奇跡への絆

図師ひろき

2007年12月30日 20時28分46秒 | Weblog
 じいちゃんが老人ホームから帰ってきました。
 正月を家で過ごすための一時帰宅です。
 寝たきりになって6年。はじめは自宅で介護をしていたのですが、ばあちゃんが脳梗塞で倒れ後遺症が残り、二人の介護は困難となり、やむなくじいちゃんを施設にお願いしています。

 昨日、家の敷地内の離れで頑固に一人暮らしをしているばあちゃんが、ひょこひょこ歩いてきて
「ひろき、散髪に連れて行ってくれんか~。」
とボソボソ・・・
「いいけんど、そんげのびちょらんわ。」
「髪を染めたいとよ。」
「いっつもしらがじゃがねぇ。」
「明日、じいちゃんが帰ってくっとよ。」

 納得!
 ばあちゃんは“女”でした。
 じいちゃんとは10歳年の差がある84歳。
 日頃はおしゃれの“お”の字も見えないのに、じいちゃんの前では“おんな”でいたいんだ・・・
 あらためて夫婦の絆を垣間見ました。

「白髪には紫色が良く染まるみたいよ。紫にしたら!じいちゃん喜ぶかもよ!」
「ちんどんやみたにはならんよ。」
以上。

 じいちゃんが帰ってきて、日頃から髪を染めてしゃんとしているかのように澄ましているばあちゃんが、可愛らしく見えました。