そうなんだ。

外国語で知ったこと。

忝(かたじけな)し   古語

2015-11-12 16:15:48 | 旅行
『一生に一度は伊勢詣(いせもうで)』 と言われた伊勢神宮に
高校時代の友人仲間4人で行ってきました。

10月の間、このブログを休んでいたのは
他に『伊勢神宮参拝・勉強会』のブログを立ち上げて
友人の皆さんと勉強していたからです。
興味のある方はご覧になって下さい。
『古事記1』から順番に時代が流れていきます。

四半世紀超えの、少女時代の仲間で行く旅だったので
肉体はミドルでも、心は高校生に若返っていました。
一緒に移動したり泊まったりすることだけでも
楽しくて興奮していたのですが、その辺りの傍目には滑稽であろう 
“はしゃぎぶり” 
は省略して、おごそかなる伊勢神宮参拝に焦点を当てて綴りたいと思います。

『早朝参拝』

私達の泊まった “神宮会館” では、 職員の方が
朝6時半から1時間半をかけて伊勢神宮内宮内を案内してくれる
『早朝参拝』 のサービスがあります。
もちろん、これが目当てで、この宿を何カ月も前から予約しました。

前夜降った雨で、しっとりと靄(もや)がかった神宮の森を歩きながら
860年前に、伊勢神宮を訪れた西行が詠んだ歌を口ずさみました。

 何事の おわしますをば 知らねども かたじけなさに 涙こぼるる

西行は平安時代末期~鎌倉時代初めの僧侶であり、歌人です。

歌を暗誦しながら、感動で後半は声が震えてしまいました。
まさに “かたじけない” という言葉どおりの心境になったのです。
友人のみち子さんも同じことを感じたようで、二人で 
「かたじけない。 かたじけない。」
と、涙ぐむ寸前でした。

現在でも意味の通じる単語ですが、西行の時代を考えて古語辞典を引きます。

「忝し」(かたじけなし)・・・身に過ぎた恩恵を受けて、感謝する気持ちを表す。

そうそう・・・、その通りです。
静かな森の中を歩きながら、まさにそんな心持ちでした。
体の中に、清らかさが浸透して浄化されていく感じです。
これが巷で言われている “パワー” なのでしょうか。

神宮会館の職員の方の説明にありました。

職 「ガイドブック等に中央は神様が歩くので、端を歩くようにと
   書かれていますが、そんな必要はないと神官の方に確認してあります。
   どうぞ真ん中を歩いて下さい」

そうであれば、と私ごときが中央を歩かせて頂きました。 
有難く・もったいなく・かたじけないことでございます。



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百代(はくたい)  古語

2015-11-06 19:40:47 | 語学
我が家のリビングに飾ってある 『古典と風景のカレンダー 2015』
11月の写真は、灰色でどんよりした空と寒々しい山裾の風景。
そこに添えられる文章は、松尾芭蕉『奥の細道』の序文

“月日は百代の過客にして、行きかふ年もまた旅人なり”

「百代」(はくたい)・・・長い年月
「過客」(かかく)・・・行き来する人・旅人

写真の下の方に
小さな字で文章の解説が書かれています。

“月日というのは、永遠に旅を続ける旅人のようなものであり
 来ては去り去っては来る年も、また旅人のようなものである”

ここで言う“月日”は “月” と “太陽” なのでしょうか。
江戸時代・5代将軍・徳川綱吉の世ですから
昇っては沈む太陽・満ち欠けする月、をそんな風に感じるかもしれません。
そう考えると “年もまた” が、しつこくなくなります。

紀行文の続きを読みたくなる、素晴らしい書き出しです。

ところで、
私は万葉集等の和歌は好きでしたが、俳句・短歌等には興味ありませんでした。
しかし、2015年後半は松尾芭蕉の俳句に度々心を動かされています。

夏に、岩手県・平泉を訪ねた際

 夏草や 兵どもが 夢の跡

その景色を眺めながら、芭蕉碑を目にしたのが始まりで
その後回った松島でも芭蕉の足跡を感じました。

先月、
ご朱印目当てで参拝した、東京・南千住にある“スサノオ神社”では
「奥の細道」奥州へ出発するにあたって読んだ句碑を見つけました。

 行く春や 鳥啼(なき) 魚の目は泪(なみだ)

明後日に参拝予定の伊勢神宮でも、芭蕉が俳句を詠んでいます。

 何の木と 花とは知らず にほひかな

そして、先ほど気が付いた今月のカレンダーです。

振り返ると、今年の私は
若かりし頃と同様に、たくさん旅行をしています。
京都、長野、平泉。 そして念願だった伊勢に向かいます。
そんな私に、300年の時を超えて
芭蕉先生が声をかけてくれたのかもしれません。

芭蕉 「私の紀行文と俳句を読んでごらん。 参考になるよ」




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なまず   英語

2015-11-03 11:42:39 | 語学
米軍ラジオ放送AFNの番組で、日本人女性ヒサノ・ヤマザキさんと
アメリカ人DJによる 『 Cultural Exchange 』“文化交流”のコーナー。

動物を使った日本独特の表現をヤマザキさんが説明していました。
例えば
“猫の額” や “借りてきた猫”
もちろんアメリカ人DJは初耳だったようです。

そんなこんなのトーク中、DJがひとつ質問をしました。
ずっと、気になっていたようです。

DJ 『地震災害時の緊急交通路の標識(都内)に “キャットフィッシュ” の
   絵が描かれているのは、何故?』

・・・キャットフィッシュ?

これに対してヤマザキさんは笑いながら、古くから日本に伝わる
『地震とキャットフィッシュ』 の関係について説明します。

私はその道路標識をすぐに思い出せなかったので
話しの流れで、 初耳だった英単語 ”キャットフィッシュ” が
何なのか、ようやく予想がつきました。

「catfish」(キャットフィッシュ)・・・なまず

“なまずが暴れると地震が起こる”

鹿島神宮では、なまず封じの石があるそうです。
この石でなまずの頭を押さえていると信じられてきました。
寺社仏閣のご朱印を集めている私としては、訪れたい神社のひとつです。

これだけ科学が発達した現代においては
なまずが暴れるから地面が揺れるのではなく
地震を予知したなまずが動揺(?)するのだろうと、推測できます。

体型も顔も呼び名もイマイチのなまずが、英語では可愛らしく 
“キャットフィッシュ”。 
日本語に直訳すると、“猫魚” で、それほど可愛くないですが・・・・。

私達には全くピンと来ませんけれど、どうやら “なまずのヒゲ” と
“ネコのヒゲ” がイメージ上で重なったからだと言われています。

かなり無理矢理のような気がしますが
国が違うと見え方も違うのでしょう。




~ 御挨拶 ~

一ヶ月半の御無沙汰でした。
また、こちらのブログでお世話になります。
今後は月・水・金にとらわれずに、アップしていきたいと思います。
間があくこともありますが、今後もよろしくお願いします(^v^)。




コメント (4)
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