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メガソーラー発電は、時代遅れ?

2024-04-19 20:05:50 | ライフスタイル

日経新聞のWebサイトを見ていたら、「やはり、太陽光発電に対する考えが変わりつつあるのだな~」と、感じる記事があった。
日経新聞:オーストラリア、屋上太陽光発電が拡大、全電源の11%に 

日本では、未だに山を切り開いて太陽光発電パネルを設置する、メガソーラーが話題になっている。
ただ、話題になる内容も、「メガソーラー発電が設置された」という事業的な話題だけではなく、風光明媚な場所や国立公園にほど近い場所に建設され、反対運動が起きている、という相反する話題になっているような印象を持っている。
特に都市部から離れた、北海道や九州といった場所は、都市部の大手メディアで取り上げられるというよりも、SNS等で話題になる傾向があるように感じている。
西日本新聞:阿蘇にメガソーラー次々、狙われる草原、放牧廃れ・・・「景観では1円にもならない」 

このような記事を見る度に感じることなのだが、地域資産の考え方がとても安直なのでは?という気がしている。
今や地方における「自然や景観は、(観光客を含む)人を呼び込む地域資産」という、視点がないような気がするからだ。
確かに、「人を呼び込む為」には、様々なアイディアと仕掛けが必要なのだが、一度失われた自然や景観を回復・復活させるためには、それよりも膨大な時間と費用が掛かる。
メガソーラーを設置し、売電によって収益を上げることは、わかりやすく簡単な方法だが、いつか行き詰ってしまう。
というのも売電価格が、年々下がっているからだ。
「1円にもならない」と言っても、売電価格が下がり続ければ設置にかかった費用回収という点で、さほどメリットがあるとは思えない。
これが、景観の良い場所ではなく1970年代に開発され塩漬け状態になっている工業団地用地等であれば、売電価格が下がってもそれなりのメリットがある。
しかし、地域資産として価値がある場所を目先の儲け話で、失うことは地域経済にとっても大きな損失のような気がする。

そしてオーストラリアで進む「屋上太陽光発電」の方が、遥かにメリットが高いのでは、ないだろうか?
ご存じの方も多いと思うのだが、電力は、送電等によって失われる電力量が失われる。
発電した電力をロスを減らして使う、ということを考えれば「地産地消」が一番効率が良いのだ。
その視点で考えれば「屋上太陽光発電」は、理にかなっているということになる。

それだけではない。
電力料金の価格高騰やSDGsという観点からも、「電力の地産地消」はメリットがある。
現在の各地域にある電力会社側とすれば、経営にも影響する話なので、手放しで推進するということにはならないと思うのだが、電力の管理・メンテナンス専業の関連会社を、行政と協力しあうことで経営をする、ということも可能だろう。
何より、現在注目されている「ペロブスカイト太陽光発電」等の実証実験には、協力する必要があるだう。
この「ペロブスカイト太陽光発電」が実用化されれば、都市部での高層ビルやマンションそのものが「メガソーラー発電」の設置場所となることになる。
何も景観の良い場所を切り開いて、メガソーラー発電をする必要は無くなるのだ。

日経のオーストラリアの記事の話に戻ると、注目すべき点は「全電源の11%」という占有率の高さだ。
自然エネルギーとしては、風力発電のほうが優位だが、それでも全電源11%という数字は、無視できないほどの普及率を示している。
そう考えれば、景観の良い場所(=送電ロスの多い場所)にメガソーラーを設置することの意味を、考え直す切っ掛けとなるのではないだろうか?



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