日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

人はまだ、ネット社会との付き合い方が、分からないのかもしれない

2023-10-25 22:24:31 | ライフスタイル

朝日新聞のWebサイトを見ていたら、Meta社に対して米国の41州が提訴をする、という記事があった。
朝日新聞:インスタ・FBは「ドーパミン分泌を操り若者誘導」米41州が提訴 

見出しの言葉が、センセーショナルすぎる気がするのだが、そのような研究もあるようなので、間違っているとは言いきれないのかもしれない。
Forbes:インスタグラムが若い女性に良くない「精神科学的」理由 

この記事が書かれているのが2019年なので、4年ほど前の記事ということになる。
確かに、この記事が書かれる数年前から、世間ではやたらと「リア充」という言葉とともにインスタグラムが、若い女性を中心に人気となっていた。
そして「リア充」演出をする為、いろいろな手段をとっている若者がいたことも明らかになっていた。
と同時に、「何故若者たちは、インスタグラムで『リア充』写真を載せるのか?」という考察等も、されるようになっていった。
それらの考察の中で語られたのが、「『承認欲求』と『孤独感』」ということだったように、記憶している。

今のようにネットで様々な人と繋がることができるようになると、現実的な人間関係よりも気軽な関係ではあるのだが、現実的な人間関係よりもネット上での人間関係の方が、気楽さであるが故に「良く見せたい(=承認欲求)」という心理が働くのでは?という、コトだった(ように思う)。
確かに人は「自分を良く見せたい・好感度の高い人物でありたい」という気持ちが、大なり小なりある。
現実での友人関係を構築するためには、時には無様な姿を見せることもあるだろうし、人間関係を構築する過程で様々な葛藤がある。
それは誰しもが、経験するコトだ。

そして、米国の41州で提訴理由となっている「ドーパミン分泌」との関係とは何か?ということになるのだが、おそらく「承認欲求が満たされることで、『満たされた快感』というドーパミンが分泌される」ということなのだと思う。
何故なら、ドーパミンそのものは「脳内報酬系」と言われる脳の部分から発せられるモノだからだ。
いわゆる「依存症」と呼ばれるモノの多くが、この「脳内報酬系」と呼ばれる部分と関係しており、過剰なドーパミンの分泌は「依存症を招く」ということが分かっているからだ。
(参考)りずみんの健康管理コラム:依存症はドーパミンが原因?! 

見出しだけではわからなかったが、提訴した41州が問題としたのは「ドーパミンの分泌」というよりも「インスタグラム依存症(あるいはSNS依存症)」ということを、懸念している、ということのようだ。
その背景にあるのが、上述した「承認欲求」であったり「孤独感」からくる、「人間関係性の構築の難しさ」ということなのだろう。
そのように考えると、私たちはネット社会における「人間関係構築」をつくるのには、まだまだなのかもしれない。
それは「手軽さの中に潜む、架空の人間関係と現実社会の人間関係」、「(手軽さゆえの)ネット上の万能感」のような問題に対する理解や危険性の不足ということのような気がする。




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