先週末、新聞各社のWEBサイトで取り上げられた「夢の繊維」。
日経新聞:人工クモの糸量産 慶大VB、車部品などに
この繊維を作ったのだが、慶大発VB企業と言うコトだが、会社があるのは山形県鶴岡市。
大手繊維メーカーが、莫大な研究費を投入して作られた繊維では無い、と言う点で「日本の繊維産業の底辺の広さ」というモノを感じた。
協力企業も、トヨタ自動車の関連部品などを作っている企業と言う点も、技術力の高さというコトを感じる出来事だった。
それにしても、この「人工クモの糸繊維・QUMONOS」を、どう使うのか?と言う点が注目されそうだ。
既に自動車や航空機の機体、医療分野などが挙げられているが、単純に「繊維」と点だけを見ればアパレルへの利用というコトも考えられるだろう。
例えば、「柔らかく鋼鉄のような強さ」と言う特性を考えれば、スカーフタイプの「防災ずきん」のようなモノもあるだろう。
「軽さと強さ」と言う点では、衣服型の防弾ウェアというコトも可能かも知れない。
緊急避難用のテント(この場合防水加工なども必要だと思うが)などの使い道もあるだろう。
住宅建材の一部として利用もあるかも知れない。
ただ、「防弾ウェア」のような、物騒なモノごとへの対応衣類への利用ではなく、多くの人がしあわせになるための使い道を中心に考えて欲しいと思っている。
例えば「医療分野」の中でも、義足など素材として使うコトはできないだろうか?
元々日本は義足などの製造技術は高いモノを持っている、と聞く。
その高い技術と人工クモの糸繊維で、軽量で丈夫な義足などができれば、かつての紛争などで足を失った子ども達にとっても朗報となるのではないだろうか?
一つのイノベーションによって、様々な使い道が考えられる様になると、それらが波及してこれまでとは違うモノが創られる様になる。
特にこの「人工クモの糸QUMONOS」を創ったスパイバーの代表者のように、若い人達が登場してくると、何となく嬉しくなってしまう。
と同時に、彼らのビジネスを大きく育てていく必要がある、と思うのだ。
そのためにも、彼らが掲げているヴィジョンに沿うような、ビジネス展開をして行けるようなサポートが大切だと言う気がする。