市姫「えぇ!」
まぁ、目を爛々とさせて、可愛いモノだ。
女の、その化粧に憧れる年齢でもあるし、
帰蝶「お正月、粧(めか)し込んでみるか」
爛々とした、その瞳を覗き込み、
きれいにしたかろ?と尋ねたら、
市姫「おめかし、するする」
案の定。おませが誘いに乗って来た。
帰蝶「さて、御召し物は如何なさいますか?新調なさいますか?」
市姫「気に入ったモノがあって、それを着たい」
帰蝶「仰せのままに…」
キャッキャ、キャッキャと黄色い声を上げ、
腕をバサバサ上下させて嬉しさを表現した。
「まぁ、そんなはしゃいで。まるで、不如帰(ホトトギス)…」
可愛いモノよ、まんまと罠に引っ掛かり、
チョッチョチョチョ…
我が意にまま、高らかに鳴いてみせたわ。
「美しく成るは幸燿、剣も同じ」
市姫「これも?」
え?と懐剣を思い出したように見ていた。
帰蝶「左様。全てのモノに魂有り。目に見えずとも、そこに見えぬモノが在る」
色即是空、空即是色、
「それぞれが美しく、そう或るべきにして、この世に存在する」
市姫「ふぅ…ん?」ぽやとした顔が、また可愛い。しかし、ちと難しかったようで、
濃紺瑠璃に装飾された白の螺鈿を不思議そうに見つめていた
帰蝶「瑠璃の光も磨きから…と申します。そのモノ、如何したいか耳を傾け成され」
市姫「うぅ…ん?」
耳の裏に手を当てて、声無き声を懸命に聞こう聴こうしていた。
帰蝶「そのモノの声が、心に響きましょう」
静寂の中に響く声、剣の声が聞こえるはず…。
まぁ、目を爛々とさせて、可愛いモノだ。
女の、その化粧に憧れる年齢でもあるし、
帰蝶「お正月、粧(めか)し込んでみるか」
爛々とした、その瞳を覗き込み、
きれいにしたかろ?と尋ねたら、
市姫「おめかし、するする」
案の定。おませが誘いに乗って来た。
帰蝶「さて、御召し物は如何なさいますか?新調なさいますか?」
市姫「気に入ったモノがあって、それを着たい」
帰蝶「仰せのままに…」
キャッキャ、キャッキャと黄色い声を上げ、
腕をバサバサ上下させて嬉しさを表現した。
「まぁ、そんなはしゃいで。まるで、不如帰(ホトトギス)…」
可愛いモノよ、まんまと罠に引っ掛かり、
チョッチョチョチョ…
我が意にまま、高らかに鳴いてみせたわ。
「美しく成るは幸燿、剣も同じ」
市姫「これも?」
え?と懐剣を思い出したように見ていた。
帰蝶「左様。全てのモノに魂有り。目に見えずとも、そこに見えぬモノが在る」
色即是空、空即是色、
「それぞれが美しく、そう或るべきにして、この世に存在する」
市姫「ふぅ…ん?」ぽやとした顔が、また可愛い。しかし、ちと難しかったようで、
濃紺瑠璃に装飾された白の螺鈿を不思議そうに見つめていた
帰蝶「瑠璃の光も磨きから…と申します。そのモノ、如何したいか耳を傾け成され」
市姫「うぅ…ん?」
耳の裏に手を当てて、声無き声を懸命に聞こう聴こうしていた。
帰蝶「そのモノの声が、心に響きましょう」
静寂の中に響く声、剣の声が聞こえるはず…。