日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

ユニバーサルなコトって何だろう?

2012-11-14 11:49:01 | ライフスタイル
以前、よく聞いた気がする「ユニバーサルデザイン」という言葉。
最近、余り聞かなくなったような気がする。
私達の生活に根付いてきた、と言うことだろうか?
確かに、新しく建てられたビルやマンション、時には個人住宅などの玄関先にはスロープが付けられているのが、当たり前になってきた。
車いすを利用する人に対しての配慮、と言うコトだろう。

街中を歩いて見ても、福祉車両マークを付けたクルマを多く見かける様になってきた。
デイケアサービスの施設のクルマなどがほとんどだが、一般ユーザーと思われるクルマでも、ずいぶん増えてきたと言う印象がある。
実際、新聞社のサイトなどには「福祉車両」の広告が、何が無くあったりする。

その「福祉車両」の広告を見る度に、不思議に思うコトが在る。
私自身が、経験をしていないので不思議に思えるだけなのかも知れないのだが、車いすで生活をしている人が、広告で見られるような福祉車両の椅子に移動するのは、大変な力仕事なのでは?と思うからだ。
助手席が降り回転するコトで、障害を持った方が乗りやすくなる、と言うのは判る。
判るのだが、その降りて回転した助手席へ車いすから移動させる、と言うのは相当な力仕事なのでは?
介護をする人にとって相当な力仕事だと考えると、介護をされる側の人にとっては、転倒したりしないか?と、短い時間であっても不安な時間となっているのでは?
助手席に乗せた後それまで使っていた車いすをたたみ、クルマに積み込む、と言う作業も重労働なのでは?と、想像するのだ。
介護する側にとっても、介護される側にとっても「不安が在る・重労働感がある」と言うコトであれば、せっかくクルマで出かけると言う気持ちにもブレーキが掛かってしまうのでは?

クルマの魅力の一つは、時間や周囲を気にせずに出かけられる、と言う点が在ると思う。
とすれば、助手席が電動で降りてきて椅子が回転するよりも、車いすで直接乗り込むコトができた方が、良いのではないだろうか?
むしろ、日ごと使っている車いすの座り心地をソファー並の快適さにし、自宅のソファーでお出かけ!と言う位の発想で、福祉車両を考えた方が本当の意味での「ユニバーサル」というコトになるのではないだろうか?

車いすを作っている企業そのものは、決して大きいとは思えない。
なぜなら、車いすそのものを利用する人のサイズや障害にあわせてつくる必要があるからだ。
だからこそ、自宅でリラックスできるような車いすである必要があると思うし、その椅子ごと移動させる、と言うコトのほうが介護する側・される側にとって「安心」なのでは?
クルマのコトだから自動車メーカーの発想、と言うのではなく、使う人の心地よさを考えたコラボレーションが、発想の段階であっても良いと思う。

これから先、日本はますます高齢化社会になっていく。
クルマは便利で安全性も進化している。
本当の「ユニバーサルなクルマ」というコトを考えるのであれば、自動車メーカーの発想では無い発想力が重要な気がする。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。