『アエネイスミッション』[Aeneas Mission ]

建国の使命を抱くアエネイスのフアストミッションは自軍団自民族引き連れて炎上壊滅するトロイからの脱出である。

『トロイからの落人』  FUGITIVES FROM TROY   第7章  築砦  543

2015-06-10 08:08:01 | 使命は建国。見える未来、消える恐怖。
 『お~お、ギアス、昨日は、大変にご苦労であった。礼を言うぞ。ヘルメスも活躍してくれた、いたわってやってくれ』
 『はい、判りました。ありがとうございます』
 二人は微笑んでその場を立ち去る。声が飛んでいる喧噪の場に歩を運び込んだ。パリヌルス、オキテス、ドックスの三人が陣頭に立って指示を出している。イリオネスが声をかけた。
 『おう、ご苦労!進捗の具合はどうだ?』
 オキテスが答える。
 『今、着手しているのは、第一段階ですが、うまく事が運んでいます』
 『そうか、重畳といったところか。今日、昼めしを終えたら打ち合わせをやる。統領の宿舎に集合だ。いいな』
 『判りました』
 『ではな!』
 二人は場の光景を視て、ギアスのいるヘルメスの場へと戻った。
 『おう、ギアス、俺らを小島へ運んでくれないか』
 『判りました。ニケで行きます。こちらへ』
 従卒をも含めて四人を乗せて小島へと向かった。
 アレテスが一行を迎える。アヱネアスが声をかける。
 『おう、アレテス、ご苦労。その後、漁の具合はどうだ?』
 『はい!いい具合に推移しています。これといった懸念はありません』
 『そうか、重畳と言っていい具合か』
 イリオネスが言葉を継いだ。
 『アレテス、詳しい状況を聞きたい。今日、昼めしを終えたら打ち合わせをやる。出席してくれ』
 『判りました』
 『打ち合わせは、統領の宿舎でやる。以上だ。ちょっとだが、漁関係の現場を見たい、案内を頼む』
 『はい、了解しました』
 アレテスは先頭に立って、一行を案内した。巡察を終えた一行は浜へと戻った。
 『軍団長、聴くが、今日、オロンテスは、キドニアの集散所に出向いているのか?』
 『いえ、オロンテス隊長は、工房にいるはずです。昨日、今日の事を伝えていますので、キドニアへは、セレストスが出向いています』
 『パンの工房を覗いてみよう』
 一行は、パンの工房へと歩を運んだ。
 『おう、オロンテス、先日はありがとう。山行に焼いてくれたパン、うまかったぞ!気を使わせたな、日持ちの事を考えて焼きの配慮をしてくれたことに、大いに感謝している。ありがとう』
 『いえ、どういたしましてというところです。あれは当然の配慮です。気になさらないでください』
 『俺は、これこそ、『絆』であり、脈の通い合う結びつきであると、感激している。ありがとう、礼を言う』
 『統領、こちらこそ、その様に言っていただけるとは、感激です』