昨年買った、仲野徹先生の著書「(あまり)病気をしない暮らし」という本を、読み直していた。
読み直す切っ掛けとなったのは、以前読んだときに、気になった箇所があったからだ。
それは「風邪とインフルエンザ」について、書かれていた箇所だ。
これまで「新型コロナウイルス」という感染症に対して、インフルエンザの類なのか?それとも全く新しい感染症なのか?という「正体不明」の状態で、報道されることが多かった。
確かに、感染拡大のスピードはインフルエンザよりも早いような気がするし、対応策そのもの情報も錯綜していたように思う。
今や世界中の「感染病研究機関」では、「新型コロナウイルス」のDNAを分析し、ワクチンや治療薬の研究が一斉に進められている。
日本では、大阪大学が民間企業と共同でワクチンの開発を始めている。
ミクスon-line:大阪大学とアンジェス 新型コロナウイルス予防DNAワクチン開発へ
治療薬としては、武田薬品が治療薬の開発に着手した、という報道もある。
ミクスon-line:武田薬品 新型コロナウイルス感染症治療薬に着手 免疫グロブリン製剤年内上市目指す
しかし、私を含め「新型コロナウイルス」という感染症とは、「正体は一体何だろう?」と、疑問に思っているのではないだろうか?
これまで報道されている症状を見ると、風邪のようなインフルエンザのような・・・???という、印象があり、「新型コロナウイルス」という、「ウイルスの正体が分からない」という印象を持っているのではないだろうか?
改めて読み直してみると、風邪を引き起こすウイルスの種類は数多く、「コロナウイルス」もその一つだという。
その「コロナウイルス」に「新型」が付いていているので、おそらく「コロナウイルス」の進化系ということになるのでは?と、想像している(あくまでも私の想像であり、医療者の見解ではない、という点はご理解いただきたい)。
風邪そのものの決定的治療薬が無い、と言われていることを考えると、今回の「新型コロナウイルス」の決定的な治療薬が無い、というの頷けるような気がした。
ワクチンや治療薬開発への期待は大きいが、「とにかく、今の状況を何とかして欲しい!」というのが、生活者の思いだろう。
いくら「新型コロナウイルス」の感染検査が保険適用となっても、検査ができる病院が限られていることや、重症化した患者さん優先が検査対象ということを考えると、「検査を受けなくても良い=軽症状態」で乗り切る方法しかないのでは?という気がする。
上述した通り「新型コロナウイルス」は、風邪を引き起こす「コロナウイルス」の進化系だとすると、予防策として考えられるのは「風邪の予防策」ということになる。
もし万が一感染してしまった場合も、風邪の初期症状の対応策が、優先されるのでは?とも考えられる。
そして医療者から発信される「慌てないで、家で休む」等と言われても、「新型コロナウイルス」というウイルスの正体が分からないことから、医療者からの情報そのものに疑心暗鬼となっているように感じるのだ。
「不安の正体を知ることで、対策は立てやすくなる」とは言われているが、「新型コロナウイルス」の正確な正体=DNA分析によって判明する情報も重要だと思うのだが、医療者が「家で休んで、人との接触を避ける」という、風邪と同じ対応策を言う時に、「風邪を引き起こすウイルスの中に『コロナウイルス』があり、その進化系だと考えられているので、まず、家でゆっくり休み、英気を養うことが重要です」と説明をするだけで、生活者の受け止め方は随分変わるのではないだろうか?
「日本の医療者は、生活者に対して伝えることが上手くない」、と日ごろから感じているのだが、このような時こそ「平易な言葉で、不安を取り除く伝え方」ということが、「正体を知る切っ掛けとなり、対策も立てやすい」のでは?と、思うのだ。