日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

男の子色、女の子色 カラフルな時代

2010-03-06 23:19:04 | マーケティング
3月に入り、テレビCMがとてもカラフルになってきた。
その理由は、ランドセルのテレビCMが流れるようになってきたからだ。
私が小学生だった頃は、「女の子は赤、男の子は黒」というのが定番と言うか、決まりだった。
決まりも何も、その2色しかなかったのだ。
一部の国公私立の付属小学校などは、男女関係なく黒と言う場合もあるようだが、一般的にはこのような色分けがあった。

それがここ10年くらいだろうか?ランドセルの色がとてもカラフルになってきた。
ピンク色や黄色といった春らしい色だけではなく、こげ茶や濃い緑など一体何色のランドセルがあるの?と思ってしまうほどだ。

そしてその傾向は、「男女差」をも無くしているように思う。
スカイブルーのランドセルの女の子、クリーム色に近い黄色のランドセルの男の子など、今や性別を色であらわすような時代ではないようだ。
見方を変えれば「色で個性を発揮する時代」とも考えられそうだ。

このような傾向は、何もランドセルに限ったことではない。
先日、確定申告に行った際ある男性の携帯電話を見て、チョッとビックリしたことがあった。
何故なら、その男性は赤みの強いピンク色の携帯でゲームをしたり、仕事の話(?)をしていたからだ。
その事が気になって、携帯電話のテレビCMを見ていたら・・・。
ソニーのテレビCMに登場する小栗旬さんは、ピンク色の携帯電話を持っていたり、パナソニックのテレビCMでは、水嶋ヒロさんが、ややショッキングピンク色系の携帯電話を持っていたりする(CMを見るためにはインデックスの「携帯電話」を選択してください)。
パナソニックの水嶋さんは、ご丁寧にピンク色のジャケットまで着ている。
これらのテレビCMは、若い女性をターゲットとするために、あえて男性にピンク色の携帯電話を持たせているとも考えられるのだが、普通に見流していても余り違和感はない。
もちろん、彼らがイケメンと言うコトもあるのだが、余り抵抗感なく受け入れられているように感じる。
それだけではなく、富士通のPCモバイルのテレビCMでは、赤系のモバイルPCを木村拓哉さんが背広の内ポケットから取り出している。

私が子供だった頃は、「男の子色・女の子色」と視覚的な男女区別が当たり前のようにあった。
それが通じない今は、とてもカラフルで「個性の時代」なのかも知れない。
一時期盛んに言われた「カラーマーケティング」そのものが、今でも通用するのか?
思わずそんなコトを考えてしまった、この春のテレビCMだ。

日本の得意分野を伸ばす時代

2010-03-05 08:08:51 | ビジネス
毎日新聞のWEBサイトに、生ゴミ+廃プラスチック=石炭並エネルギー量 静岡大学が発明と言う内容の記事が掲載されていた。

コンビニなどで廃棄されるお弁当の量は、問題になるほど多い。
廃棄対象となるお弁当を回収して、格安の価格で提供しているお店があると言うコトも、だいぶ前に聞いた記憶がある。
環境問題という視点から考えると、このような動きは歓迎している傾向がある。
何よりも「食べ物を粗末にする」と言われている、コンビニなどのお弁当の廃棄については以前から様々な指摘がされていた。
だからと言って、必要最低限の売れ筋だけのお弁当を並べていても、コンビニ弁当が売り切れるわけではない。
買う側としては、「数ある中から選びたい」という気持ちがあり、それをある程度満足させる必要もあるからだ。
もちろん、衛生上の問題として「消費期限」は重要で見過ごす事ができないコトだ。
その点で「コンビニ弁当の廃棄」というのは、悩ましい問題でもあったはずだ。
その「廃棄予定のコンビニ弁当」が、新しい活用先として代替エネルギーがあるとすれば、一つの悩ましい問題がある程度解消される事になる。

ここ数年、日本では化石エネルギーに変わるエネルギーを求め、様々な研究・技術開発がされてきた。
おそらくますますこのような傾向は、強くなっていくだろう。
それだけではなく、このようなエネルギー研究・技術開発の分野においては、日本は世界をリードできるだけの立場にあるような気がする。

問題なのは、このような研究・技術開発に対して、「国を挙げて」という体制ではない事だ。
先の「仕分け作業」では、様々な事業にメスが入れられた。
「こんな事業があったんだ・・・???」というような内容の事業があったことも確かだ。
「世界で戦うためには、No1でなくては意味がない。それほど、研究・技術開発は日進月歩だ」と担当者が回答した事業もあった。
ところが、「代替エネルギー」の研究・技術開発については、国よりも民間や大学などのほうが熱心なようだ。
もちろん大学などについては、ある程度「助成金」が出されているだろう。
だが、何となくこの不況下で考えられる数少ない「成長産業」と思われるこのような事業を研究・技術開発をしている中小企業などに対して、国のサポートがないような気がするのだ。

もし、このような事業分野に対して熱心な中小企業に対して、税制的な優遇措置などがあれば、もっと積極的に事業化する企業が出てくるのではないだろうか?
このような将来の成長が見込まれる「日本が得意とする事業分野を伸ばす」コトに対して、様々な資源を企業の大小に関わらず投入できる環境作りを国も考える時代だと思う。

社会変化と共に変わる市場

2010-03-03 22:02:35 | マーケティング
朝日新聞のWEBサイトを見ていたら、苦戦する自販機 清涼飲料、工場やオフィスで販売急減と言う記事があった。
個人的には余り実感がなかったのだが、記事にあるように経済状況の悪化のために、大幅な人員削減や事業所の統廃合などで利用者が減ってきていると言うのは、事実だろう。

しかし、それが大きな理由だとも思えないのだ。
むしろ、生活者のライフスタイルの変化なのでは?と言う気がする。
昨年のヒット商品に「お弁当箱」があった。
「弁当男子」なるコトバも生まれたのは、ご存知の通りだ。
そして「弁当男子」は、「水筒持参派」でもあるようだ。
事実、昨年の「お弁当箱」人気と共に水筒の売上も好調だった。
お弁当を持参しなくても、水筒だけを持参していると言う人も多いのではないだろうか?

彼ら・彼女たちが「水筒を持参する理由」の一つは、「経済的」という点がある。
ペットボトル1本あたりのお金は150円程度でも、毎日自販機の清涼飲料水を買うとなると150円×20日で3,000円になる。
節約志向が高まっているコトを考えれば、違った使い道を考えたくなる金額だし、毎日のようにペットボトルのゴミを出すことにも、抵抗感があるような気がする。
何より、朝買ったペットボトルの清涼飲料水は夏はすぐにぬるくなり、冬はすぐ冷めてしまう。
いつも適温で飲みたいと思えば、水筒の方が都合がよいはずだ。
何より、ゴミを出さない分「エコでエコノミー」と言える。
もちろん、水筒代わりに使用済みペットボトルを再利用して、使っている方も多いと思う。
水筒に比べ、軽いからだ。

この「水筒持参派」を意識した、商品づくりも盛んになってきている点も注目しておきたい。
例えば、最近のバッグには「ペットボトルホルダー」のあるデザインのバッグが増えてきている。
最初から「ペットボトルや水筒を持ち歩く」というコトを想定して、作っているのだ。
これは婦人物に限ったことではない。

とすれば、記事にあるような社会の経済的変化よりも、生活者の経済的変化(=節約志向)や生活そのものの志向の変化によるところが大きいような気がするのだ。

だからと言って、清涼飲料水の自動販売機の市場がなくなるとは思わない。
旅行先などで、急に水が飲みたい!と思ったとき自販機は便利だし、何よりも水筒では持ち歩く量が限られる割に、重たさを感じる。
そのような場面では、自販機はとても心強いモノだといえる。

これから先は、「自販機があって便利な場所」をもっと突き詰めて、設置されていくのではないだろうか?
その中にオフィスビルが上位にあるとは、余り思えないのだが・・・。

夢かなうように・・・

2010-03-02 18:18:56 | 徒然
すみません・・・2日間ほどお休みを頂きました。
個人的に、チョッと凹むことがあったものですから・・・。

さて、月がかわり3月。
今月は、イロイロと変化の月でもある。
受験がまだ残っている学生さんたちも、今月末には新しい一歩を踏み出す事になる。
もちろん、新社会人になる人たちも多いだろう。
と言っても、この社会状況だ。
なかなか「夢かなう」というわけにはいかなかった人たちの方が、多いかも知れない。

実は、私とマーケティングと言う仕事の始まりも「夢かなう」というには、程遠い状況から始まった。
意外に思われるかもしれないが、20数年前「マーケティング」という仕事そのものが、広告代理店以外の企業では余り認知度は高くなかった。
「目標売上○○、頑張ります!」という雰囲気が強かったのだ。
それだけではなく、どちらかと言えば「地味で、何をしたら良いのか分らない、何でも屋」的なイメージで捉えられていた。
まして、女性がそのような仕事を積極的にする、と言う時代でもなかった。
簡単に言えば、男性担当者がいなかったため、私が担当する事になったのだった。

学生時代、一応マーケティングは学んではいたのだが、私の身分は「一般職女子」。
専門職ではない(結局、退職するまで「一般職女子」だった)。
先輩社員もいないような状況で、半ば手探りで仕事を始めたような状態だった。
処が分らないモノです。
この「マーケティング」という仕事、私にはうってつけだったようで、一般事務の仕事の傍ら、どんどんマーケティングの仕事が面白くなり、社内でも「この仕事は」と任されるように。
人生、分らないものです。

「何が偶然で自分が生かせる仕事と出会うか、わからない」と言う典型なのかも知れない。
だが、今日の夢がかなわなくとも、一生懸命に取り組めば新しい夢が生まれ、かなうコトだってある。
だから、そんなエールを贈りたいと思う。

この記事の写真とともに(紹介記事は、朝日新聞)。