アエネアスは、パリヌルスと並走していた。歩調がおそくなった頃合をみて、パリヌルスは、アエネアスに報告した。
『統領。準備、手配、全て完了しています。出航を待つばかりです。』
『判った。ありがとう。礼を言うぞ。パリヌルス。』
アエネアスは、イリオネスに出航の準備の整っていることを伝えた。係留地を見てからの彼らの歩調は、軽やかになっていた。しかし、アエネアスの心の叫びは、
『急ぐのだ、アエネアス。いっときも休んではならん。先を急げ!お前の心の休まるときは、もっと先のことだ。とにかく急げ!』 と急きたてた。
軍団は、アイバシクの川原から、休まずに駆けている。50キロ余りを駆け通して、軍船係留の入り江の見える地点に来たのである。軍団の兵たちの面々に喜色が見える。一方では、隊長が彼らを叱咤した。
『気をゆるめるでない。しっかり、前を見て駆けろ!』
『統領。準備、手配、全て完了しています。出航を待つばかりです。』
『判った。ありがとう。礼を言うぞ。パリヌルス。』
アエネアスは、イリオネスに出航の準備の整っていることを伝えた。係留地を見てからの彼らの歩調は、軽やかになっていた。しかし、アエネアスの心の叫びは、
『急ぐのだ、アエネアス。いっときも休んではならん。先を急げ!お前の心の休まるときは、もっと先のことだ。とにかく急げ!』 と急きたてた。
軍団は、アイバシクの川原から、休まずに駆けている。50キロ余りを駆け通して、軍船係留の入り江の見える地点に来たのである。軍団の兵たちの面々に喜色が見える。一方では、隊長が彼らを叱咤した。
『気をゆるめるでない。しっかり、前を見て駆けろ!』