蒸し暑い日が続きますね
たまには、仕事場でのことなど書いてみようと思います。以前「頭が腰痛?」という記事を書いたことがあるのですが、そういうことはけっこうあるのです。
仕事で腰を使い痛めされた女性がこられました。病院で検査したが骨には異常はなく、仕事を休み10日間治療を受けたものの、良くなるどころか ますます痛みはひどくなり、右足を引きずるようにして入ってこられました。
「治るんでしょうか?仕事をやめたくないんです」
悲痛な表情です。
病院で治ってしまう病状の方は、それで終わり、ですから、私のところに来られる方は当然、病院ではどうにもならなかったという方ばかりなのです。
施術後、まだ痛みは残るものの、足を引きずることなく歩けるようになり、椅子に座ったり立ったりする動作がかなり楽に行えるようになってお喜びになり、早く治したいということで3日後の予約をして帰られました。
3日後・・・
足を引きずることなく入ってこられました。
「どんな調子ですか?」
「・・・ほんの少しはいいようなんですけど、あまり変わらないような・・・あと一週間で仕事に出なければいけないんです。それまでに治りますか?一ヶ月くらい休まないとダメですか?それとも、もう仕事やめなければダメですか?早く治したいんです。なんとかなりますか?」
一番悪かった患部に手を当ててみると、大幅に改善しています。
「最初よりかなり良くなってるんですけど、あいかわらず痛いんですか?」
「えっ!?良くなってるんですか?」
いすに座ったり立ったりの動作をしてみてもらうと、腕や体に「ウン!」と力を入れて座り、
立ち上がる前に「エイヤッ!」と体中に力をみなぎらせ歯を食いしばって立ち上がっています。
そこからカウンセリングに入りました。
「早く早く」というアセリがかえって治りを遅くすること。
今の状態を受け入れて、「しょうがない」とあきらめると、返って早く良くなること。
”今現在”の状態ではなく”過去の記憶”で『痛いもの』と決めつけてないですか?
彼女の座ったり立ったりする動作の真似を、私が大げさに、歯を食いしばって力いっぱいに演じて見せてあげると、彼女は大笑いをはじめました。
「ああ!私、それをやってました!」
『痛いもの』という決め付けの幻想、妄想のなかで、動くときは前もって力が入り、車にたとえるとアクセルとブレーキを同時に踏んだように身動きが取れなくなり、体はますます硬くなっていたのでした。
「ああアホくさい!力が抜けました」
次の瞬間立ってもらうと、彼女は力も入れず、スッと立ち上がったのでした。
「あれっ!?痛くない!」
”痛み”というものは最初は肉体的なものであって、それ自体は、ほおっておけば自己治癒力によって時間とともに治っていきます。ところが「早く早く」というアセリや「治らないのではないか?」という不安、恐怖が治りを遅くし、頭の中で堂々巡りを繰り返すことでドンドン幻想の痛みを作り出すことさえあります。
その幻想の中にドップリと浸かっている限り、本人はなにをやっているのかわけがわからず、そこから抜け出すことが出来ないのです。
私のお役目は、
ご縁の方を幻想の世界の堂々巡りから救い出してあげることなのだと思っています。