心残りある事業。 まだまだ自然ガイドなる職業がなかった30数年前に北海道自然学校NEOSなる活動を始めました。子ども達向けの自然体験活動と山登りガイドツアーが主営業種目でした。 始めて数年経ち、日本エコツーリズム協会なる全国ネットワークが立ち上がりその設立総会が沖縄那覇で開催されて、私も参加しました。 その時、名前は忘れて思い出せないのですが、マレーシアのガイド会社がゲストとして呼ばれていて、その社長の通称ジャングル・ウォンさんが講演をしました。 当時やっとエコツーリズムなる概念が日本に現れた(輸入された)ばかりでした。 環境に配慮した自然探訪型旅行と言われていましたが、私たちのやっていることが、それに値するのかが???で、自分たちのプログラムはネイチャーツアーなるいい方をして、「北海道のエコツーリズムを考える会」なるものを自然系研究者等と立ち上げてそのガイドラインづくりなどを始めました。
ウォンさんがやっていることは正しくエコツーリズムそのもので素晴らしく多いに感動感激して講演に聞き惚れました。そして、講演が終わり質問タイムに・・・、今考えればお恥ずかしいような質問を勢いよくしました。
「そのような事業に育てるためのコツや助言をください」と・・。
するとうウォンさんは、 「自然ガイドのお仕事を何年していますか?」と。
私は会社をやめて事業を立ち上げて、確か、6か7年目でした。そう答えました。 すると、彼は・・、
「であれば・・、十年続けなさい。」と、励ましてくださいました。
ちょうどその頃、日本環境教育フォーラムでも世界のエコツーリズムについて話題になり始めた頃で、その先進地コスタリカの情報も得ました。 樋口和夫氏と始めたNEOSでしたが、その活動を知りたまたま取材に来た第三の男、宮本英樹氏と巡り合う機会がありましたが、まだまだ人を雇える状況にない弱小団体でしたので、いったんは断りました。しかし、彼は教職をめざそうと会社を辞めてしまったんですね・・、そして、再び現れて・・、「時間ができたので世界旅行をしたいのですが、どこかおススメがありますか」と、聞いてきました。
私は、エコツーリズムの先進地コスタリカや世界各地にある冒険型自然学校アウトバーンズスクール(OBS)の話をしました。 そして、彼は旅立ちました。
半年位たち、あちこちで体験、情報を仕入れていたM氏は再び訪れて、ワゴン車を使ったガイドがコスタリカでは繁盛しているとの話をしてくれました。 「よっしゃ!!」ということで、彼を迎え入れて山登りに特化しない自然の旅を宮本氏を中心にプログラムに組み始めたのでした。
プログラム数が増えてくると、法律問題にもぶつかりました。旅行業法や運送業法、宿泊業に反するのでないかという問題で、当該業界からも告発されそうになったこともありました。 その度に法の網目を抜けるような奇策を打ち続け、時の自民党政権にもロビー活動するようなこともして、規制の緩和を求めてゆきました。
その頃にしったのが、アメリカのSUNTREKという会社でした。 大型のクルーザー型の車にキャンプ道具を積んで、10人ほどのお客さんと国立公園やら自然や歴史豊かな地域を1週間10日間とキャンプをしながらワゴンとレックをする会社です。 そうそう大きなマーケットはありませんから、世界中からお客さんを募るニッチエコツアーです。 分厚いプログラムカタログをさっそく取り寄せました。

そのカタログはワクワクドキドキするものでした。