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好感度の高いCMは、ストーリー性がある?!

2019-12-29 20:21:39 | CMウォッチ

毎年年末になると、様々なランキングが発表される。
そのうちの一つに、CMの好感度ランキングがある。
東京新聞:「三太郎」が5連覇!2019年CM好感度

上位になったのは、いずれも通信会社だ。
そして1位のauや2位のSoftbankなどは、ここ数年不動の順位という印象がある。
そして今年3位に食い込んできたのが、docomoの「星プロデューサー」のCMだ。
この3つのCMに共通しているのが、「CMにストーリー性がある」ということだろう。
auとdocomoに関しては「次回はどうなるだろう?」という、次の展開という期待もあるのでは?と、感じている。
逆に、Softbankの「白戸家」シリーズは、次回への展開という期待よりも「次回のゲストは誰?」という、楽しみ方に変わってきているような印象を持っている。
ご存じの通り、Softbankの「白戸家」は、10年を超すシリーズだからだ。
それでも、好感度調査で2位という順位は、定番化以上の安心感があるCMということになるのかもしれない。

その通信会社のCMに追いつきそうなCMが、花王の洗濯洗剤のCMだろう。
こちらは、所属している事務所が同じ人気俳優さん揃い踏みというCMだ。
これまで洗濯洗剤のCMと言えば、若い女性が定番だったのだが、ここ2,3年の傾向として女性に人気の俳優さんを起用する傾向が強くなってきている。
今回の花王のCMは、登場する人気俳優さんは上述した通り一人ではない。
複数の人気俳優さんが「洗濯男子」という設定で(?)、洗剤の機能について熱く語り合っている、というCMだ。

これまでの「泥汚れに強い」とか「真っ白な仕上がり」、最近では「部屋干しでもにおわない」というような台詞を、一つのCMに盛り込むだけではなく、新しくなったパッケージの利便性まで「熱く語り合っている」というシチュエーションだ。
単に人気俳優さん揃い踏み、という話題性だけではなく、その俳優さんたちに「洗剤の機能」を語らせることで、受け手となるユーザーに分かりやすく伝えることに成功している、ということになるだろう。
もちろん、「人気俳優揃い踏み」効果による好感度アップは当然だ。

最初に書いた通り、上位3位までの通信会社のCMには「次」というストーリー性があり、花王の洗濯洗剤のCMは「洗濯男子の集まり」というシチュエーションを描き出すことによってCMそのものにストーリーを持たせることに成功しているのでは?という、気がしている。

CMでの商品名の連呼というスタイルは既に無くなり、一つの商品やサービスを生活者の中にイメージ付けるためのシリーズ化できるのか?ということが今のCM制作の傾向のように思われる。
そのようなCMは、人を傷つけることもない、という安心感も企業側、制作者側にもあるのかもしれない。



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