生駒「私が行って…」
帰蝶「そなたが行って、彼女に何を申すつもりか?」
生駒「え?」
帰蝶「よしよし優しく宥め賺(すか)し、お姫様に戻って頂く気か?」
生駒「…しかし、このままでは、」
帰蝶「私が行く。そなたは、水引を結っておれ」
一つ、紐を結って見せて
生駒「…あの、濃姫様、…は、」
あわじ結びから梅の花を結って、生駒に渡した。
帰蝶「戻るまでに、沢山の梅を咲かせよ」
タン、襖を静かに締めて、
パン、身重に一つ鞭打ち、義妹を探しに向かった。
やれやれ厄介な性格になってしまったものだ…と、
大きく深呼吸、ついで、ふぅ…、ため息を付いた。
吐き出した吐息と後悔の念は、濃く深く白かった。
さてさて、隠れんぼ。はてはて何年振りであろう?
“兄上たちには、絶対、捕まりませぬ”
美濃のお城を舞台に兄と従兄弟で、大掛かりで壮大な隠れんぼ。
なかなか見つけてくれない鬼さん、底冷えする寒さで、
もじ…、厠(トイレ)が近くなった。
袿(上衣)を、バサッ、脱ぎ捨てて、
用を足そうとするが、
市姫「う…ん、う、」冬の衣は重く、たくし上げるのが大変。
帰蝶「手伝おう」
市姫「…う、ん」こればかりは子供、素直に応じていた。
彼女の衣をたくし上げて、用を足すのを手伝った。
帰蝶「はい」手水で手を洗わせて、手を拭くその間に、さ…と彼女に袿を着せた。
彼女の袿は、絹の光沢が艶やかで、美しい真紅に雪輪と銀蝶があしらわれていた。
美しきそれを逃がさぬ様、
“捕まえた”
帰蝶「そなたが行って、彼女に何を申すつもりか?」
生駒「え?」
帰蝶「よしよし優しく宥め賺(すか)し、お姫様に戻って頂く気か?」
生駒「…しかし、このままでは、」
帰蝶「私が行く。そなたは、水引を結っておれ」
一つ、紐を結って見せて
生駒「…あの、濃姫様、…は、」
あわじ結びから梅の花を結って、生駒に渡した。
帰蝶「戻るまでに、沢山の梅を咲かせよ」
タン、襖を静かに締めて、
パン、身重に一つ鞭打ち、義妹を探しに向かった。
やれやれ厄介な性格になってしまったものだ…と、
大きく深呼吸、ついで、ふぅ…、ため息を付いた。
吐き出した吐息と後悔の念は、濃く深く白かった。
さてさて、隠れんぼ。はてはて何年振りであろう?
“兄上たちには、絶対、捕まりませぬ”
美濃のお城を舞台に兄と従兄弟で、大掛かりで壮大な隠れんぼ。
なかなか見つけてくれない鬼さん、底冷えする寒さで、
もじ…、厠(トイレ)が近くなった。
袿(上衣)を、バサッ、脱ぎ捨てて、
用を足そうとするが、
市姫「う…ん、う、」冬の衣は重く、たくし上げるのが大変。
帰蝶「手伝おう」
市姫「…う、ん」こればかりは子供、素直に応じていた。
彼女の衣をたくし上げて、用を足すのを手伝った。
帰蝶「はい」手水で手を洗わせて、手を拭くその間に、さ…と彼女に袿を着せた。
彼女の袿は、絹の光沢が艶やかで、美しい真紅に雪輪と銀蝶があしらわれていた。
美しきそれを逃がさぬ様、
“捕まえた”