奇跡への絆

図師ひろき

フォレストベンチ

2008年09月12日 20時11分43秒 | Weblog

 今年は幸いなことに、今のところ台風災害がありません。
 でも13号が近づいて来ていますね。
 皆さんで念じましょう・・・
 “来るな~、来るな~”
 
 そんなバカなことを言ってないで、本論に入りましょう。
 台風災害は、家屋の破壊、農作物の被害、河川の氾濫、急斜面の崩壊、ライフラインの寸断などなど甚大な影響を及ぼします。
 中山間地では、山崩れ、崖崩れで道路がふさがり孤立してしまうことも珍しくはありません。
 事実、私が住んでいる木城町川原も崖崩れにより、道が通れなくなることがよくありました。
 中学校のときは、10km離れた学校まで自転車通学でしたが、台風で崖が崩れると、30kmほど遠回りしての通学を余儀なくされていたため、胸を張って遅刻していったものです。
 成人してからも街まで飲みに行った帰り、崖崩れで道がふさがりタクシーが通れず(台風が来るときに飲みに出るのが間違いなのですが・・・)、迂回してもらうのも、もったいなかったので、そこでタクシーを降り、道路に覆いかぶさる土砂の上を恐る恐る歩いて帰ったこともありました。
 今考えると怖いことをしていたと、つくづく思います。酔った勢いでしょうね・・・

 余談はさて置き、本論に入りましょう。
 急斜面補強は、コンクリートを吹き付ける工法が一般的ですが、崩落災害が
台風等の度に取り上げられています。また景観的にもコンクリートが自然に調和しているとは言い難いでしょう。
 
 そこで注目されているのが“フォレストベンチ工法”です。
 フォレストベンチ工法とは、自然と共生して斜面を災害から守り、斜面の価値を平地並みに高める土木技術です。地形や地質を選ばず、高地から水中に至るまで、分け隔てなく適用できるので、強雨・地震に動じない強靭な国土造りを可能にするとのことです。

 、地震等に対して、脆く粘りの無いコンクリートに代って、軽量で透水性に富む鋼構造で衝撃を緩和できるのは大きな利点です。台風等の大雨を受け容れ、斜面崩壊の根絶と雨の穏やかな循環に活かされます。

  雨水は全てを階段状の水平面で受け止め、地下へ送り込み清浄な淡水へと変えて行きます。
 国土の7割を傾斜地が占める我国で、これまで危険として遠ざけられてきた斜面を対象に安全を高め、そこで森を育てることは、災害の無い暮らしと循環型社会を目指す上で合理的かつ具体的な取り組みと言えます。

 この工法を活用し、海岸侵食対策に活かせないものかと、フォレストベンチ研究会の方々と意見交換をさせていただきました。

 まだ研究段階ではありますが、海岸侵食にも有益性が検証できれば、ヘッドランド工法と平行して、住吉海岸への導入を促していきたいと思います。