学生、若手の方に、full history and physical examinationsをしていただき、oral presentationとchart writingをしていただきながら現場教育しています。
5月から筑波大学はもとより、全国の大学から医学部の学生さんが当院に来られます。
感染症科もご希望される方が多くいらっしゃり、楽しみにしています。
学生、若手、ベテラン(生涯教育としても重要)の方、みなさんに、患者さんをより正確に捉え、正確にプレゼンテーションできるようになっていただければ、と願いつつ、フィードバックしております(厳しいかもしれません。。反省しつつ)
日本の現場で共通する改善点・課題が下記です。
リスクアセスメントにも通じます。
可能性の評価 likelihoodと申しますが、その概念の習得と理解、実践が多くの方の課題となっています。
カルテは公開前提の公文書のため、なるべくわかりやすく、起こった出来事はすかさず記録する。
かつ、「診断名」は、その可能性も含めて明記する、何度もアセスメントしなおす、ことが重要です。
入院後10日以上たっても、まだ「ABC疾患疑い」というようなアセスメントが延々とコピー & ペーストされる状況は改善が必要です。
口頭およびカルテ記載で、診断名に関して、「疑い」「否定」「指摘」を使用せずに、表記することをお願いしています。
日本語の「疑い」診断は、きわめて広い意味であり、「きわめてあいまい」です。
すなわち、意思決定に役立たないのです。
暫定診断(80-90%近い可能性)としても、「疑い」を使い、5%以下の可能性の診断にも「疑い」を使い、
結局、アクションを起こしている(対応している)診断名は、「暫定診断」(working diagnosis)であります。
一方で、最後まで鑑別診断として「捨てない」場合も、「疑い」と使用されますが、must rule outなど、
「きわめて可能性は低いが可能性がある」という意味なら、そのように明記することをお勧めしています。
科学で、仮説を「否定する」とは言いますが、診断の場合、rule in, rule out に該当する日本語は、おそらく診断を確定する、診断を除外する
ということでないでしょうか。除外できたなら、そのように明記することをお勧めします。除外rule outできたら、その疾患はプロブレムから
消去できます。
さらに、日本的あいまい用語の「指摘」する。
"この患者は5年前に高血圧と指摘され” という一見よくあるカルテ文言ですが、意味があいまいです。
5年前に、医師が高血圧の確定診断をつけたのか、
そもそも確定診断がついているのかどうか(上記の文面では不明)
高血圧の可能性がある、と検診などで言われたのか、
本人が、高血圧、と言っているのか(患者報告のみ)
英文で症例報告を書くと、「指摘」というのがいかにあいまいな用語かが浮かび上がります。
アセスメントも、一番最初は、プロブレムリストでよいのですが、確定診断がついた症例でもずっとプロブレムリストのままでは、
”プログレスノート Progress note"になりません。
仲間同士で、フィードバックしてみてください。
カルテ記載が精緻になることは、それを元に臨床研究を始める「はじめの一歩」であるからです。
当科では、口頭でのプレゼンテーションとカルテ記載を精緻にするトレーニングをしていただいております。
ご興味のある方は、ぜひ、見学にいらしてくださいませ。臨床能力の核をトレーニングしていただけます。
臨床見学の申し込みサイト
5月から筑波大学はもとより、全国の大学から医学部の学生さんが当院に来られます。
感染症科もご希望される方が多くいらっしゃり、楽しみにしています。
学生、若手、ベテラン(生涯教育としても重要)の方、みなさんに、患者さんをより正確に捉え、正確にプレゼンテーションできるようになっていただければ、と願いつつ、フィードバックしております(厳しいかもしれません。。反省しつつ)
日本の現場で共通する改善点・課題が下記です。
リスクアセスメントにも通じます。
可能性の評価 likelihoodと申しますが、その概念の習得と理解、実践が多くの方の課題となっています。
カルテは公開前提の公文書のため、なるべくわかりやすく、起こった出来事はすかさず記録する。
かつ、「診断名」は、その可能性も含めて明記する、何度もアセスメントしなおす、ことが重要です。
入院後10日以上たっても、まだ「ABC疾患疑い」というようなアセスメントが延々とコピー & ペーストされる状況は改善が必要です。
口頭およびカルテ記載で、診断名に関して、「疑い」「否定」「指摘」を使用せずに、表記することをお願いしています。
日本語の「疑い」診断は、きわめて広い意味であり、「きわめてあいまい」です。
すなわち、意思決定に役立たないのです。
暫定診断(80-90%近い可能性)としても、「疑い」を使い、5%以下の可能性の診断にも「疑い」を使い、
結局、アクションを起こしている(対応している)診断名は、「暫定診断」(working diagnosis)であります。
一方で、最後まで鑑別診断として「捨てない」場合も、「疑い」と使用されますが、must rule outなど、
「きわめて可能性は低いが可能性がある」という意味なら、そのように明記することをお勧めしています。
科学で、仮説を「否定する」とは言いますが、診断の場合、rule in, rule out に該当する日本語は、おそらく診断を確定する、診断を除外する
ということでないでしょうか。除外できたなら、そのように明記することをお勧めします。除外rule outできたら、その疾患はプロブレムから
消去できます。
さらに、日本的あいまい用語の「指摘」する。
"この患者は5年前に高血圧と指摘され” という一見よくあるカルテ文言ですが、意味があいまいです。
5年前に、医師が高血圧の確定診断をつけたのか、
そもそも確定診断がついているのかどうか(上記の文面では不明)
高血圧の可能性がある、と検診などで言われたのか、
本人が、高血圧、と言っているのか(患者報告のみ)
英文で症例報告を書くと、「指摘」というのがいかにあいまいな用語かが浮かび上がります。
アセスメントも、一番最初は、プロブレムリストでよいのですが、確定診断がついた症例でもずっとプロブレムリストのままでは、
”プログレスノート Progress note"になりません。
仲間同士で、フィードバックしてみてください。
カルテ記載が精緻になることは、それを元に臨床研究を始める「はじめの一歩」であるからです。
当科では、口頭でのプレゼンテーションとカルテ記載を精緻にするトレーニングをしていただいております。
ご興味のある方は、ぜひ、見学にいらしてくださいませ。臨床能力の核をトレーニングしていただけます。
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