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いまだに「気合と根性」でオリ・パラ開催を目指すのは何故?

2021-05-06 18:36:27 | スポーツ

このGW中に「いまだに、気合と根性でオリ・パラが、開催できる」と、信じている人がいるのだな~と、驚いた。
産経新聞:安倍前首相、東京五輪「オールジャパンで対応すれば開催できる」

掲載しているのが産経新聞なので、おそらく安倍前首相の言葉は本当だろう。
そして「オールジャパンで対応すれば開催できる」という趣旨の記事を見た時、いまだに「気合と根性で乗り切れる」という発想なのか?!と、唖然とした。

おそらくこの発言は、その前にあった菅首相の「オリ・パラ開催時には、休んでいる看護師の方々に協力してもらえば、500人位は集まると考えている」という趣旨の発言をしたコトを受けての話だろう。
オリ・パラに関する医療者の協力というのは、このほかにもスポーツドクター200人のボランティア要請、という話もあった。
そのような経緯があったからこそ、安倍前首相の口から「オールジャパン」という言葉が出たのだと思う。

それにしても、いつの頃から日本の政治家は「第二次世界大戦末期のような思考」に、なってしまったのだろう?
今日本の政治を動かしている人たちの言葉は、「欲しがりません、勝つまでは」に近いような気がしている。
とにかく具体的な手立てを示すことなく、昨年から一貫して口にしている言葉は「自粛のお願い」だ。
やっとワクチンの話も出てきているが、何故か?国産ワクチン製造を推し進めるような事も無いまま、海外の製薬メーカーのワクチンを輸入する事になっている。
そして、ワクチン接種に関しては、各自治体に丸投げ状態だ。

元々基礎研究に強みを持つ日本であれば、製薬会社の垣根を超えた体制で「国産ワクチン」の製造を目指すと同時に「治療薬」の研究開発に資金提供をしたほうが、遥かに有益だったと思うのだ。
それを「Go To キャンペーン」に1兆を超える予算をつけ、「新型コロナ」の感染拡大を推進してしまった。

どう考えても、今政府が積極的に予算を投入すべきは、医療現場と医薬品産業のはずだ。
にもかかわらず、国民に向け発せられる言葉は「良心的社会行動」と「気合と根性」のような印象を受ける。
しかし、その「良心的社会行動」と「気合と根性」も、1年続けば我慢の限界を超えてしまうし、政府の失策が続けば、政府に対する信頼は無くなっていく。

そもそも、「仕事をしていない看護師が、数多くいる」ということと、「オリ・パラでボランティア活動ができる看護師が、数多くいる」は、同じ意味ではない。
深く考えなくても分かりそうなことを、首相たる人物が分からない、ということが不思議なのだ。
周囲にいるはずの官僚の方々も、そのことに気づかなかった、ということだろうか?

これらの発言から感じ取れるのは、「国民の事など考えてはいない」ということだろう。
そして開催にこだわる理由があるとすれば、「自分がオリ・パラを開催した時の首相である」という、自己満足のような気がしてくるのだ。