高木晴光の 『田舎と都市との ・ 日々こうかい記』

「新田舎づくり」を個人ミッションとし、田舎と都市とを行き来する人生・仕事のこうかい(公開・後悔・航海)日記

類人猿から人類へ

2020-05-20 15:16:11 | 日記

たまたまなのですが、男女・雄雌の性差についてテーマにした本を並行して読んでいます。一冊はゴリラの生態・社会性についてその道の研究者の座談形式の本で、もう一冊は、かのフェミニズムの論客、田島先生の男女論です。 直接の現人類の祖先ではないものの、その祖先分岐前は同じだった霊長類のゴリラ。オスとメスの役割・生態は「分岐前」からも今もおよそ変わってはいない野生の社会生態性のままでしょう。 派生した人類は、彼らに比べてひ弱な肉体を持ったまま森から平原に追いやられ、そこでさらに分岐していった人類系統の霊長類等の種間でも殺し合いをしてきて、現代の高度な社会性をもったホモサピエンス・サピエンス、つまり私たちに進化してきたのが、一般通説でしょう。

雌雄の野生的性差は、我々も動物ですから持ち続けているはずですが、田島先生はその原始的な男女差について滅多滅多に切裂き論法を連ねます。 高度な精神性をもって高度な社会性を獲得して来た我々だからこと、男女格差のない社会を作り出せるはずなのですが・・・なかなかそうはなっていない・・・。

田島先生の論じることには、いちいち頷きながら、「人間の男」というしょうがない、それこそ最高度な能力である「共感力がなかなか育めない、乏しい人類である生き物としての男人類に悲哀すら感じるのですが、でもさ・・「オレ達も動物なんだよなあ・・」という観点が女史には足りないんじゃあないかなとも思ってしまいます。(とってもじゃあないが、面と向かっても書評でも言ったり書いたりできませんが・・、そんな機会もないな・・)

しかし、高度な社会性がある人類としての立ち位置からの考え方と、動物生態学という研究者からの立ち位置で書かれた本を並行して読んでいると、人類の精神的・社会的な進化にも思いを馳せつつ、なかなか面白いですよ。

コメント
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