日々是マーケティング

女性マーケターから見た日々の出来事

「儲かれば良い」という思考に、レッドカードを

2020-03-01 19:38:49 | 徒然

「新型コロナウイルス感染症」の感染拡大によって、マスクだけではなくトイレットペーパー、ティッシュペーパー、キッチンペーパーだけではなく、女性の生理用品まで「買い占め」が起きている。
この異常さは、オイルショックでトイレットペーパーが、街中から消えた時以来のような気がする。

当時と違っているのは、「C2C」というビジネス形態ができたことで、一般の市民が買い占めた商品をC2Cのサイトに出品し、値段を吊り上げている、という点だろう。
いわゆる「転売ヤー」と呼ばれる人達が「ビジネスチャンス!」とばかりに、C2C(=フリマサイト)に出品し、暴利をむさぼっている、という状態になっているのだ。
Yahoo! のトピックスでは、マスクの転売で2000万儲けたという中国人女性のインタビューがあった。
Yahoo! トピックス:マスク転売で2000万円 新型コロナウイルスでボロ儲けをする中国人美女  (Fridayより)

美人かどうかは分からないが、医療用品の業者から横流しした商品をC2Cのサイトを利用して、高額な値段で販売をし儲けた!ということらしい。
他にもこの記事には、中国人男性のインタビューもあり「だから、中国人は・・・」と、思わず言ってしまいそうになるのだが、おそらく規模は違えど、日本人の中にも同様のことをしてボロ儲けをした人達は、いるはずだ。
少なくとも横流しをした業者も、それなりの儲けがあったはずだ。

ただ彼らは、「これは需要と供給の関係で儲けただけ」と、嘯くだろう。
かつてはこのような行為は「火事場泥棒」のように言われていたことが、今や「ビジネスだ!」と胸を張って言えるようになってしまった。
真っ当なビジネスをしている人達からすれば、「それはビジネスなどではない!!」と、怒り狂うような行為であっても、今の社会ではこのような「恥ずべき行為」を「お金を儲けてどこが悪い」と、開き直ってしまうことが許されるような部分がある。
それを可能としたのが、良くも悪くもC2Cというビジネスなのだ。

おそらくこのような行為をして「お金を儲けてどこが悪い」と開き直るような人たちは、今後も同様の社会不安が起きた時も「ビジネスチャンス!」とばかりにC2Cのサイトを利用して、一儲けをたくらむだろう。
しかも、アカウントなどを変えて登録をし、別人のようなふりをして、同様のことをするだろう。
とすれば、真っ当な感覚を持っている生活者は、今の内にこのような行為に対して「レッドカードを出さないサイト」をチェックすべきだと思う。

何故なら、このような行為を野放しにすること自体、そのサイトを運営している企業も、自分たちの儲けしか考えていない企業だからだ。
ビジネスというのは、儲けることも重要だが、社会に対して公正である、ということが、一番大切なはずだ。
その意識もなく、おかしな儲けに手を貸している、という認識が無いのであれば、それは企業として相通じる「儲ければ良い」という本質がある、と社会から認識されても当然だろう。
もし「転売ヤーの儲けに手を貸している」という認識がないまま、サイト運営をしているのであれば、それは企業として「社会的責任」を考えていない、ということにもなる。

今のような異常な状況だからこそ、どのようなビジネスであろうと「社会に対する公正さ」を企業を考え、行動すべきなのだ。