「食べない人たち」の共著者のひとりである山田鷹夫さんの本です。
人は食べなくても生きられることを実践によって現わし、「不食」ということにもこだわらず、さらにその先に進んでいこうとされている人です。
無人島 不食130日 三五館 2014年11月1日発行
『なぜ不食が可能か?
理由はわからないのだ。
ただ目の前にあるのは「人は食べなくてもいきられる」という事実だ。
理由がわかったならば不食に入ろうというものは永遠にたどり着けない』
彼の「不食」は絶対に食べない!というものではなく、食べてもいいけど食べなくてもいい、という自由なもの。しかし食べ物によって生きているのではない。この島では一日平均にすると小魚半キレくらいの量の食べ物と水で生活したらしい。
生きるための必要最低カロリーを下回った時、食べ物によらないエネルギー供給ルートが開かれるらしい。しかし「食べなくても生きられる」という自分自身の意識変革がまず必須であるようだ。「食べなくては死ぬ」という固定観念に縛られたままだとその通りになる。
それともう一冊
超愛 三五館 2005年12月26日発行
山田鷹夫氏は「食う」と「寝る」はすでに卒業し「愛」についての実践的考察
たんなる観念的読み物ではなく、彼の実体験を赤裸々に綴った、普通の世間体など持ち合わせている人には絶対にできないタブーに挑戦する稀有な書といえるだろう。
獣性から神性へのエネルギーと意識の昇華。
食欲旺盛な幼虫が食べることをやめてサナギとなり、蝶に”変態”し空に羽ばたくように、
人間も、人間を超えたものへの”変態”の時期を迎えているのかもしれない。