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Untersee-Boot

あるいは感想記として

桜 その2

2016年04月12日 | あれこれ
桜はすでに散ってしまいましたが、名残りを惜しみつつこんな写真を。

           


ところで。
少し前にツイッター公開用のブログを開設し、現代狂言の感想やレポをUPし始めました。
fc2ブログ「レポ&感想記」http://hinode02.blog.fc2.com/
感想記の内容は、このブログで書いたこととほぼ同じですが、ちょこちょこ加筆訂正していますので、間違い探し感覚でご覧いただければ幸いです(笑)。
それから、各公演のレポは、ブラッシュアップした内容や演出の違いなど、ネタバレありなことを新たに付け加えて書いていく予定ですので、併せてご覧くださいませ。



2016年04月01日 | 現代狂言Ⅹ
           

現代狂言Ⅹ(総括編)の感想を書こうと思い、あーでもないこーでもないと考えていたら(笑)、エネルギー解散のニュースが飛び込んできてビックリ。
あまりにもビックリしたので、現代狂言の感想ともどもちょっと棚上げにすることにしました(笑)。
現代狂言Ⅹの感想は、(ダンス&ミュージック編)まででほぼ書ききった感がありますので、総括はそれほど急いで書く必要もないかな~とも思ったり。
いろいろ反芻したり思い出したりしながら、ぼちぼち書いていけたらと思っています。



現代狂言Ⅹ その3 新作「不思議なフシギな鳥獣茶会」(ダンス&ミュージック編)

2016年03月30日 | 現代狂言Ⅹ
新作で印象に残る場面はいろいろありましたが、鳥獣戯画のマイムからラストにかけての流れは、観ていて自然と引き込まれてしまいました。

           
(飛び出す鳥獣戯画。東急ハンズで買った鳥獣戯画シールを紙に貼って飛び出させてみました(笑)。背景は四国土産の内子座100周年記念切手シート)


まず、「それ何ギガバイトですか?」の鳥獣戯画の場面(笑)。
弓を射ったり、相撲を取ったり、鳥獣戯画の世界をマイムだけで見事に表現していて、ホントに巻物の中から飛び出してきたんじゃ?という感じでした。
文字などは書かれていない鳥獣戯画ですから、無言のマイムだけで表現するというのはぴったり。
そして、喋るとその世界観が壊れて人間だとばれてしまう、というのも、観ていて納得&感心の演出でした。
もちろん笑いもありましたし、「三本のヤー!」は鉄板で客席から笑い(笑)。
自然と頬が緩んでしまう、鳥獣戯画の世界でした。

相撲に勝って思わず声を出し、かえるたちに追いかけられる太郎と太郎さん。
月うさぎ 天より垂れる雨しずく
わが子も夢で ともに釣るなり
と、和歌を詠んでかえるたちを和ませたあとは、「ゲロゲーロ(宴の始まりじゃ)」(笑)。
三浦さんの♪茶会じゃ茶会じゃさぁ踊れ♪の声に合わせ、出演者全員でダンス。
この場面。
最初は、社交ダンス組と田楽組が互いに向かい合い、対決するように踊っていましたが、次第に打ち解け交じりあい、最後は皆で輪になって踊る。
これ、西洋と東洋(日本)、あるいは異なる文化の人たちも互いに理解しあい皆で仲良く・・・なんて言葉にすると、ものすご~く薄っぺらな感じになってしまいますし、口で言うのは簡単だけど現実は・・なんてことも言いたくなりますが、ああやって音楽とダンスで見せられると、とても説得力があり自然と共感してしまいます。
このあとの、最後の最後の南原さんのマイムもそうですが、面白い場面や伝えたいメッセージなどを、言葉ではなく音楽やダンス、マイムで表現する。
そして、それがちゃんと伝わってくるというのが素晴らしく、笑ったり涙したりしながらも大感心で観てしまいました。

それから、あの皆でのダンスの場面は、バイブス上がる(ヒルナン見ておぼえた・笑)といいますか、一気に会場も盛り上がる爽快な場面でした。
中でも、稲葉さんのフルートの♪運命♪のメロディーは、家に帰っても耳から離れず困りました(笑)。
今回、特徴のある言葉や音楽がいろいろありましたが、頭の中のリフレイン率がいちばん高かったのは、このダンスの場面の♪運命♪だった気がします(笑)。
そして、この皆のダンスのあとに続く、南原さんと万蔵さんの二人の場面と、南原さんの最後のマイム。
動から静へと一転して変わり、祭のあとの寂しさの雰囲気も重なり、二人の会話がより心に沁みて、毎回涙涙になってしまいました(笑)。


それから・・・。
話が前後してしまいますが、今回、いちばん衝撃を受けたのは、何といっても♪メ~モリ~♪(笑)。
現代狂言一休みの大衝撃がなかったら、この話をいの一番にしていたところでした。いや、ホントに(笑)。
南原さんが何かを歌う、という情報は初観劇の前に少し耳に入っていたのですが、まさか♪メモリ~♪だったとは!?
松島で最初に聴いたときは、笑いながら思わずヅッこけてしまいました(笑)。
「できませんよ、自分の心を歌うなんて」という振りがあっての♪メ~モリ~♪ですから、これはもう笑わずにはいられません(笑)。
それにしても・・・何で♪メモリー♪だったのでしょう?
集大成ということで、学生時代三平食堂で内村さんに「俺、ブロードウェイに行くよ」と熱く語っていた自分の原点を思い出したのか(笑)、あるいは「キャッツ」世代だからということだけかもしれませんが、兎にも角にも、♪メ~モリ~僕の人生は~♪は、何度聞いても大笑いしてしまいました。
あと、この歌詞からは、南原さんの心情もうかがい知ることが出来て興味深くもありました。
♪成績や数字に追われて~♪という歌詞などは、まさに視聴率に日々追われる南原さんという感じ(笑)。
ただ、南原さんはラインやフェイスブックはやっていないと思いますし、現太郎のように日常に疲れているということもないでしょうから(笑)、心情の一部を表した歌詞ということなのでしょう。


あとは。
「僕は癒しを求めて・・」「計画が無茶苦茶だ」「僕は一人だ、僕は孤独なんだ」と、泣き言ばかりの現太郎。
これに対して、
王様は、「毎日何かに追われていると思い込み・・」とそっけない言葉。
なんてこった肩凝ったのジョニ男女王は、「何かに追われるのは当たり前」♪現代人はいつも何かに追われる運命~♪と、こちらもあっさり。
そして、コンプライアンス部長も、「それがお前の運命だから」♪現代人の運命~♪
「追われている」ではなく「・・と思い込み」と、すげなく言い放つとこなども良かったですし、愚痴を言う太郎をバッサバッサと切り捨てていく感じが、観ていてとても気持ちよく感じてしまいました(私自身耳に痛いこともあったのですが・笑)。
で、日常に追われる現太郎に対し、太郎さんは、「なかなかで良しとせよ」「あきらめるのじゃ」と、こちらもあっさり(笑)。
こういう台詞をさらりと言わせちゃう南原さんは良いな~と、改めて感心。
深刻ぶった顔をするのではなく、軽~く受け流す。それでいて、すべてを受け入れていくという覚悟。
「ひとつ手放せば、ひとつ手に入る」というのもそうですが、こういう芯の強さこそが、南原さんらしさであり、南原さんの魅力なんだと思いました。



あと、印象に残った場面を挙げると、
「いにしえも行く末も隣り合わせ」「それを知らぬは人間ばかり」の洞穴の中。
懐中電灯を手に持った南原さんと、扇の燭台を持った万蔵さん。
同じような動きをして最後手を合わせて出会う・・と思わせて直前でお預け(笑)。
ちょっとずれたシンクロ具合と、最後の「あぁもう少しだったのにぃ」という感じが良かったです(笑)。

太郎と太郎さん、実は・・という場面。
「もしかして僕たちは・・・」
「そのようじゃの」
(ドーン)
「ホー」
大事なことを全部言わないところ、そして、和田さんのパーカッションと三浦さんのフクロウの声の絶妙な間に、思わず感心してしまいました。

他にも、洞穴の中で釣りをする場面や、万蔵さんの「へっ」という酔っぱらった顔と返事(笑)、南原さんのしっぽにアリスにうさ耳などなど(笑)、印象に残ったことはたくさんあるのですが、キリがなくなりそうなのでこのへんで。

あ、それから、トランプたちの「モードありがとう」のギャグの場面(笑)が、ほとんどブラッシュアップしなかったのは、ちょっと残念。
千秋楽で新たなコントが加わっていましたが、それ以外はあまり変化なし。
ラップも絡めてのギャグの場面だったので、途中でいろいろ手を加えるのは難しかったのかもしれません。


それから、最後になってしまいましたが、現代狂言に欠かせない、楽士のお二人について。
毎公演、新作前の演奏で客席はいい雰囲気に。
そして、舞台が始まると、三浦さんの「ホー」という鳴き声と和田さん奏でる風の音で、一気に不思議なフシギな世界へ導かれいきました。
和田さんは、鍾乳石から滴の垂れる音や、ドラム演奏。
稲葉さんも、笙、横笛、フルートの♪運命♪そしてノコギリで「ポヨ~ン」(笑)。
出演者の演技と、楽士の方の素晴らしい演奏、この二つが融合したからこそ、現代狂言の舞台上には素晴らしいイマジネーションの世界が広がったのだな~と、今回も大感心でした。
あ、それから、カーテンコールは、いつもお二人の演奏のおかげで大盛り上がり(笑)。
3/5夜の国立能楽堂のカーテンコールで、南原さんが「(お客さんは)音楽にのせられ上手」と言ってましたが(笑)、確かに、カーテンコールのあのお馴染みの演奏が始まると、毎回手が痛くなるまで手拍子と拍手をしてしまいます(笑)。
改めて、稲葉さんと和田さん、いつもいつも素晴らしい演奏をありがとうございます、です。



今回は、なかなか感想がまとまらなかったので、思いつくままに書いてしまいました。
話があっちこっちに飛んでわかりずらい部分もあるかと思いますが、悪しからずご了承ください。
まだまだ、書き残したことがあるような気もしますが・・思い返すと、いまだに頬が緩み、目頭を押さえてしまう(笑)、思い出に残る作品。
南原さんの想いの詰まった舞台。
集大成にふさわしい、「不思議なフシギな鳥獣茶会」でした。



その4(総括編)につづく・・・。
(まだ書くのか?・笑)



現代狂言Ⅹ その2 新作「不思議なフシギな鳥獣茶会」

2016年03月28日 | 現代狂言Ⅹ
20分の休憩をはさみ。
新作「不思議なフシギな鳥獣茶会」

              

              

現(うつつ)太郎が南原さん、太郎冠者が万蔵さん。
和ウサギが弘道お兄さん、時計ウサギが森君。
ハートの王様がセインさん(四国公演は野村万禄さん)、ハートの女王がジョニ男さん、主人とコンプライアンス部長が平子君、次郎冠者とカエルが大野君、ハートのJとカエルが石本君、ハートの6とカエルが石井ちゃん、ウサギが河野さん、そして、フクロウの精が三浦さん。

あらすじは。
酒好きでその日ぐらしの太郎冠者、日常に疲れた現太郎。中世と現代で暮らす二人が洞穴の中で出会い、不思議な体験をする。そして・・・。



現代狂言10年目の新作「不思議なフシギな鳥獣茶会」は、これまでの集大成というのにふさわしい作品。
そして、南原さんの思いが詰まった脚本でもありました。

「ひとつ手放せば、ひとつ手に入る」
今回、とても印象に残った言葉の一つですが、「あきらめる」ということへの南原さんの考え方をとてもよく表している言葉だと思いました。
ないものねだりをするのではなく、開き直るのでもなく、色々なことを受け入れて前に進んでいくという覚悟、そんな想いがこの言葉に集約されれている・・・。
これは、これまでの作品「ことだま交差点」や「HUG」の「あきらめた僕たち」などにも共通して出てくるテーマで、作品が変わっても変わることのない、南原さんの真摯な生き方の元になる考えなんだと感じました。
そして、「繋がる」という言葉をキーワードに、親と子、西洋と東洋、過去と未来など色々な人や場面が登場し、繋がっていく。
まさか、古典の「千切木」とも繋がっていようとは!?
お釈迦様でも気がつくまい、という感じでしたが(笑)、いや、本当に、あまりにも見事な構成で、「草履の紋を・・」という万蔵さんの台詞を聞きながら、思わずうなってしまいました(笑)。
まさに、「すべてが繋がっているんですね」(笑)。
もともと現代狂言は、「狂言とコントが結婚したら?」ということをテーマに始まった舞台ですから、「繋がる」というのは現代狂言の原点でもあるわけで。
そう考えると、この「繋がる」ということを今回の作品の大きなテーマに持ってきたのは、必然だったのかもしれません。

集大成として、これまでも採り上げてきたきたテーマなども色々と散ればめられていましたが、もちろん新たな挑戦も。
歌やダンス、あるいはミュージカル。
常に新たなことを取り入れていこうという思いが今回も感じられ、うれしくなりました。

南原さんの思いが伝わるテーマ、それを伝えるための演出。
今回の新作を、松島で初めて観たときは「良かったな~」「南原さんらしいな~」「集大成だな~」と漠然と思っていたのですが・・・。
国立能楽堂の公演前、パンフレットの万蔵さんの挨拶文を読んで、その漠然とした印象がガラリと変わってしまいました。

              

現代狂言は今回で「一休み」。
ある程度予想していたとはいえ、この一文を読んだ時は大ショックでした。
そして、現代狂言は今回で一区切りなのだと思って観ると、台詞や所作などが改めて心に沁みてきてしまいました。
特に最後の場面。
皆で踊りを終え、二人きりになる南原さんと万蔵さん。
「すべては繋がっているんですね」
「和楽の心、狂言を忘れるでないぞ」
「いろいろ、世話になったの」
「こちらこそ」
「ひとまずは、さらばでござる」
去ってゆく太郎さんに深々と礼をする太郎
これは、太郎と太郎さんの芝居の上での台詞ではありますが、南原さんと万蔵さん自身の会話でもあるんだ・・・。
本当に、ひとまずさらばなのか・・・そう思うと、自然と涙がこぼれてしまいました。
それだけではなく、この場面を観るたびに、今までのいろいろなことが思い出され、国立能楽堂以降に観たすべての公演で、毎回涙涙の観劇になってしまいました(笑)。
さらに、洞穴の中は、いにしえと行く末が繋がるだけではなく、虚構と現実、舞台と客席をも繋ぐ不思議なところなんだと、涙目になりながら感心。
う~む、深いな~という感じです(「あたりまえじゃろ」by太郎さん・笑)。

それから。
最後の最後の場面。
夢から覚め洞穴から出ていく南原さんは・・・。
暗闇の中を手探りで模索。
何かを見つけ手を胸に当てる、納得の笑顔。
一礼して手を胸に当てたまま橋掛かりへ、、途中から手を外し胸を張って去っていく。
これこそ、南原さん自身のこの10年間の想いなのでは・・・。
お笑い芸人として迷っていたときに狂言に出会い、自分がやるべきこと、進むべき道をみつけ、今は迷いなく歩いている。
そんな思いがあのマイムに込められていたのではないかと思い、この場面もやはり涙涙。
10年間のラストを飾るのにふさわしい、とても素晴らしくて心に残るマイムでした。
(いつもお世話になってますのサイト様の管理人様から、最後に南原さんがすり足から普通の歩き方に変わる、これは狂言の世界から芸人の世界へ戻ることを・・とご教示を受け、大納得。確かにその通りだなと思いました。そう思って観るとさらに涙(笑)。改めてありがとうございました)
この場面、あまりにも素晴らしいので、南原さんの姿を目にしっかりと焼き付けておこうと思ったのですが、毎回涙で霞んでよく観えないという、笑うに笑えない(泣いてますから・笑)ことになってしまいました(笑)。



その3へ続く・・・。



現代狂言Ⅹ その1 古典「千切木」

2016年03月26日 | 現代狂言Ⅹ
2月14日から3月19日まで、全国各地で全12公演が行われた現代狂言Ⅹ
私は、松島、東京、所沢、琴平、内子、下呂の公演へ行ってきました。
計10公演を観劇した感想を、あれこれと。

              


まずは、古典の「千切木」。
太郎が南原さん。
連歌の当屋が万蔵さん、太郎冠者が弘道お兄さん。
連歌の仲間が、平子君、ジョニ男さん、森君、石井ちゃん、大野君、三浦さん。
太郎の妻が石本君

あらすじは。
連歌をするために集まった仲間たち。
嫌われ者の太郎には声をかけずにやってきたが、どこで聞きつけたか太郎が乗り込んでくる。
帰れと言われた太郎が帰らずにいると、皆に踏まれてしまう。
それを知った太郎の妻がやってきて、皆のところへ仕返しに行けとけしかけるが・・・。


古典で「千切木」をやるという話を聞いたときに、どんな内容なのか事前にちょっと調べてみたのですが、太郎は南原さんにピッタリだな・・と思っていたら、案の定その通りの配役でした(この役は南原さんか万蔵さんしかいないと思いますが・笑)。
で、その太郎、嫌われ者・・というよりも、憎みきれないろくでなしという感じ(笑)。
掛け物が傾いている、硯箱の位置が違うと悪態をついてみたり。帰れと言われても「金言耳にさこうと言うがこのことか」と迷惑がられてることに全然気づいてなかったり。
はたまた、皆に踏まれているのに「男が踏まれてよいものか」と強がってみたり(笑)。
そして、奥さんから、果たさねば家に入れぬと言われると、「南無三宝」「これは進退窮まった」と大袈裟に嘆いてみたり(笑)。
本人に悪気がないだけに憎めない、傍から見てるぶんには面白いけど実際にかかわると面倒くさい太郎。
そんな、寅さんみたいな太郎(寅さんは皆に踏まれたりはしませんが・笑)を熱演していた南原さん。
毎回大笑いして観てしまいました。
今回は、古典鑑賞というよりも、普通のお芝居を観ているように観ることが出来ました。
(初めて観たときは、どんな話なのか台詞など聞き洩らさないように集中して観ていたので、楽しむまではいきませんでしたが)
台詞まわしや表情なども自然に感じましたので、これはやはりこれまで積み上げてきたことの賜物、技量が上がっから・・ということかな?(笑)
いや、本当に、南原さんの太郎は演じられた人物というより、生き生きとした人間だと感じました(贔屓目込みで・笑)。
それに、前述した「男が踏まれてよいものか」というときの表情などは、掛け値なしで大笑い。
四国公演など間近で南原さんの表情を観られたときなどは、面白さはさらに倍でした(笑)。
他にも、腰が引けながら踏んごむ太郎の表情や、「留守」と言われ急に強気になる太郎にも思わず笑ってしまいましたし、「ちょっとおりゃれ」と言われたときの南原さんの「何だ?」という何気ない表情なども、とても自然で良かったです。
それから、南原さんが、掛け物が傾いてると難癖をつける場面。
南原さんが客席のほうを見ながら布袋の川渡り・・云々と話していると、千秋楽で隣に座っていたチビッコが後ろを振り返ってました。
これは、イマジネーションで掛け物が客席のほうにかかってるように見えたのでは?と思い、ちょっと嬉しくなりました(笑)。

と、とても良かった南原さんでしたが・・・。
今回はいろいろとハプニングも(笑)。
わわしい奥さんから「果たして来い」と言われ、南原さんが刀を腰に差す場面。
なかなか刀を腰に差すことが出来なかったり、二度目で肩脱ぎをしないといけないのにいきなり肩脱ぎをしてしまったり、本当にいろいろありました(笑)。
松島で初めて観たときは、たまたまやっちゃったのかな?と思っていたのですが、その後の公演でも同じ場面で何度もハプニング。
この場面の「これはいかなこと」「これは迷惑なこと」という台詞を聞くたびに、今回は何ごともなくいってくれ!と、祈りながらハラハラしてしまいました(笑)。
国立能楽堂の3/4公演では、肩脱ぎした南原さんの羽織が落ちそうになり、後見の扇丞さんが出てきて直す場面も。
こんなことってあるのか!?後見はこういうときのためにいるんだな~、後見の人がいてくれて良かったと、ハラハラしながらも変なところで感心してしまいました(笑)。
今まで古典でこんなにハプニングが起こったことはなかったように思いますが、そんなことも含めて思い出に残る「千切木」でした(笑)。
あ、そういえば、金丸座の午前の部では、石本君もやってました(笑)。
「さては、たびたび踏まるるか」の台詞を飛ばし、「腹立ちや腹立ちや」と言ってた石本君。
間違えたことを自分でもわかったのか、「腹立ちや」の発声がそれまでより2トーンくらい弱かったので、客席はちょっと「あれ??」という雰囲気に。
すぐに持ち直したのでひと安心でしたが、こちらも観ていてハラハラしてしまいました。
(金丸座の午前の部は、そんなことも吹き飛ばすくらい爆笑&爆笑でした)


南原さん以外のことでは。
万蔵さんはさすがだな~と思う場面がいくつもありましたが、こちらは本職なので感想は割愛(笑)。
石本君のわわしい奥さんは、ちょっとズルイとも思いましまたが(笑)、堂に入った奥様ぶりだったと思います。
それから、皆が当屋の万蔵さんのところへ来て挨拶をする場面。
「太郎冠者来たわ」「おとおめでとうござる」「ようおいでなされました」と、次々に挨拶するところがまるで輪唱みたいで面白く、思わず笑ってしまいました。
この場面は客席からも自然と笑いが起こっていましたし、昔からこうやって同じように笑っていたのかと思うと、それもまた面白いな~という感じです。
あと、繰り返しの言葉。
「おぼえたかおぼえたか」「助けてくだされ助けてくだされ」「腹立ちや腹立ちや」「誰が踏んだぞいやい誰が踏んだぞいやい」「踏んごめ踏んごめ」「おでかしゃったおでかしゃった」等々、耳に残って困ります(笑)。
いや、でも、こういう言葉の面白さというのも、狂言らしさなんだろうなと思いました。
それから、連歌を「案じさせませ」ということで、皆で扇を手に首をかしげてるところなども自然に笑みがこぼれる場面でした。


それから・・・。
ジョニ男さんの、あの「留守」はありなのか??(笑)
もっとも、昨年の「茸」でもかなりズルい姫茸をやってましたので、これくらいは全然オッケーということなのかもしれません(笑)。


あとは、最後の♪いさかい果てての千切木とは~♪。
揺ってハモるんだ!?と松島公演を観たときビックリしたのですが、その後はハモっていたりユニゾンだったり、公演ごとに違ってました。
う~む、なぜそうなのか、真相はなかなか解明できそうにありませんが(笑)、いずれにしても、皆で揃ったときの揺は見事でした。


最後は、「いとしい人、こちへござれこちへござれ」「心得た心得た」。
散々夫婦で大騒ぎしていたのに、最後はのろけとも思える台詞で退場する二人(笑)。
これも和楽の世界なのかな?という感じの(笑)「千切木」でありました。



あれこれと(3/26千切木の揺についてちょっと追記)

2016年03月24日 | 現代狂言Ⅹ
現代狂言祭りにうつつを抜かしていたら(笑)、桜の開花宣言も出たりして、季節はすっかり春になってしまいました。
ちなみにこれは、内子座へ向かう道中で見かけた桜。

           

ソメイヨシノではありませんでしたが、このときから少しづつ春の足音は聞こえてきていました。


現代狂言について感想など書きたいことは色々とあるのですが、なかなかまとまらないので、今回は、今までネタバレで書かなかった話などをあれこれと。(ネタバレなことを書けるのが、嬉しいやら悲しいやらという感じです・笑)。


南原さんが洞穴に入り、体力温存のために一休みする場面。
所沢公演から、南原さんは横にゴロンとなって寝ていました。
それまでは座ったまま寝ていましたが、こちらのほうがわかりやすくて良かったと思います。
私などは、最初観たとき、「あれ?これは現太郎の見た夢だったの?」とちょっとまどったりもしましたので(もっと集中して観てろという感じですが・笑)。
ただ、あれは、本当に夢だったのかな?という気も。
夢のようでいて実はホントに太郎さんと・・・なんて思ったりもしますが(笑)、いずれにしても、公演期間も半ばに差し掛かっていたのにブラッシュアップ(というか改善)していくところなど、いつものことながら感心してしまいました。


それから、話は飛んで金丸座。
四国公演はセインさんに代わり野村万禄さんが参加。
冒頭の狂言レクチャーも万禄さんがやってました。
金丸座での「千切木」の説明では、全部ストーリーを言っちゃうのでは?というくらい詳しく説明(笑)。
ただ、そのおかげで初めて観る人でも内容がよくわかり、古典でも笑いが多かった要因の一つのような気がします。
登場人物のキャラ説明などもして、最後の揺の内容についても説明をしてくれました。
千切木というのは乳の高さの棒で武器(実際に石本君が持っていたのはもっと長い棒)。
そして、♪いさかい果てての千切木とは~♪は、戦いが終わった後の千切木はあんまり役に立たないよ、という意味とのことでした。
この揺は、何度聞いても意味がわからなかったのですが、万禄さんの説明を聞いたあとに観ると、また違った印象の「千切木」でした。
(ちなみに、揺は何度聞いても♪かしこといえども留守と言う~♪と♪いさかい~果てての千切木とは~♪くらいしか覚えられませんでした。う~む、古典奥深しという感じです・笑)
(3/26追記 ♪いさかい果てての千切木とは~♪のあとは♪かかることやもうすなん♪でした。メモしていたの見つけました・笑)

万禄さんは、セインさんの代わりということで、新作ではとうぜん王様の役。
金髪のカツラをかぶった万禄さんはかなり怪しくてインチキくさく、逆にそれがいい感じでした(笑)。
あと、金丸座午後の部では、南原さんの♪メ~モリ~♪のとき、客席から手拍子がおこってビックリ(笑)。
南原さんとコンプライアンス部長こと平子君が社交ダンスを踊った後も、大きな拍手。
どんだけノリがいいんだ!という感じでした(笑)。


内子座の午前の部。
「千切木」は大きな問題もなく演じられました(笑)。
で、ジョニ男さんの「留守」は金八ふうで、場内大爆笑。
このあとの午後の部と、千秋楽も金八ふうで爆笑をとっていたジョニ男さん。
それまで試行錯誤をしていましたが、最後の最後でいい「留守」に出会えて、何よりでした(笑)。
それから新作で、鳥獣たちの茶会へ行く前に、南原さんと万蔵さんが動物のマネをする場面。
万蔵さんが新記録で合格すると、南原さんは「へいへいへい」と森ウサギにツッこみ(笑)。
そして、
森「ウサギやんなさいよ」
南原「なんだよ、その強い口調は」
というやり取りがあり、森君は南原さんのツッこみに笑いをこらえてました(笑)。
南原さんと森君のコンビは、いつもいい感じで良かったな~等々の感想などもあるのですが・・・。
そんな話や他のネタバレ話などは、いずれまた。



下呂あれこれ

2016年03月22日 | 現代狂言Ⅹ
              

下呂の千秋楽公演では、冒頭の南原さんの挨拶はなく、セインさんだけでした。
600年前から・・等々、狂言レクチャーをしていたセインさんですが、「今まで狂言を今まで観たことある人は?」「現代狂言を観たことある人は?」という恒例のアンケートも。
どちらもあまり多くなかったようですが、現代狂言を観たことがある人のほうが多く、セインさんは「うれしいな」。
下呂では一昨年も公演をしていましたので、その人たちがちゃんと帰ってきてくれて私も「うれしいな」でした(場所によっては以前観た人どこいっちゃったの?ということもありましたから・笑)。

古典の「千切木」は、全体的に反応が薄かった・・かな?
先週の四国公演があまりにも笑いと拍手が多かったので、普通の反応がどんな感じなのかわからなくなってしまったからかもしれませんが、皆が退場していく最後のところでは、やはり戸惑いながら拍手という感じでした(笑)。
ただ、要所要所では笑いもありましたし、ジョニ男さんの金八ふう「あ、留守」は爆笑でしたので、ジョニ男さんは今回も喜んでいたことでしょう(笑)。
それから、南原さが「掛け物をかけられた・・」と言いながら文句を言う場面では(ここ、南原さん台詞とばしてたかな?)、隣に座っていたチビッ子が客席のほうを振り返っていました。
きっとその子はイマジネーションで掛け物が見えていた・・のかも。
あと、ジョニ男さんが留守でひと安心のジェスチャーをしていた南原さんを観て、一人の(別の)チビッ子が大笑いしてました(笑)。
あとは、平子君のところへ行く道中、「あの平子は…」という台詞のあと???という感じになったりしましたが(笑)、南原さんはおでこに汗を光らせ熱演。
毎回いろいろあった「千切木」は、今回もちょっとありつつ無事に(?)終了しました(笑)。


新作の「不思議なフシギな鳥獣茶会」。
始まる前の楽士の方の演奏は、和田さんは気合の入ったドラム、そして、稲葉さんは演奏が終わると横笛を下ろして笑顔。
この稲葉さんの笑顔をみて、早くもちょっと涙目になってしまいました(笑)。

新作は、最初に出てくるのが大野君でビックリしたとか、平子君は着物だけじゃなくスーツも似合うな~とか細かな感想も色々あるのですが(笑)、詳しい話はまた後日ということで。
今回は、千秋楽ということもあってか、トランプたちの場面で新たなギャグ(というかミニコント)も。
6なだけに「ろくでもない」のあと、石井ちゃんと石本君は「ジャックダニエルをロックで飲みにいった・・」「Jと6だから」(笑)。
お客さんにけっこう受けて満足げな石井ちゃんに南原さんは「ほっとしてるんじゃないよ」とツッこみ(笑)。
いや、でも、これは毎回やってても良かったんじゃないかな?という感じもしました(笑)。
あと、宅急便ではなく卓球部でなんてこった、のジョニ男さん。
「ピンポーン」というと、客席からは「あぁ、そうか」という声があがってました(こういう反応を見てカーテンコールで南原さんが「純なお客さんの前までやれて・・」と話をしてたのかな?・笑)
南原さんの♪メ~モリ~♪については、色々と語りたいことが多すぎるので今回は割愛(笑)。
あとは、鳥獣たちとの茶会の場面、南原さんと万蔵さんが弓を射ったとき、稲葉さんののこぎりの「ポヨ~ン」という音がちょっと小さかった?とか(最後のカテコのときのこぎりを鳴らしてたのは、これがあったからじゃないかな?笑)、カエルのゲロゲロと下呂がちょうどかかっていて「下呂温泉で宴の始まりじゃ」という地元ネタになっていた・・等々があり、いよいよクライマックスへ。
ところが・・・。
南原さんがこのあといろいろやっちゃってました(笑)。
まずは、左右に分かれて向かい合い、社交ダンスと田楽を踊りあう場面。
田楽チームの番なのに、社交ダンスの構えで一人飛び出す南原さん(笑)。
南原さんは「いけね、やっちゃった」という顔でいそいそと元の場所へ。
ここはビシっと決めなきゃいけない場面なのに!盛り上がる場面なのに!!と客席でやきもきしてしまいましたが、千秋楽公演だけに気合が入り過ぎたのでしょう(笑)。
それから、万蔵さんが去っていく場面。
歌をもっと人前で歌ってください・・と言わなければいけないところで、南原さんは台詞につまりちょっとあたふた。
ここも大事な場面なのに!見せ場なのに!!と、またも客席でやきもき(笑)。
う~む、やはりここも気合が入り過ぎていたのか、お疲れだったのかはわかりませんが、大事にはいたらず何よりでした(笑)。
このあとの南原さんと万蔵さんのやり取りについては、こちらも色々と語りたいことが多すぎるので割愛。
そして・・・。
大フクロウさまの「フークー」という声で目を覚ました現太郎。
「長い夢を見ていた気が・・・10年分の夢かもしれないな」
この台詞、いや、南原さんの言葉を聞いて、涙涙、そしてまた涙(笑)。
大千秋楽だからこそ出てきた言葉だな~、素晴らしい夢だったな~と思い、それだけで・・・。
帰りの電車の中でもこの言葉を思い出し、思わず目頭を押さえてしまいました(笑)。
そして、南原さんの最後のマイムに、またも涙しつつ、大きな拍手の中、終了。


カーテンコールは3回。
まずは、南原さんがご挨拶。
10年間やってきたがここで最後、純なお客さんの前でやれて良かった、重ねてありがとう、と感謝の言葉。
そして、万之丞さんに拍手を・・とお客さんと一緒に拍手。
さらに、将来を遠回りしてまでも(一緒に)やってみようと言ってくださった万蔵さんと萬狂言の方々にも拍手。
現代狂言をしたから遠回りということもないと思いますが(笑)、大きな拍手と、石本君の「先生!」というヤジのなか(笑)万蔵さんがご挨拶。
千秋楽を迎え感慨もひとしお。10年の間には苦しいときもあったが手を取り合ってきた。兄(万之丞さん)も天国で見てくれているんじゃないかと思う。
万之丞さんと万蔵さんの間にお姉さまがいるそうで、そのお姉さまが下呂公演を観に来ていたとのこと。
姉が万之丞さんの代わりに観てくれていた気が・・とのことでした。
それから、10年間やるとそれほどでもない作品もあったが、最後はこんな素晴らしい作品になりました、とぶっちゃけ発言(笑)。
南原さんは「そういうのも大事なんですよ!」とツッこんでいましたが(笑)、いや、本当に、そいうのが大事だったのだと思います。
狂言とコントが結婚したら?という新機軸のもと、新たなジャンルの舞台を作ろうと始まった現代狂言。
個々の作品の面白さももちろん現代狂言の魅力なのですが、毎回試行錯誤をしながら新たなテーマや演出に挑戦し、今までにない可能性を求めていく。
そんな、常に前のめりな「志」こそが現代狂言の最大の魅了だと思います。
言い換えれば、それが南原さんの魅力でもあるわけで。
ただ、口で言うのは簡単ですが、毎年毎年新たなものを作り出すことの苦労や悩みは傍で考えるよりも何倍もあったろうな~、というのは想像に難くありません。
中には満足いかない作品や、100点じゃないものもあったかもしれませんが、それでも休むことなく作り続けてきた。
結果、10年目を迎えこんな素晴らしい舞台になった。
南原さんの「そういうのも大事なんですよ」という言葉には、こういう思いが含まれていた・・・のではないかと、舞台上の二人のやり取りを見ながら思ってしまいました。

その後、南原さんが、現代狂言の制作にかかわった衣装さんや舞台監督さんなど裏方の人たちにも感謝の言葉を述べ、皆で拍手。
そして、出演者全員がひと言づつご挨拶。
大野君は「最後が下呂でよかったゲロ」
ジョニ男さんは「バッチグー、グッチバー」というギャグ(笑)。
森君は「32で始めて42になりました。この年になってこんな格好が出来る現代狂言は(このあとの言葉は「最高です」だったかな?違ってたら悪しからず)
石井ちゃんは「明日から普通の中年に戻ります」と言い、百恵ちゃんふうに頭にかぶっていたカエルの頭巾を下に置いてました(笑)。
セインさんは「(狂言という素晴らしいものがある)日本人に生まれて良かったな」
弘道お兄さんは・・すごく社交辞令的なことを言っていて、南原さんから「こういうところが次の仕事につながるんですよ」とツッこまれてました(笑)。
あと、平子君も感謝の言葉を言ってました(ちゃんと覚えてなくてすみません)。
そして、楽士の稲葉さんと和田さんにも挨拶を振りますが、お二人は言葉ではなく音でご挨拶。
稲葉さんは笙。現代狂言ではとても馴染み深い音色で、「あぁそうだったのか!?」と気づいたりするときに聞こえてくるアレを奏でてました(伝わってるかな?・笑)。
和田さんはドラムを演奏。
現代狂言には欠かせない楽士のお二人ですので、最後の最後に二人の挨拶が聞けて良かったです(笑)。

恒例のサプライズでは、南原さんや石井ちゃん、平子君は2階席まで時間をかけて回り、お客さんと握手やハイタッチ。
舞台上にもどった出演者は、南原さんの掛け声でお客さんと一本締め。
皆さん退場しますが、和田さんの「もう一回」の合図で拍手と手拍子、そして演奏開始。
今回は、南原さんはムーンウォークではなく普通に歩いて出てきて、下呂公演開催のために尽力してくれた方々に感謝の言葉。
そして「みんな知ってるかな?眼医者さん」と言い、客席にいた特別協賛の村瀬眼科クリニックの先生を紹介して皆で拍手をしました(笑)。
眼医者さんのおかげで下呂で公演が出来て、本当にありがたいことであります(笑)。
そんな感謝の言葉のあとは、出演者一同が手に手にビニール袋を持って再登場。
何かと思ったら、みなさんサイン入りカラーボールを客席に投げ込んでました。
ちなみに、私は(前の記事に書いた通り)ジョニ男さんのサインボールをキャッチ(笑)。

           
(これがサインの裏に書かれていたギャグ・笑)

こんなことが行われるなんて、大千秋楽らしいな~という感じです。
サインボールを投げ終わると、みなさん退場しますが、和田さんから「アンコール! 」のコール(笑)。
再び全員が登場し、出演者一同横並びで手をつなき、笑顔で客席に礼。
その後、石本君がつないでいた手で森君の関節を極めつつ(笑)、みなさん笑顔で退場。
最後は石井ちゃんが一人残り「どうもありがとうっ!」と締めの言葉。
稲葉さんと和田さんも笑顔で礼、そして最後はいつものようにジョニ男さんのギャグをやり、退場。
16時57分、現代狂言Ⅹの千秋楽公演は、大きな拍手と手拍子の中、大団円&大団円で幕を閉じました。


お客さんの「面白かった」「良かった」という声が聞こえる中、会場の外に出てみると、夕暮れ間近の空は青空。

           


カーテンコールで最後に見た、南原さんはじめ出演者の皆さんの笑顔とこの青空が重なり、淋しいながらも何か晴れやかな気持ちで家路についた、下呂公演でありました。



余談などなど

2016年03月20日 | 現代狂言Ⅹ
千秋楽公演の余談などを、あれこれと。
下呂の駅前にはこんなものが。

           

ちょっとウンナンの二人に見えなくもありませんが(笑)、それはそれとして。
南原さんと万蔵さんの等身大パネルは、下呂公演にもちゃんと参加してました。
等身大パネルも無事に千秋楽を迎えることが出来て、何よりでありました(笑)。

それから、この日は天気予報では雨だったけど、着いてみたら青空(ちょっとパラパラとはきましたが)。
天気予報が雨なのはきっと涙雨だ、と思っていたのですが(笑)、千秋楽公演、カーテンコールで出演者のみなさんは笑顔笑顔、楽士のお二人も笑顔。
だから予報は雨だったけど晴れたんだ・・・なんてことを考えたり考えなかったりの、下呂でありました(笑)。
ちなみに、私は相変わらず涙涙でした(笑)。

あと、今回の会場は、山の上の辺鄙なところにあると事前にうかがっていたのですが(笑)、確かに、着くまでにひと汗かいて息が切れてしまいました(日ごろの運動不足のせいもありますが・笑)。
ただ、山の上にあるおかげで、下呂の街も一望できましたし、

           

坂を登ったことも含めて、とても思い出深い公演になりました。



あ、それから、このたび私ツイッターというものを始めました(笑)。
かなり、今更という感じですし、ブログの更新もままならないのにツイッター?と自分でも思いますが、もしよろしければご覧くださいませ。
https://twitter.com/hinode_ymgt
ブログと重複することをつぶやいていたりしますが、そのへんは悪しからずご了承ください。
(始めたはいいけど、ブログと同じこと書いてもな~、う~む、どうしよう??と、早くも悩み中。三日坊主にならなかったらお慰みという感じで見ていただければと思います・笑)

ブログのほうも、下呂公演のレポや、現代狂言の感想などなど、書いていければと思っています。



行ってきました、千秋楽

2016年03月19日 | 現代狂言Ⅹ
下呂交流会館アクティプ泉ホールで行われた、現代狂言Ⅹの千秋楽公演へ行ってきました。

           

「長い夢を見ていた気が・・・10年分の夢かもしれないな」。
最後の場面、洞穴で目覚めた現太郎・・いや、南原さんが言った言葉。
私も10年間南原さんの見た夢を見ていたのか・・・。
でもその夢も覚め、(ひとまず)最後なんだ、と思うと、涙涙、そして涙(笑)。
ホント参りました(笑)。

千秋楽公演も、新作で南原さんにハプニングがあったり(笑)、新たなギャグやご当地ネタなどもありましたが、そんなこんなの話はまた後日。
はるばる行って本当に良かった、下呂の千秋楽公演でありました。

あ、そういえば、今日は大千秋楽らしく、カーテンコールで出演者の皆さんがカラーボールを客席に投げ込む、というのがありました。
ちなみに私は、

              

ジョニ男さんのボールをキャッチ(笑)。
サインの反対側には、「オイルショック!!」という、おなじみのギャグが書いてありました(笑)。



内子座あれこれ

2016年03月18日 | 現代狂言Ⅹ
金丸座公演の翌日行われた内子座公演。
内子座は、金丸座よりも少し小さめの小屋で、臨場感3割増しという感じでした(笑)。

           

天井にはシャンデリアがかかっていて、ちょっとモダンな作り。
舞台上には照明もついており、普通の劇場と同じような明るさになってました。
それから、内子座には所作台は新たに作っておらず、普段の舞台のままでした。
エアコンもついている、とのことでしたが・・・寒さは変わらず(笑)。
やはり手足の指先は冷え冷えでした(笑)。
ただ、こちらはブランケットを貸し出していましたので、膝上は少し温まりましたが、寒さに耐えて観劇というのは、昔ながらの小屋の宿命(夏は逆に暑そうだな~・笑)ということなのでしょう(笑)。
ちなみに、金丸座の桟敷席は畳敷きでしたが、内子座は木のベンチがあり、その上に座布団が敷いてありました。

           


フルハウスの内子座。
定刻11時に開演。
内子座でも午前の回は南原さんの挨拶がありました。
「私がお昼の顔、南原清隆です」という挨拶のあと(笑)、いつものアンケート。
「昨日金丸座で・・」という話をしていましたが、客席から「「昨日テレビでやってた」という声が。
それを聞いた南原さんは「(そういうの)教えてください」と言ってました(笑)。
森君や石井ちゃんのブログには、テレビを見たというのが載ってましたが、南原さんは放送を見なかったのかな?(私も見れませんでした・涙)
それから、、内子にはバスで9時ごろやって来た、空気がおいしい、という話のあと、こちらもいつものアンケート。
「狂言を初めて観る人は?」という質問には、「9割8分ですね」。
「生で(南原さんを)初めて見る人は?」という質問では、「9割9分8厘ですね」。
そして、「テレビで見るより…」と続けると、客席からタイミングよく「いい男!」という声が(笑)。
南原さんは「間が素晴らしい」と褒めつつ(笑)、続けて「いい男だと思う人は? 」という質問。
お客さんが手を挙げると南原さんは、「100パーセントですね」と、なぜかここだけパーセント表示でした(笑)。
あとは、恒例の言葉クイズなどをしたあと、万禄さんを呼び込み退場。
南原さんの挨拶は5分くらいでした。

万禄さんの狂言レクチャーは、他の3公演とだいたい同じような感じでしたが、ハワイへ行くところを実演する場面。
「ここ松山から・・」と言っていて、客席はちょっと変な空気に(笑)。
万禄さんたちが泊まった松山に近いとはいえ、内子は松山ではない・・と思いますが(笑)。
それから、今回は「千切木」の説明は短めで、わわしい女性、「夫婦愛の物語」というふうに話してました。
最後は狂言ふうの笑いの練習をして終了。
万禄さんの挨拶も5分くらいでした。

古典の「千切木」は、笑いや拍手が多く、とてもいい雰囲気。
内子座も舞台と客席が近いので、演者の生の声が良く通り、皆さんの声か腹にまで響きました(笑)。
当たり前のことですが、皆さんすごく良い発声だな~と改めて大感心でした。
それから、鬼門の場面は今回は問題なくクリア(笑)。
南原さんは堂に入った太郎でした。
ジョニ男さんのあれは、今回は大爆笑(笑)。
これについては、カーテンコールの挨拶で万蔵さんが、いろいろやって今まではドン引きだったが今日初めて大爆笑で、(ジョニ男さんは)うれしくて休憩中もみんなのところを回りなかなか着替えに来なかった、と話してました(笑)。
あ、それから、舞台がとても近かったので、正座している皆さんの顔をよく見え、万蔵さんはさすがだな~微動だにしないし顔色一つ変えない、というのがわかりましたし、森君はちょっとつらそうだな~とか(笑)、石井ちゃんは時々目をつぶって耐えているけど大丈夫かな?とか(笑)、今までにない心配をしてしまいました(もちろんみんな問題なくちゃんと退場しました・笑)。


新作の前の楽士お二人の演奏では、和田さんがいつもより声が多く出ていて(笑)途中で手拍子と拍手。


新作 「不思議なフシギな鳥獣茶会」も笑いと拍手が随所におこり、大いに盛り上がってました。
ただ、今までになかったところでちょっとハプニングがあったり、南原さんの左のポケットのあれがちょっと取れそうになっていたり、観ていてちょっとドキドキしましたが、大きな問題にはならずひと安心(笑)。
ちょこちょこアドリブもあり、今回も万蔵さんと南原さんが客席に降りてくるという演出があったりして、やはり笑いと拍手に包まれて終了。
私は相変わらず最後は涙目でした(笑)。


カーテンコールは1回。
南原さんは、内子座は距離が近くてお客さんの顔が一人ひとりわかる。
それから、セットも照明も・・という話と、萬狂言の方に感謝の言葉を述べてました。
万蔵さんは、ナンチャンと10年はやっていこうと話ていたがあっという間だった、という話と、前述したジョニ男さんの話(笑)。
あとは10月に万蔵さんと茂山千三郎さんが内子座で行う舞台の告知をしてました。
恒例のサプライズでは、南原さんと万蔵さんは2階席まで行って皆さんと丁寧にハイタッチや握手。
大きな手拍子と拍手でとても盛り上がっていましたが、カーテンコールは1回。
終演は13時18分でした。



小屋の外に出ると、午後の部の自由席のためにすでに行列が出来始めていました。
午前の部も開場時間に行ったときはすごい行列が出来ていましたし、ありがたいことであります(私は関係者ではありませんが・笑)。


           

              



午後の部は、南原さんの冒頭の挨拶はなし。
万禄さんが歌いながら酔った演技をして登場し、その後狂言のレクチャー。
ハワイへ行く実演では、今回も「ここ松山から・・」と言ってました(笑)。
「千切木」の説明もちょっと短めではありましたが、最後の謡の詞の説明など、わかりやすく話してました。
最後は皆で笑いの実演をして、万禄さんの挨拶は約8分で終了。


「千切木」は、笑いや拍手がおこるなか、大きな問題もなく(笑)無事終了。
台詞や動きのタイミングがちょっとずれたかな??変な間がちょっとあったかな??と思うところが何か所かあり、少しヒヤヒヤしましたが、何度も観てると細かいこともいろいろと気になってしまいます(あと、今回ほどハプニングがある古典も珍しいのでどうしても心配になってしまいます・笑)。
それから、ジョニ男さんの例の場面は午前の部と同じで爆笑でしたので、ジョニ男さんもさぞ喜んでいたことでしよう(笑)。


「不思議なフシギな鳥獣茶会」は、こちらも笑い&拍手。
そして、演出などがちょっと変わってる場面がありました。
登場の仕方が午前の回とはちょっと違っていたり、稲葉さんのギター演奏が新たに加わっている場面があったり、最後まで進化は止まらないな~と笑いながらも感心してしまいました(南原さんが台詞を飛ばしてたとこもありましたが・笑)。
それから、とてもいい場面でちょっとしたハプニングもありましが、不可抗力ということで(最初は演出なのかな?と思いましたが、時計を見たら5時で納得、いや、納得はしませんでしたが・笑)、こんなことも含めて生の舞台ということなのでしょう。
そんなハプニングをものともせず、場内は大きな拍手で終了。


カーテンコールは午後も1回。
南原さんは、こんな素晴らしいお客さんの前で出来て、勇気と笑顔をもらい充実した舞台になりました、と感謝の言葉。
そして、「このことを胸に明日からヒルナンデスを・・」と言って笑いをとってました(笑)。
あとは、セットも照明も・・という話と、萬狂言の方、内子座の関係者にも感謝の言葉を述べてました。
万蔵さんは、午後5時のハブニングについて、「無視してくださって・・」とこちらも感謝の言葉を述べてました。
恒例のサプライズでは、この回も南原さんと万蔵さんは2階まで行き皆さんと握手&ハイタッチ。
南原さんはいちばん最後まで客席に残り、丁寧に握手。
大きな拍手と手拍子の中、内子座公演は終了しました(何時に終わったのか、感激にひたっていて時計を見忘れました・笑)。



内子座公演も、やはり大盛況でとても素晴らしい舞台でした。
とても盛り上がったのにカーテンコールが1回だったのはちょい残念でしたが(午後は帰りの飛行機の時間の関係だと思いますが、午前は・・合間の休憩時間が短いので仕方ないか・笑)、そんなことは無問題(笑)。
出演者の皆さんの表情や息遣いまでよくわかる、臨場感あふれる舞台を観ることが出来て大満足。
生の舞台の良さ、現代狂言の面白さを肌で感じた一日(金丸座を含めると二日・笑)でした。