言った。
それは、寧々の耳にも入ったであろうが、
聞こえないフリ、癇癪持ちを遊びに誘う。
母譲り、穏やかな中に忍耐の強さが潜む。
寧々「お市様。次、お人形遊び(おままごと)、致しましょう」
市姫「…母が、良い」
母役を譲らぬ姫。寧々は黙って従っていた。
帰蝶「寧々も、母をやりたかろう」
役を譲るよう言うと、市は不貞腐れた。それを見て、
寧々「あの、私…どんな役でも、構いませぬ」母役を遠慮する寧々。
それで良いのか?